ライトゲームの切り札『レンジキープ釣法』入門 「動かない動き」とは?
2020年06月19日 17:00
抜粋
アジやメバル狙いの陸っぱりライトゲームにおいて、重要なのが一定のレンジを攻めること。今回は、操作が簡単な「レンジキープ釣法」を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)


ライトゲームでのレンジキープ
アジ・メバルを狙う陸っぱりのライトゲームでは、「リトリーブ」が有効でない場面も多い。ただ巻きで釣れるのは、シーズン初旬のスレていない魚だけだ。場所に人的プレッシャーがかかってくるにつれ、何度も同じ動きを見せられた魚は、「これはエサではない」と小さな頭でちゃんと理解して避ける。
そこでリトリーブにかわる釣法として習得したいのが、「レンジキープ」という技術だ。いわゆる「止め」の釣り。これを覚えておくと、確実に、アジ・メバルの釣果が伸びる。
レンジキープの釣りで1時間30匹以上の釣果も(提供:WEBライター・井上海生)実は上級者向けの等速リトリーブ
巻きの釣り、つまりリトリーブの釣りは、基本的に魚のリアクションバイトか、ベイトフィッシュを追っている魚を狙う釣法だ。このパターンで食う魚も、確かにいる。等速リトリーブでスレたと思ったら、同じ「等速」でも巻きの速度を変えるだけで、微妙にワームの波動が変わり、ひとつのヒットワームを三段階くらいに活用することができる。
しかし、この「等速」というのが、意外に難しい。魚が少しでも触ればハンドルを反射的に回してしまったりして、ワームを跳ね上げさせてしまう。また風や波っ気、浮きゴミがあったりと、フィールドの条件で、イメージするように水中にリグを通せない。そういう状況に焦れてくると、人のサガで、つい道具の操作が雑になる。リトリーブの釣りは、カンタンなようで上級者向け、なのかもしれない。
さらにいえば、ヒイカなどのベイトを捕食しているシーズン中のメバルをのぞいて、特に今のアジはほとんどが「アミパターン」だと言われる(もちろん例外はあります)。そのため、釣り人が考えるべきは、「ワームをどうやってプランクトンのように見せるか」だ。
「レンジキープ」=「止め」
リトリーブにかわるアジ・メバルの釣法として、どんなエリアの釣り人にも「レンジキープ」を提案したい。「レンジキープ」とは、ワームを特定の水深(レンジ)に入れて、そこからほとんど動かさずに定位(キープ)させることだ。
プランクトンはベイトフィッシュと違って自分から動かない。潮の行きつく先、水中・水面に漂っている。だからプランクトンパターンの魚は、ワームで、そのような動かないエサを模して「止め」で釣る。「レンジキープ」という言葉がなじまなければ、「止め」と考えればわかりやすいかもしれない。
レンジキープ釣法の3つのポイント
では、具体的に「レンジキープ」のやり方を、三段階に分けて順番に押さえていこう。まずは、明るい時間、ワームとラインの動きが目に見える条件で練習したい。
1.沈下速度を理解する
練習用のリグは、ジグヘッド0.4g程度を推奨。ふんわりとリグが目視できる距離に軽く投げて、ラインスラックをサッと取り、トップガイドから水面へと伝うラインをまっすぐにしたら、カウントを入れる。カウントは、頭の中で1、2、3と数える。5カウントも入れれば、相当沈むことが分かるはずだ。アジングでもっとも使用頻度が高いジグヘッドの重さは、水深にもよるが、大体0.4g~0.8g。これらの沈下速度をインプットしておこう。
ちなみにカウントの取り方は、1秒、2秒という数え方でなくてもOK。毎投、同じ早さでカウントできればいい。自分なりの感覚で1・2・3・4・5と頭の中で呟いて、レンジを刻む。
ジグヘッドの重さは3種類程度用意(提供:WEBライター・井上海生)2.ロッドの操作方法
さて、レンジキープの本番だ。水中に見えているリグが、カウントダウンして入れた水深からそれ以上沈まないように、「ロッドを持った手」を操作する。ロッド、竿先を動かすのではない。「ロッドを持った手」を、ゆっくりゆっくりと上に差し上げるようにするのだ。
「ロッドを持った手」をゆっくり上へ差し上げる(提供:WEBライター・井上海生)そうすると、投入したレンジからワームがほとんど動かず、ラインが緩やかに上に引っ張られる分、振り子のようにじりじりとほんの少しずつ手前に戻ってくるのが確認できるはず。これがレンジキープだ。リトリーブとはまったく違う「動かない動き」でワームをプランクトンに見せる。
3.フォールを織り交ぜる
アジは目の前でじーっとワームを見せるだけでも、それをプランクトンと思って飛びついてくるが、一旦リグが上にいって再び落ちてくる動きにも弱い。いわゆる「フォール」だ。
この習性を利用したリアクションバイトを出すために、3秒~5秒レンジキープしたあとで、ちょんちょんと竿先を数センチ動かしてフォールの誘いを入れる。食わなければアクションを入れた分のラインスラックを慎重に回収し、再び、同じ層をレンジキープする。以下、魚がヒットするまで、この繰り返しだ。
ちょんちょんのアクションは、「アクション」と意識するとつい竿先を動かしすぎる。こちらの気持ちとしては、「リグが水中のどこにあるか確かめる」という感じで(実際、ナイトアジングでは沈めすぎないためにこれが大事なのだ)、あくまで軽く。
アワセ不要のレンジキープはスレにくい
リトリーブでは、魚の乗る・乗らないは、そのときのバイトの深さによる。活性が低いときはとにかく乗らない。一方で、レンジキープは、常にラインテンションを張ったままの釣法になるため、バイトがあればそのテンションが自動的なアワセとなり、魚が勝手に乗る。 大物かな、と思ったら、しっかり針掛かりしたことを確認したうえで、軽く竿先をあおる「追いアワセ」をすればバラシが減る。
アワセのいらない、魚に違和感なく口を使わせるレンジキープでは、魚がスレにくい。リトリーブに反応するときと比べても、長い時間、数が釣れるのも魅力だ。
ほとんど上あごフッキングしてバラさない(提供:WEBライター・井上海生)これは、シーズン最終盤、ワームを見切った梅雨メバルでも有効な釣法である。静的なようで、実はタフな神経戦となるレンジキープで、アミパターンの魚を次々と仕留めよう。
<井上海生/TSURINEWS・WEBライター>















