【九州2020】鮎トモ釣り攻略 ハイブリッド釣法「引き釣り泳がせ」とは?
2020年06月06日 16:00
抜粋
今回は5月から6月にかけて全国で次々と解禁を迎えるアユのトモ釣りを紹介しよう。引き釣りと泳がせのハイブリッド「引き釣り泳がせ」とは?
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)


アユのトモ釣りの魅力
今年は近年にない事態で太公望たちにとっても大変な状況にある。しかし季節の流れは立ち止まることはなく、そして熱くなるアユも。この熱いアユ釣りを通して明日への活力とし危機を乗り越えていきたいものだ。
アユのトモ釣りは活きたアユをオトリに使って天然アユ(川にいるアユ=野アユとも呼ぶ)の縄張りに進入させ、野アユがそれを追い払うという習性を利用して掛けバリに掛ける釣り。釣ったばかりのアユをすぐにオトリアユとして使うので「循環の釣り」ともいわれている。
オトリを自由に泳がせておいても勝手にアユの居場所に向かうので放っておいても掛かることも多くあるが、オトリが元気なうちに次が釣れないとオトリが弱ってしまい釣りにならなくなる。また、効率良く釣るには自分の思い通りにオトリを操作して狙った場所に送り込んだり誘ったりする……そのためには技術が必要となる。それだけに奥が深く、多くのアユ釣りファンを魅了している。
ここ近年、地球温暖化の影響なのか、渇水、高水温、豪雨などで、ひと昔前の釣りが通用しなくなっており、他の釣りと同様、最先端の釣りは日々進化し続けているが、太古の昔から釣りバリの形が変わらないのと同じように基本は変わらないので基本をしっかりとマスターしよう。
アユの友釣りのタックル
アユザオといえば非常に高価なイメージがある。しかし、最近では手軽なものも多く販売されている。一日中持つものなので実際にお店で持ってみて自分に合ったものを見つけたい。
タックル図(作図:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)9mが標準。さまざまな長さ・調子(先調子・胴調子)・価格帯がある。感度・軽さはサオの価格に比例する。近年では支流などの小規模河川で釣りをする機会が多くなる傾向があるので7~8.5mを選択するのもよい。短い分、軽さ・感度も向上、価格もリーズナブルになる。
調子は重心が手元にあれば先調子、先に近ければ胴調子と考えればよい。胴調子は細イトが扱いやすく掛かった時に胴がしっかりと受け止めてくれ、抜きも緩やか。先調子は軽快でオトリの操作がダイレクトだ。感度は最低でもラインが張っている・緩んでいるかが目を閉じていても分かるものを選びたい。初めてならカタログを見ても分かりにくいので、取りまわしが良く持ち重り感の少ない先調子を選択するとあらゆる釣りに対応できるのでお勧めだ。
トモ釣りの仕掛けについて
仕掛けは、天上イト・水中イト・鼻カン周り(鼻カン~逆さバリ)・掛けバリ・水中イトの接続部(つけイト上部・下部)に分類される。各メーカーより天上イトから鼻カン周りまでの「完全仕掛け」が発売されており、掛けバリを付ければ即釣りが可能なので積極的に利用したい。
水中イトは種類が豊富で迷うが、最初は扱いやすくコストパフォーマンスに優れているナイロンラインから始めればよい。泳がせ・引き釣りに使える0.2号をメインに、アユの大きさや水深、流れの強さなどに合わせて太さを替える。ラインは細くすればするほどオトリの泳ぎが軽快になる。
私は、くるぶし~ひざ上程度の水深では0.125~0.2号のナイロンライン、それ以上の水深では複合メタルやメタルラインを使用。また引き釣り中心となるシチュエーションではナイロンライン0.25号+1号のオモリ(流れの強さや水深に合わせて)、またはメタルか複合メタルを選択している。
掛けバリには3本イカリ、4本イカリ、チラシ、ヤナギがある。通常は使いやすいイカリバリを選択するとよい。早掛けタイプはハリ先が傷みやすいのでシワリタイプの3~4本イカリ、サイズは6号・ハリス0.8号ぐらいから始め、釣りに慣れたらサイズや本数を変えてみよう。
近年の解禁初期は20cm級の野アユはほとんどいないので6号で十分だ。イカリバリの本数は4本の方が当然重くなるため掛かりは良いが根掛かり率も高くなるので、狙う場所の流れが強いなら4本、流れが緩い・根掛かりしそうな川相なら3本を選択しよう。
