ちょい投げキス釣果アップ術『ハリ合わせ』 さらなる数釣りを目指そう
2020年07月03日 16:30
抜粋
手軽に釣れるので人気のちょい投げキス釣り。釣果をアップさせるために考えておきたい事がある。それが「ハリ合わせ」。ハリの形状別に紹介しよう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS・関西編集部・松村計吾)


「ハリ合わせ」とは
「ハリ合わせ」という言葉をご存じだろうか。この言葉をよく耳にするのはアユのトモ釣りであったり、フカセのグレ釣りなどで、ほかにもワカサギ釣りや渓流釣りでも実践される。その名称の通り、ハリを合わせていくことだが、合わせていくのは「魚の食い」である。
アユのトモ釣りの場合は、オトリアユにアタックしてきた野アユをオトリアユの後部にぶら下げた掛けバリで引っ掛ける釣りだが、この場合には野アユのアタックしてくるタイミングや速度、角度などいろいろな状況が生まれてくる。そのアタックしてくる状況に応じて、掛かりやすい掛けバリの形状があるという訳だ。
それは上記に挙げたグレ釣りやワカサギ釣りなどでも同じことがいえる。アユと違ってエサを食わせる釣りだが、それでも食い方がかわれば、掛かりやすいハリの形状が出てくる。そのためにいろいろな形状のハリが工夫されて開発されている。
ハリが合えば驚くほど釣れる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)キスのエサの食べ方
キスのチョイ投げでは、キャストした仕掛けを、底に付けたまま、ズルズルと引きずってくる。そのうち、仕掛けの先にあるエサを見つけたキスが寄ってきて、ハリ付きのエサを食う。
キスは基本的に、同じ投げ釣りの代表格であるカレイとは違い、海底より少し浮いた場所を少数の群れで行動し、砂底に潜むゴカイや小さな甲殻類などを食べるのだが、その食べ方は口先から、人がうどんやそばでも食べるように吸い込むのが普通だ。
そんな食い方に合わせたエサとなるのがイシゴカイやアオイソメ、マムシ(ホンムシ)、チロリなどのいわゆる虫エサと呼ばれるもの。
これらをハリの軸に対して真っ直ぐに刺し、ハリ先は外へ出すことで、キスがエサを吸い込みやすい形状になる。ハリいっぱいに通してしまうと虫エサが丸くなりキスが吸い込みにくくなる。また、虫エサの身体の真ん中にハリをちょん掛けするようなバス釣り用ワームのネコリグ的な刺し方もスムーズな吸い込みを妨げるのでオススメはできない。
キスバリの基本形状
キスを始め、カレイなども含めてエサを吸い込んで食べるターゲット用に古くから使われているのが、軸が長い流線型と呼ばれるハリだ。その長い軸に虫エサを通して使い、ハリの曲がった部分から先は外に出すことで虫エサを真っ直ぐに刺しやすくなっている。
その軸長の形状を基本として、キスがさらに食い込みやすく、掛かりやすくしたタイプのハリが数多く開発され、発売されている。今や、市販品でもハリの形状を変えたできあいの仕掛けが数多く発売されているので、自作せずとも手軽にいろいろなハリの仕掛けを使うことができる。
軸長のハリが基本だ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)同じ号数でも大きさは様々
下の写真はキス用に使用するハリだが、実は全て7号という規格サイズだ。同じ7号でもずいぶんと大きさが違うのが分かるはず。なので、仕掛けを選ぶ際には一概に○号を用意、とはいえないのでご注意。あくまでも目で見て、サイズ感を覚えておくことも重要だ。
全て7号サイズのハリだ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)もし分からなければ、まずは2、3種類のハリを徹底的に使ってみて、そのハリのサイズ感をしっかりと認識できるようになることだ。そのハリのサイズ感を基準として、他のハリを区別すれば良いだろう。
キスの2大釣法
キスをチョイ投げや投げ釣りで釣る場合、大きく「置き竿の釣り」と「引き釣り」に分かれる。
置き竿の釣り
置き竿の釣りはその名の通り、仕掛けを投入したら竿を竿受けなどに置いてアタリを待つ釣りで、主に大型キスなどの回遊を待って釣る方法だ。いわば、カレイやチヌ(クロダイ)、マダイなどの大物釣りで、キスを釣る場合も良型、大型を狙った釣りが多い。
この釣りは夏場のエサ取りやゲストがやたらと多い時には仕掛けを止めてしまう分、エサ取りにエサを取られすぎたり、不要なゲストが掛かってきたりと厄介な状態も多い。チョイ投げの場合は特に、キス以外の小魚のアタリも多く、仕掛けを動かして小魚を避け、キスにエサを食わせるので、置き竿の釣りはあまりやらない。やるとすれば夜釣りや、水温の低い時期がメインとなる。
引き釣り
