『マイクロプラスチック』って何が問題なの? 根本的な解決法は未定

2020年05月22日 11:00

[TSURINEWS]

抜粋

近年になり度々ニュースなどにも取り上げられる『マイクロプラスチック』問題。聞いたことはあるけど詳しくは知らない人が多いのでは?今回は、同問題の脅威や解決法模索について紹介します。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・永井航

『マイクロプラスチック』って何が問題なの? 根本的な解決法は未定

マイクロプラスチックの概要

まず、マイクロプラスチックとは読んで字の如く小さなプラスチックの事だ。マイクロプラスチックの具体的な大きさは研究者により1mm以下を主張したり5mm以下を主張したりと見解が異なっている。

我々人間の生活に欠かせない物となっているプラスチック。それが今、大気中を舞ったりや海洋を漂う事で様々な問題が発生するのではないかと言われている。

マイクロプラスチックの種類と発生源

そんなマイクロプラスチックにも種類があり、それにより海洋などに流れ着く経路も少し異なる。

『マイクロプラスチック』って何が問題なの? 根本的な解決法は未定大きなゴミも劣化するとマイクロプラスチックに(提供:WEBライター・永井航)

一次マイクロプラスチック

まずは一次マイクロプラスチックというものだ。これはプラスチック製品の原料となる数mmのプラスチックのペレットや歯磨き粉やボディーソープなどに研磨剤として入れられている微細なプラスチックがあげられる。つまり元から小さなプラスチックという事だ。

普段使う事の多い歯磨き粉などに入っているマイクロプラスチックは基本的に下水処理場に流される。日本の下水処理場では水の浄化の過程でマイクロプラスチックなどの環境に良くない不純物を取り除き河川や海に排出していると言われている。

しかし、排水に混じるマイクロプラスチックを取り除くには高度な技術を持つ下水処理場を必要とするため、全ての国が保有出来ている訳ではないのが現状だ。このようにして一次マイクロプラスチックは河川や海にたどり着く。

二次マイクロプラスチック

続いて紹介するのが二次マイクロプラスチックだ。これは、元々は大きなプラスチック製品が劣化したり砕けたりする事でマイクロプラスチックになるというものだ。

物干し竿につけっぱなしの洗濯ばさみが粉を吹いたり、脆くなって折れたりするのを経験したことのある人も多いだろう。これはプラスチック製品が紫外線で劣化したために起こる事だ。もちろん、あの粉はマイクロプラスチックであり、あれが風で舞い上がり大気や海洋にたどり着くということだ。また、海に落ちているプラスチック製品は紫外線以外にも波浪やその他衝撃によって砕かれて細かくなる。

マイクロプラスチックの増加

今問題になっているマイクロプラスチックのほとんどは二次マイクロプラスチック由来とされている。現在の推定では既に5兆個以上のマイクロプラスチックが熱帯から極地、水面から水深1万mの超深海底までのあらゆる所に漂っている。

さらに驚くべきことに2050~2060年頃には海洋中のプラスチックゴミの重量は全海洋中の魚の重量を上回るとも予測されているのだ。もちろん釣り人のルアーやウキ、その他釣具やパッケージなど釣り人が持っている物でもプラスチックが使われている物をあげ出すときりがない。

また私も経験があり多くの人があるであろう釣具のロストや、不注意や一瞬の油断でビニール袋などが風で飛ばされたりする事故、そういった事もマイクロプラスチックの増加の片棒を担いでしまっているのが事実だ。

マイクロプラスチックの脅威

そんなマイクロプラスチックを魚達がプランクトンなどの餌と間違えて食べてしまっているとされ、現に日本でもイワシ類などのプランクトン食の魚類の体内からマイクロプラスチックが数多く見つかるということが頻発している。

ただ、マイクロプラスチックを魚が食べるだけでは糞等と共に排出されるため、さほど問題ではない。しかし、プラスチック製品は性能の向上や良質な製品にするために添加剤が加えられており、その添加剤の中には発ガン性やホルモンの異常を引き起こす可能性などが示唆されているものもある。

またプラスチックは疎水性が高く、マイクロプラスチックの表面は凹凸があり表面積が大きいため、疎水性の高い他の物を吸着しやすいという特徴がある。吸着しやすい物の中にはDDT(有機塩素系殺虫剤、農薬)、POPs(残留性有機汚染物質)など有害なものも含まれている。そういった物を魚がマイクロプラスチックから吸収してしまうのだ。

人体への影響は?

たしかにマイクロプラスチックの一つ当たりの添加剤や吸着物質は微少な量かも知れないが、マイクロプラスチックを食べた魚を食べる大型魚や鳥類、また我々人間には生物濃縮(食物連鎖中の高次捕食者に化学物質が濃縮されること)で高濃度の有害物質が溜まることも考えられる。まさに「塵も積もれば山となる」だ。

人や環境に対する健康被害などはマイクロプラスチックの濃度的にまだ出ていないとされるが今後は変わってくる可能性もある。余計なリスクは避けるに越したことはないだろう。

問題解決のために

先に結論を言うと、今現在、海洋に流出してしまっているマイクロプラスチックを含むプラスチックゴミの回収は現在の技術では不可能だと言われている。プランクトン採集用のネットを用いた方法から水面にゴミ箱のような物を設置して浮遊するゴミを集めるものまで様々なアイディアがあるが、その多くには欠点もある。

例えば、プランクトンや小魚などの生命の犠牲があることや、浮いているプラスチックは回収できても海中を漂う物や海底にあるものは回収不能なこと、ネットを使う能力のある船舶が限られること、ネットがプラスチック由来では元も子もないこと、運用資金の問題などがある。

『マイクロプラスチック』って何が問題なの? 根本的な解決法は未定地道な清掃活動がマイクロプラスチック予防に?(提供:WEBライター・永井航)

だからといって我々個人レベルでは出来る事が無いわけではない。わずか数mm以下のマイクロプラスチックの回収は人力では限界があるが、将来のマイクロプラスチックになるであろうプラスチックゴミを拾うことはできる。釣り場でゴミを出さないというのは大前提として、河川敷や浜などで行われる清掃活動に参加したり、普段から目についたゴミを拾ったりすることを心掛けたい。

マイクロプラスチックは塵も積もれば山となるが、ビーチクリーンなどの清掃活動も塵も積もれば山となる可能性がある。マイクロプラスチックが人だけでなく魚や環境にどのような影響を与えるかはまだまだ未知な所が多い。しかし、危険な影響があるとわかったときには、時すでに遅しとならないことを願っている。

<永井航/TSURINEWS・WEBライター>

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