また、ハリの素材の比重によっては強い流れでも抵抗少なくオトリへの負荷が少なく重いのでシッカリと掛かる「細軸で重いタイプ」、浅場で泳がせる時に流れを受け沈みにくいので根掛かり率が下がる「太い軸で軽いタイプ」などの特徴があるので参考に。ハリ交換の目安は「ハリ先が指爪に立たなくなる前に」。
仕掛け一日分の目安量だが、完全仕掛け1組以上、張り替え仕掛け(水中イトより下の仕掛け)1組以上、掛けバリ10組以上を用意すれば十分。また下部つけイトは石にこすれたり、水を吸うことによる傷みが早いので、イト部分をつまみ強く引っ張ってみよう。ダメならそれで簡単に切れてしまう。できれば午後イチには交換したい。
仕掛け長はサオ手尻0~50cmとなるよう天上イトの移動部分で調節する。目印の位置はポイント水深の約1.5倍に。間隔を15cmにするとオトリアユが泳ぐスピードがつかみやすくなる。掛けバリ・ハリスは逆さバリの自動ハリス止めにセット。ハリスの長さは指幅3本が基本形だ。
ハリスの長さは指3本幅(提供:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)トモ釣り釣行の装備
履物はアユタイツ+アユタビが機動性に富んでいるのでお勧め。シーズン初期や深場に立ち込まないならスリムウエーダーやドライタイツもよい。ちなみに、主に渓流釣りで使用するウエーダーも使えるが、流れのある場所では中に空気層があるため転倒した際に脚が浮いて危険な状態となるためできるだけ使用を避けよう。
仕掛け・小物類を収納するためのアユベスト、オトリのセットや釣ったアユを受けるためのタモ、釣ったアユを入れておく友舟、友舟やタモを装備するためのアユベルトや移動時にアユを活かして運搬するための友カンまでは必要となる。
オトリアユについて
トモ釣りは活きたアユを使うので用意する必要がある。オトリ屋で購入。通常、オトリには養殖と釣り人が釣った天然がある。通常は予備を含めて2尾購入しよう。
サイズはその川で釣れている平均サイズより小型が扱いやすい。川までは友カンに入れて運搬する。
釣り場選び
アユ釣りは「1に場所、2にオトリ、3・4がなくて5に腕」といわれていて、場所の選択が非常に重要。トモ釣りは「循環の釣り」なのでアユがいるポイントで釣りをしなければ釣りが成立しない。
釣り場選択のポイントは、漁協やオトリ屋などで得た情報をベースに、橋や道路の上から川全体を眺め、(1)川底の石が泥を被っていないか、きれいに見えるか、(2)石にコケが付いているか、(3)アユが見えるかを確認しよう。またシラサギやアオサギの姿があるような場所は魚がいる証拠。
「朝瀬、昼トロ、夕のぼり」とよくいわれるように、朝イチは瀬の周りから始め、水温が上がる昼はトロ場を、夕方にはアユが溜まりやすい場所周辺を釣るのが一日の組み立てとしては確実だ。
また天然遡上アユは縄張りが広範囲で足首程度の浅場や岸寄り(ヘチ)に、放流アユは石裏などの「成長する過程で過ごした水槽に近い流れを好む」など、種類によってアユの着き場が異なることも意識しよう。解禁初期、天然遡上河川・放流河川ともに稚魚放流ポイント周辺が狙いめとなる。
場所が決まったらオトリアユの入った友カンを川に浸けて川の水になじませ、オトリが落ち着いたら友舟に移そう。
「引き釣り泳がせ」の釣り方
今回は引き釣りと泳がせ釣りのハイブリッド「引き釣り泳がせ」を解説したい。引き釣り泳がせは、ポイントの中で引いたり、サオを立てて泳がせたりを切り替える釣法。流れの強さによっては0.5号程度の小さなオモリを鼻先に付けオトリが泳ぎ過ぎないようにコントロールできる状態を作る場合もある。
オトリアユのつけ方
(1)手を水に浸して水温近くに冷やし、オトリを優しく握る。
(2)鼻カンの先を鼻にあて、一気に真っすぐ通す。
(3)逆さバリを尻ビレの後ろに皮をすくうように刺す。
(4)掛けバリの位置を確認する。
まずはオトリを付ける。腰を落としタモの下部を水に浸け、手を水で冷やし友舟からオトリを取り出してタモへ移す。
引き釣り泳がせでは引き釣りをベースにするため引き釣り同様、自分の沖にオトリが来るように送り出す。オトリを付けたらつかんだまま水中へ。サオを立て、オトリを自分の正面やや下流側に放しラインを張り気味にして沖に誘導する。
送り出しイメージ(作図:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)その際、浅い場所なら水面直下を、水深がある場所では底近くの石裏を転々とさせるイメージで誘導するとオトリ操作がしやすい。この時に「ドカーン」と野アユが掛かることが多いので常に気を緩めないこと!
