フカセメジナ釣りステップアップ:ハリ使い 各特性と選択方法について
2020年05月01日 16:00
抜粋
近年、メジナ釣りは、ほぼオフがなくなった人気の高い釣りである。フカセ釣りの魅力は語ればきりがないが、メジナ釣りにおいて、釣果をアップさせる基本的な要点を3回に分けて紹介したい。第1回は「ハリの使い方について」だ。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・塩田哲雄)


フカセ釣りにおけるハリ
最初になぜハリから解説を始めるのかと思われる方もいると思う。ウキフカセ釣りのタックルを思い浮かべてほしい。磯竿、道糸を巻いたリール、ウキ、ハリス、ハリなどがある。
メジナ釣りのアイテムの一部(提供:WEBライター・塩田哲雄)細かなツールは省いてもこれだけの道具で成り立っている。簡単な説明にはなるが、磯竿、リール、道糸、ハリスは狙う魚の大きさに合わせ、各道具のバランスを考えて組むことが多い。
ウキに関しては、狙うポイントや上記の道具とのバランスで大きさと浮力が決まってくる。そして、ハリは組んだタックルのバランスを考えて、使う号数と形状を決める。こうしてトータルバランスが決まったタックルをベースに、ウキフカセ釣りを展開することになる。
そこで考えてみると、各道具の中でハリはさしエサを魚に食わせる、唯一魚との接点という重要な役割があることに気付くはずだ。小さな道具ではあるが、このハリ選びを基に仕掛けを組み立てると言っても過言ではない。そして、大なり小なり釣果がかわることだってある。それだけ重要な道具だからこそ第1弾として取り上げた。
厳寒期の実釣例
以前、水温15度を切る厳寒期の伊豆の沖磯で、全くさしエサを食わない状況があった。ウキを小さくしたり、浮力を小さくしたり、ハリのサイズも下げたり上げたり、いろいろと試したが反応はなかった。
そこで、発想をかえて全く形状が異なる、自重が軽くて軸も短めのハリに結びかえてみた。仕掛けを回収するとさしエサがちょっとだけかじられた。
次の仕掛け投入で、少したるませた道糸をピンと張るわずかなアタリが出た。軽く竿先で聞きアワセてハリに掛けることができた。
厳寒期だからメジナのタナは深いと決めつけ、自重のあるタイプのハリを使用していたのが間違いであった。エサ取りもほとんどいない状況で、メジナは住みかから、あまり出てこない。
ここはセオリー通りにではなく、その時の状況を見て、メジナはエサをどう食べているのか。どうすればメジナに違和感なくさしエサを食わせることができるか・・・を考えていれば、もう少し早く結果が見られていたのに・・・と後になって反省した経験であった。
状況の見極めが釣果を左右する(提供:WEBライター・塩田哲雄)ハリの種類が多い理由
メジナ釣り用には、どのような種類のハリがあるのかを説明しよう。単純にメジナ釣りのハリと言っても非常に多くの種類が釣具店のハリ売り場に並んでいる。
見てみると、形状は軸の太いもの細いもの、フトコロが広くなっているもの狭いものがある。色も釣り場の潮の色に合わせて、魚に気付かれ難い効果をうたった茶色や黒色、さしエサのオキアミに合わせたオキアミカラーや使用するコマセの色と同化して見え難くしたカモフラージュレッドなど多種多様にある。
選ぶのに迷ってしまう。どうしてこんなにいろいろな種類のハリがあるのだろう。それは、最初に解説したように、ハリが「魚との唯一の接点」という重要な役割があるからだ。
魚釣りは自然が相手である。海が静かなときもあれば、風が吹いたりウネリがあったりして波が大きいときもある。また、エサ取りが多くてさしエサをメジナの口まで届け難い時だってある。
そういったいろいろな状況下で使うハリだから、どんな状況下でもメジナに口を使わせやすい形状や重量などが考えられ、多くの種類が出ているのだ。それぞれのハリの特性を知って釣果アップに利用しない手はない。
