迫力ある釣果写真を撮影するための5つのポイント 釣り専門記者が解説
2020年05月29日 17:00
抜粋
釣った時の感動を写真で残したい。できれば魚も大きく見えて、迫力も出したい・・。そんな方に向けて、釣魚の写真撮影方法を編集部スタッフが解説。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)


釣り上げた感動を写真で残そう
釣りをしていると、ついつい夢中になって同行者が魚を釣り上げても軽く無視……。「写真撮って~」といわれるまで撮影は考えてもみないなんて事はよくありますよね。そして、撮影するのにも、少し離れていてもその場でスマホを撮りだしてパシャッと1枚で「ハイ、OK」なんて行動をした心当たりはないでしょうか。
釣りの写真はその時、その場面でないと再現はできないものなので、良き思い出とともに写真を残そうと思えば少しの手間をかけたいものです。
釣りの思い出を残そう(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)同じカットを複数枚撮影
まず、現在はスマホやデジカメにしてもデジタルなので、たくさん撮って、後で消す事は容易な作業です。そこで、まずは同じカットを何枚か撮っておき、後で残すか消すかを判断するのが第一歩です。
スマホなら指でタッチしたところにピントが合うような設定にしておき、人、魚などピンとを合わせる場所をかえながら複数枚撮る事をオススメします。また、同じカットでも微妙な光の加減や対象物の明るさなどで、カメラが自動的に明るさを調節する事で写真全体の色合いや明るさもかわってきます。同じように何枚か撮影しても、後で見るとずいぶん違った風合いの写真があります。
魚を大きく見せるための撮影法
記念写真ととらえると、そんなに気にする事はないかもしれませんが、釣りの写真に限っては、少しでも魚を大きく、迫力のはる写真を残しておきたいものですね。特にブログや記事などの釣行記に使う写真では、迫力があった方が、読者にもその時の臨場感が伝わり、人気も出ると思います。
今回はスマホやコンパクトデジカメで難しい設定は不要な手軽に魚を大きく、少しでも迫力のある写真を撮るための5つの工夫どころを紹介しましょう。
撮影のコツ1:魚との距離
魚を大きく見せるのにもっとも簡単な方法が、「魚にカメラやスマホを近づける」というやり方。通常、スマホやデジカメにはズーム機能が付いていて、少々離れていても、ズームアップすれば近寄って撮ったような写真が撮れます。しかし、実際は接近して撮影した写真と、遠くからズームで撮った写真はまったく違う物にできあがります。
具体例としてまず、ウキ用の長いケースを魚と見立てて撮影してみました。ケースの長さは62cmで、いわば中型のスズキやハマチといったところでしょうか。撮影方法はコンパクトデジカメを三脚で固定してタイマーで撮影しました。
接近しての撮影
まず、下の写真ですが、カメラとケースの距離は約70cmです。もっとも引いた状態(広角)での撮影で、ケースがほぼ写真の幅いっぱいになるよう接近して撮影しました。どうでしょう。まずまずケースが前に浮き出て大きく見えませんか?
接近しての撮影(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)離れた位置からのズーム撮影
カメラとケースの距離を4mほど離し、ズームアップして最初と同じように、ケースが写真の幅いっぱいになるように調整して撮影しました。
離れた場所からズーム撮影(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)前の写真との大きな違いに気が付いた人も居るはずですが、ケースは同じでも、後ろの人の顔の大きさがずいぶんと違いませんか?
これはカメラのレンズの調整によるもので、ここでは難しくは説明しませんが、「魚が大きく、後ろの人は小さく」する事で、魚が前にドーンと浮き上がってくるのが分かりますね。
撮影する場合は少々手間でも、被写体にできるだけ近寄って撮影してあげましょう。
撮影のコツ2:魚を前に突き出す
近寄って撮影するのと同時に、魚を持つ人が工夫をする事もできます。同じような状態で、再びウキケースを利用して撮影してみました。ウキケースとカメラの距離は約70cmの状態です。
腕いっぱい突きだして撮影
まず最初の写真は手をいっぱいまで前に伸ばして、ケースをカメラに突き出すようにして撮影しました。
ケースを突きだした状態(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)横から見るとこんな感じになります。突きだした状態でケースとカメラの距離が約70cmです。
横からみた突きだした状態(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)身体に魚を近づける
次にケースを身体に近づけた状態で、ケースとカメラの距離を約70cmにしての撮影です。
ケースを身体の近くに(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)横から見ると腕を曲げて身体の近くにケースがある事が分かりますね。
ケースが身体に近い(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)2つの写真を見てみると、最初の項目で説明した内容と同じように、ケースを身体に近づけた状態では、写り込んでいる人の顔の大きさがずいぶんと大きくなり、ケースと顔の比較からケースがドーンと浮き上がらない写真となります。
それはもちろん、カメラとケースの距離を一定にしているので、ケースを身体に近づける事は、人自体がカメラに近づく事になるので、大きく写り込んでいるのです。撮影の際は「もっと魚をカメラに向けて思い切り突きだして!」とアドバイスをしてあげましょう。
撮影のコツ3:比較対象物の写り込み
前述の項目の中では、持ち手の顔の大きさの大小で、ケースが大きく浮き上がったり、そう大きなイメージを出せなかったりしていました。
