【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙う
2020年05月07日 11:30
抜粋
数年前のブームで、一気に知名度を上げたアカムツ。その身は上品な脂とうま味にあふれ、40cm前後以上のサイズになると、キロ当たり数千~1万円の値がつく超高級魚だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)


大進丸船長に聞くアカムツ釣り
テニスプレイヤー錦織圭さんの「ノドグロ(アカムツの地方名)が食べたい」というコメントで、広くその名が知られることになったのは周知の通り。
神秘的なアカムツだが、数年前までは静岡県か三重県の特定のエリアに行かないと狙うことができなかった。しかし、今では中京圏から近い南知多出船で楽しめるようになった。
南知多出船のアカムツ釣りの立て役者のひとりが、今回のレポートに協力してくれた愛知県・南知多町豊浜漁港から出船している大進丸の相川船長。今回、同船長に当地のアカムツ釣りについて聞いた。
相川船長(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)試行錯誤と地道な努力
同船がアカムツ釣りを始めたのは4年前。当初は、ほとんど情報もないなか、まさに手探りの調査で始まった。まず、先行してアカムツ釣りが行われていた静岡県や関東の釣りを参考に、試行錯誤を始めたが、海域が違えば海底の地形、潮流はもちろん、同じアカムツながら習性も異なることが分かった。
すなわち、ポイントの見つけ方やこれを攻略するための操船、有効な仕掛けも「先行地域のやり方にならえばよし」というわけにもいかず、トライ&エラーを繰り返しながら、同船ならではの攻略法を編み出していったという。
大進丸は4隻体制でニーズに対応(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)また、相手が沿岸の魚なら情報収集もしやすいが、アカムツははるか沖の住人。生息海域へ行くだけでも、船の燃料が何十リットルも消費されるため、おいそれとポイント開拓に行くのも難しい。そこで、手持ちの情報以外にも、同じく沖合の水深200~300mラインを釣り場とするスルメイカ便で出船した際などに、目ぼしい場所を見つけては、事後に実釣を行うなどして開拓を進めたという。まさに「ローマは一日にしてならず」だ。こうして、データの蓄積も進み、ゲームとして確立していった。
それでも毎シーズン、ポイントやパターンなど、新たな発見が続いているとのこと。相川船長自身も「毎回が勉強の機会」と常に謙虚な気持ちで、出船に臨んでいるとのことだ。
高級魚アカムツを狙う
そんなアカムツ釣りについて、以下に紹介していく。この釣りは、パワーのあるタックルで重いオモリを背負い、外洋の速い潮を貫いて魚にアプローチしていくため、一見大ざっぱな釣りと思いそうだが、そのゲーム性は精密そのものだ。
イメージ的には、船長と釣り人が一体となり、300m以上先のスポットに集まっている魚を、スナイパーのごとく狙い撃っていく釣りとなる。そのため、「これでいいや」は通用しない。
深海のルビーと称される高級魚(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)船が推奨しているオモリやミチイトの設定を守り、船長が唱えるタイミングに合わせて仕掛けを投入していくことが重要だ。そこで、まずはアプローチの上で最も大切なオモリやミチイトについて解説していく。
オモリとミチイトについて
この釣りにおいて、大進丸が推奨しているオモリは200号と250号。潮次第ではこれ以上の重さのものが必要な場合もあるが、重すぎるとアタリが分からなくなり、体力ばかり消耗して、釣りの醍醐味が失われてしまう。そこで、両方のバランスを鑑み、オモリの重さは前述の範囲にしている。
クロムツは嬉しいゲスト(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ここで避けてほしいのが、「200~250号だから、どっちかあればいいや」と妥協すること。潮流の影響で、意図したスポットに仕掛けを送り込めなくなるばかりか、同船者とのオマツリが多発することになる。手返しに時間を要する釣りのため、オマツリによるタイムロスは致命的。自分だけならまだしも、同船者に犠牲を強いるようなことは絶対に避けたい。
続いては、ミチイトの話。太さはPE3号、リールに巻く量は500~600mが原則。ポイントの水深はおおむね300m以内だが、潮流でイトがなびくことや、ミチイトを大きくロスした場合を考えると、前述の巻き量が必須となる。安い買い物ではないが、ミチイトをケチったせいで途中で釣りが不能になり、船代を棒に振るようなことになったら、まさに本末転倒だ。
仕掛けについて
当海域で使用するのは胴つき仕掛け。詳細は図を参考に、このような仕様の市販品を購入するか、自作されたい。
タックル例(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)ハリス(枝ス)やミキイトの太さについては、ほとんど光が届かない深い海の釣りなので、魚からの可視性を気にする必要はない。