それぞれのハリの特性を知る
ではどのような特性があるのだろうか。解説写真「使用メジナハリのポジショニング図」と「ハリ先角度の解説図」を一つの目安として参考にして欲しい。
簡単な見極め方になるが、フトコロが広く細軸軽量タイプは、食い渋るメジナを繊細な仕掛けで狙うときに特に効果がある。それとは反対に高活性時には、太軸でやや軸長タイプを使うことでしっかりとハリ掛りさせることができる。
メジナバリ各種の特徴(提供:WEBライター・塩田哲雄)また、ハリ先が緩やかに内向きにカーブしている(ハリの専門用語でシワリと呼ぶ)ハリは、その角度が小さいほどハリを飲まれても口元に掛りやすく、軽いアワセでハリ掛りしやうい。
ハリ先角度の違い(提供:WEBライター・塩田哲雄)角度が大きいハリの場合は、魚が違和感なく飲み込みやすく、しっかりアワせることで口の奥にハリ掛りさせることができる。
ハリの号数と色について
号数に関しては組んだタックルとのバランスを考えるようにしている。目安としては、ハリのパッケージに記載されている推奨ハリス号数を参考にしていただきたい。
ハリの色については、釣り場の潮の色、エサ取りの種類などを考え、状況に応じていろいろな色のハリを使い分けることが効果的。このようにそれぞれのハリの特性を知ることが釣果アップに関係してくる。
シーズン別のハリ選び
メジナは一年中狙うことができる魚であるが、ここでは春先、高活性期、厳寒期の3つのシーズンに有効なハリの説明をしよう。
春先のハリ選び
春先は水温変動が激しいのと、産卵期を迎え、日によってだけでなく、潮の干満時間によってもメジナの食いに差が出ることが多い。そこで、違和感なくさしエサを飲み込みやすい、軸が短く細い軽量タイプが活躍してくれる。
ただ、海が多少荒れ気味のときには仕掛けのなじみが良くないため、軸も太めにかえてさしエサが安定するようにしている。
食い込みが良くない時期のハリ選び(提供:WEBライター・塩田哲雄)高活性期のハリ選び
高活性期、メジナは表層から中層のタナでコマセに浮いてきやすい。アタリも活発にエサを食うことから鮮明に出る。そこで、やや太軸のハリ先の角度は平均的なタイプをパイロット的に最初は使い、メジナの食いを見ながら軸の太さなどの形状をかえていく。
オールシーズン使えるハリ(提供:WEBライター・塩田哲雄)厳寒期のハリ選び
厳寒期はメジナにとって低水温となる厳しい環境だ。水温次第ではほとんど住みかから動かない。海底の岩の割れ目などでじっとしているため、イメージとしてはさしエサを魚の目の前に流し込んで食わせる狙い方が多くなる。
厳寒期のハリ選び(提供:WEBライター・塩田哲雄)短軸、軸太、シワリが大きなタイプを使い、繊細な仕掛けで時間を掛けて狙う。
ただ、フグなどの低水温に強いエサ取りが多いときには、コマセと違った、不自然な沈み方をする仕掛けは良くないので要注意だ。自重の軽い小バリにするか、逆に大きいサイズにかえて、どちらがフグ対策として有効か試しながら釣りを展開していくことがこの時期の価値ある1尾へとつながる。
メジナ釣りの魅力
釣りは趣味の世界。人それぞれいろいろな考え方がある。それが楽しいことでもある。あくまでも私の考え方ではあるが、メジナ釣りは非常にゲーム性が高いと思う。
潮を読み、コマセをまいて、エサ取りを避け、コマセの効いている筋のどこで仕掛けを合わせて食わせるか・・・。目の前に広がる海を見て、五感をフルに働かせることで愛くるしい目をしたメジナに出会うことができる。
この原稿を書いている現在、日本全国で新型コロナウイルスの影響から多くのことが自粛となっている。少しでも早くウイルスの猛威が終息し、普通の生活が戻ったあかつきには、大いに釣りを楽しみに行きましょう。
<塩田哲雄/TSURINEWS・WEBライター>