それと同じ現象が、特に魚を持って写真を撮る時に起こります。それは魚を持つ指や手です。またまた同じケースでの撮影をしてみました。
指が見える状態
まずはよくある状況ですが、魚の下から手で支えての撮影です。ケースを魚に見立ててイメージしてみるとよく見かけるであろう写真です。
指が写り込んだ写真(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)指を隠して撮影
次に指をできるだけ隠してみました。ケースに指が掛かっていない分、比較対象物がない状態です。比較する対象物がないと人は錯覚を起こしてしまうのです。
指をできるだけ隠した状態(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)つまり、魚を地面に置いて撮影したとします。そこで、魚単体で写すより、ペットボトルを添えて写すとその魚の大きさを簡単にイメージできますよね。それは、身近なペットボトルの大きさを人が頭の中でイメージできているからです。
指が大きく写り込む事で、魚の大きさをイメージできますね。ごまかしているといえばそうかもしれませんが、写真はイメージであり、見た人がどう思うかは人により様々です。大きく見ていただけたら幸いですよね。
撮影のコツ4:魚の持ち方
目の錯覚、いわゆる錯視というのをご存じだろうか。錯視の中で、同じ長さの縦棒と横棒を置いた時に、縦棒の方が長く見えるという現象を、「垂直・水平錯視」と呼びますが、青物すスズキなど細長い魚体の魚は、その錯視を利用する事で多少大きく見える事があります。
ケースを横にして持つ
これもウキケースを利用して試しに撮影してみました。一つ目の写真はウキケースを真横に持った状態です。今回は横長の写真内に次の縦置きの写真も入れたいので、少しカメラとケースの距離を離しています。
ケースを横持ちで(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)ケースを立てて持つ
そのままの距離で今度はケースを縦にして持った状態が下の写真です。どうでしょうか。ちょっと縦持ちの方が大きく見える気がしませんか?
ケースを縦持ちにした(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)錯視の実験では、縦棒と横棒を同じ画面内で見せるので、縦棒の方が明らかに長く見えます。魚の撮影の場合は、魚を立てた場合と、横にした場合の両方を1枚の写真に撮る事はできず、同じ写真内での比較は無理ですね。
それでも、縦にした方がより長く見えるのには違いないのでそれを利用しようというものです。
ただ、今回は同じ条件で撮影したのでケースを縦に持った写真も横長の写真としましたが、実際に基本となる近づいて写真内いっぱいに魚を写すという事を考えると、縦持ちの写真はカメラを回転させて、縦長の写真に収める……という事も考えてみましょう。
撮影のコツ5:奥行きを出す
これは「魚を大きく見せる」のとは少し違いますが、できるだけ迫力のある写真を撮ろうという事で紹介します。絵画でいう「遠近法」のようなもので、撮影時に角度を付ける事で、奥行きを出します。
波止に置いたチヌ
今回は波止のチヌを撮影したものがありましたので例に挙げてみましょう。まず最初の写真はチヌを波止の上に置いて、真上から撮影したものです。よく見られる釣果の写真ですね。
よく見られる釣果写真(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)頭の方から撮影
次の写真は同じように波止の上に置いたチヌを頭の方から尻尾まで入るように撮影したものです。この時の撮影の注意点は、ピントを合わせる場所。カメラの中央でピントを合わせると、ちょうどチヌの胸ビレ辺りにピントが合い、カメラにもっとも近い頭部がピンぼけを起こすのであまり良い写真とはなりません。
奥行きを出した写真(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)ピントの合わせ方
この場合は、デジカメなら中央の焦点ポイントをチヌの頭部(実際には目)に持っていき、シャッターを半押しにした後、そのままチヌの魚体全体が入るようにカメラの角度をかえてからシャッターを押し込みます。シャッターを半押しする事で、焦点が固定されるのを利用します。
また、焦点を固定したら、今度はカメラとピントを合わせた場所の距離がかわらないように注意しましょう.
この写真の特徴は、頭がドーンとクローズアップされる事で迫力のある写真にできあがる事ですが、真上からの写真に比べると、遠近によって魚全体の形が崩れて写る事です。資料的な意味で撮るなら、真上からの写真と奥行きを考慮した写真を複数撮っておきたいところです。
ちなみにこの写真もウキケースを利用して撮影してみました。頭を斜め下に持っていき、写真の対角線上にケースがくるように撮影したものです。青物など長い魚によく用いられる写真の撮影方法です。これも、チヌの写真と同様、頭部にピントを合わせる事で奥行きを表現して、立体感や臨場感を出しています。
ウキケースで奥行きを出してみる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)デジタル画像は加工がしやすい
以上、楽しい釣りの写真を記録するための方法を紹介しましたが、これからは実際に現場でないと工夫をする事ができない部分です。現在のデジタル写真は、パソコンに取り込んだり、スマホのアプリを使う事で、明るさや色合いなどはかなり修正できます。
また、最初に紹介した通り、デジタル写真はたくさん撮影した後で、取捨選択して残す写真と消去する写真を選択する事で良い写真のみを残す事ができるので、どんどん撮影して楽しい釣りの思い出を記録に残していきましょう。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>