オトリがサオ下まで出たら、サオを上流側に寝かせてオトリを落ち着かせる。サオ先が目の高さ&視野に収まるぐらいとなるのが適切な位置と考えればよい。私は、サオ先~目印~狙いのポイントが視野に収まるような範囲で釣るようにしている。
引き釣り泳がせは、文字通り「引き釣り」と「泳がせ」のハイブリッドな釣り方。言い換えると引き釣りは「オトリを引っ張りまわす」ものではなく「上流に向けての泳ぎをスピーディーに演出」で引いてばかりではなく実際には泳がせてもいる。私の場合はその引き釣りをさらに応用させたものとして使う。特に流れが複雑なポイントにおいては必須となる方法。
基本は引き釣りでラインを張った状態をキープし、上流に向かってオトリを引きながら泳がせ、オトリを次々にポイントに通す勝負の早い釣りを進め、群れアユに遭遇したとき、大きな石裏に来たとき、流れが変化したとき、浅場に変わったときなど、泳がせに分があるポイントに進入した際に泳がせ釣りに切り替える。
例えば、引き釣りを実行中、オトリが突然大きく動き始めることがある。これは群れアユに同調しようとしているケースで、すかさずサオを立てて泳がせ釣りにチェンジする。オトリがドンドン泳いで群れに付いていくので釣り人がその動きに追従していく。ただし、掛かったときを考えてゆとりのある間合いを確保しておくこと。ゆとりがないと掛かった瞬間に一気にサオとラインが伸びきってそのままラインブレイク……。
また、引き過ぎでオトリが弱ったのを感じた場合も泳がせに切り替えてある意味オトリを休ませてやる。
引き釣りモードでは、腕で引かずに脚で引く。具体的には、構えたサオ(腕)を動かさないようにし、オトリの反応を感じながら一歩、また一歩……と上流方向に移動しながら「石裏から石裏へ」、そしてオトリの姿勢が真っすぐ(頭が底に向かないよう)のイメージで引いていこう。この時にラインが張る感覚、緩む感覚、いわゆる「ツンツン」となるような引き方をするとオトリが弱ってくるので気をつけること。
「ここぞ」と思ったポイントでは、ゼロオバセにしてオトリを止めたり、サオを立てイトフケ(オバセ、フクロ)を作って泳がせ釣りモードに移行したりする。途中、オトリを上下に動かすアクションを加えて誘ってみる。
魚は上流を向き常に上方に対して神経質なので、雑なサオの大きな動きがあると野アユは散ってしまうことがよくある。動かす際はゆるやかに操作するように気をつけよう。野アユは新鮮なコケが付く石の周辺に縄張りを持つ。カケアガリや溝、波立ちのある場所や複雑な流れなどを目安にオトリを通す。
近年は異常気象の影響で野アユが縄張りを持たずに群れで行動することも多く、特にシーズン初期にはその傾向が強い。この群れアユも狙えば掛かる。釣り人が持っているあらゆる経験と知識・技術を臨機応変に展開していくのが引き釣り泳がせの真骨頂ともいえる。
取り込み
アユが掛かると目印が一気にぶっ飛んだり、水中に引き込まれたりし、その衝撃が手元に伝わり思わず雄たけびをあげてしまうほどの興奮度。基本は「向こうアワセ」で、サオをしっかりと曲げておいて掛けバリを食い込ませる(タメる)。アワせると一発でライン切れとなるので要注意。
引き抜き(作図:週刊つりニュース西部版 藤本繁樹)そしてサオを立ててラインが緩まないようサオをキープしているとサオのパワーで徐々にオトリ、そして掛かりアユが水面に姿を現す。次にサオの弾力を利用して掛かりアユを水から切る(浮かせる)とオトリ・掛かりアユが自分の方にゆっくりと飛んでくるのでタモで素早く、そして優しくキャッチしよう。
<週刊つりニュース西部版 藤本繁樹/TSURINEWS編>