また、沖釣り全般に言えることだが、ハリスとミキイトの太さの差が大きいほど、仕掛け絡みが少なく、ハリスが短いほどアタリを捉えやすい。ただし、ミキイトが太いほど潮に流されやすく、ハリスは短いほどクッション性が減り、バラシのリスクが高くなる。それぞれメリットとデメリットがあるが、基本の仕様と大きく異ならない範囲で、状況を見て仕掛けを使い分けるのがベストではないだろうか。
アヤメカサゴも美味しいゲストだ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)なお、チモトに施すアクセサリー類は、マシュマロボールという名の金平糖のような集魚玉のほか、夜光のカラーパイプを2cm前後の長さに切って、チモトに設置する。真っ暗な海の中で高いアピール力を発揮するが、深海ザメやクロシビカマス(鋭い歯で仕掛けを切る)が多いときなどは、集魚玉などの使用を控える場合もある。
タックルについて
近年は、中深海専用のサオが各社から発売されているが、同海域での釣りにマッチするのが、250号のオモリを快適に背負える胴調子(6:4)のもの。長さは1.8~2.4m程度が適合する。手持ちザオで釣るので、短いほど体への負担が少なく、アタリも感じやすい。
サオは手持ちが原則(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)一方で、長い方が誘いのメリハリをつけやすく、サオがウネリを吸収するので、仕掛けを安定させたり、バラシを抑制する効果が高い。まずは、扱いやすい短めのものでスタートし、満足いかないようなら、長めのものを追加でそろえ、以後は状況に合わせて使い分けていこう。
釣り方について
およそ300m先の目標に、仕掛けを正確に着弾させる必要があるため、投入は船長の指示に合わせ即時行うこと。また、オモリに引かれた仕掛けが、スムーズに飛び出していくよう、船ベリにハリを並べ、ハリスやミキイトも出ていく方向を考慮して、前もって整列させておこう。
投入前に枝スを整列させておく(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)エサは、サバの切り身とホタルイカのコンビを、チョン掛けするのが基本。ホタルイカは1匹掛け、サバの切り身は長さ8cm前後、幅は1.5~2cm。身が厚ければ身側を削ぎ落とし、ヒラヒラするようにする。
投入後、オモリが着底したらイトフケを取り、時折サオをゆっくり上下させて誘いを入れる。基本的に底を狙うが、海底には起伏があるので、それに合わせてオモリが底よりほんの少し上をキープするよう、イトを巻いたり送ったりして調整する。
ゆっくりサオを上下させ誘う(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)なお、アカムツは上バリに食ってくることもあるが、これは中層に浮いているというより、起伏の頂点付近にいたものが、横方向に飛び出して食っている可能性が高いというのが、相川船長の談。そのため、上バリに食ったからといって、タナを上げる必要はない。必ず群れでいる魚なので、1匹アタったらゆっくりリールを巻き、付近にいるアカムツの追い食いを狙おう。
ヒット後はサオを立てず負荷を胴に乗せる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)アタリの出方は、クロムツやユメカサゴと比べると鋭く明確。また向こうアワセの釣りなので、アワセは不要。アワせるとハリ穴を広げてしまい、バラシを招くので注意すること。
大進丸でアカムツ好調
さて、今年も最盛期を迎えた南知多出船のアカムツ釣りだが、日ムラはあるものの4月に入って好釣果が上がっている。
アカムツが次々浮上(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)4月12日には1kg級を頭に、多い人は13匹の大漁。初挑戦の人も含め、全員が2匹以上ゲット。
サオ頭はなんと13匹手中(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)高級五目で3kgアラも浮上
また、11日もポツポツながら、1kgオーバーの良型交じりでアカムツが上がった。さらに、9日は速い潮流に悩まされたものの、高級中深海五目となり、船中各所でクロムツやユメカサゴ、本命のアカムツも上がって盛り上がった。
クロムツも上がった(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)なかでも注目だったのが、3kg級の丸々としたアラ。釣り上げた松井さんは、「アカムツよりうれしいかも」と喜びをあらわにした。アラはアカムツ以上にお目に掛かれない超々高級魚。
アラ3kg手中(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)また、外道のクロムツやユメカサゴも、食通をうならせる高級魚だ。おいしい魚がオンパレードで手にできるのも、この釣りの魅力だ。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
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