本来はキスを数釣る方法で、仕掛けを投げ込んだら海底をズルズルと引きずり、広範囲に探ってキスの居場所を探す。そして、投げ釣りの場合は一つの仕掛けに10本近いハリを付けることで、1投多魚を狙う釣りが主流。チョイ投げの釣りもハリ数は少ないものの、軽いオモリで手軽にあちこちに投げてキスの居場所を探るので、引き釣りがメインと考えて良いだろう。
2つの釣りの大きな違いは仕掛けが止まっているかどうかで、仕掛けが止まっていれば大きめのエサでアピールして、食い込むまで送り込むなどしながら完全に食わせる。そのため、エサも大きく、それに合わせて大きめのハリを使う。引き釣りは仕掛けが動いている時に、吸い込んだ瞬間にアワせたい、または飲み込ませて口腔内に掛けるなどの釣り方をするため、小さめのエサに小バリが基本だ。
形状タイプごとにキスバリを紹介
チョイ投げの基本はあくまでも、吸い込みやすい小バリであると思っている。ところが、最近では多彩な形状の小バリが登場してきて、微妙に掛かり方もかわってくる。
前述のハリ合わせがここで必要になってくるのだ。ここからはちょい投げでのキス釣りに使用する小バリを普段筆者が使い分けている例を挙げて形状タイプ別に紹介していきたい。
種類が多すぎるキス用のハリ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)流線軸型
これはチョイ投げや引き釣りというよりも、置き竿の釣り用で多用する。同じ号数でも競技用キスバリに比べるとずいぶんと大きいので、使用する場合はかなり小さな号数を使用するが、小バリに比べると、実は軸も太く長いので、微妙ながらキスが吸い込む時に抵抗となる。
ケン付き流線(左)と投げ専用キス(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)活性が低く、仕掛けを止めて釣る場合やキスのサイズが良い場合には使用することもあるが、チョイ投げではあまり使わないタイプだ。
キツネ型
ちょい投げを始め、引き釣りでキスを狙う場合にはもっとも多用されるタイプが「キツネ型」と呼ばれるハリだ。元々、古くから「キツネ」や「白狐」といった形状のハリがあり、それらをさらに改良したものだ。
キツネタイプのハリ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)特徴としてはハリ先がやや短くなっている点で、これは吸い込みやすい形状である上に、口腔内に掛からず口からハリが抜け出る瞬間に口元に掛かる形状ともいわれている。いわば、キスがハリを吸い込んで吐き出す際にもハリ掛かりするという訳だ。
袖バリ型
軸からの曲がり始めとハリ先の手前のカーブがやや角張っているタイプで、そのカーブを丸くしたものは筆者がラウンド型と呼んでいるタイプ。大きな特徴はハリの軸が真っ直ぐになっていて、虫エサを刺した時に安定しやすい点だろう。
ラウンド型と呼んでいるハリ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)ちなみにハリ先と軸の間隔のことを「フトコロ」と呼ぶのだが、袖バリタイプではそのフトコロの広さとハリ先の微妙な向きをかえることで、吸い込みやすさ、掛かりやすさもかわってくる。
袖バリ型のハリ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)たとえば、フトコロが狭くハリ先がやや外向きになっている場合、キスがハリを吸い込みやすく、ハリ先が外を向いていることで口腔内に掛かりやすい。つまりはハリを飲み込ませて釣るのに適している。逆にフトコロが広いと、吸い込みには少し障害となるが、口腔内、口周りのどちらにも掛かりやすくなる。
ハリ先でいうと、外を向いているとキスには掛かりやすいが、海底を引きずる時にはハリ先が甘くなりやすいなど、それぞれに多少のメリットとデメリットが存在することを知っておこう。
中間型
多くのハリが開発されれば、もちろんいろいろな形状を組み合わせた「良いとこ取り」的なハリも存在する。これらは奇をてらった商品から、突如として流行の先端に躍り出る商品もあるなど、基本ラインを踏まえつつ自分で試してみることをオススメする。
どの型にも属さないタイプも(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)状況に応じた使い分けを
キスのチョイ投げは競技用と呼ばれる小バリ仕様がオススメ。しかし、一口に小バリといってもその形状は様々だ。厳密にいえば、ハリの掛かり方やアタリの出方でどんな形状のハリが合っているのかの判断をするイメージはあるが、まずは、チョイ投げで使用するハリでも微妙に違った形状があることを知っておきたい。
その上で違ったタイプのハリ、仕掛けを数種類持参して、アタリがあるのに掛かりにくいなどの不都合があれば違ったハリを試してみることで、その状況下に適したハリと出会えれば釣果が一気に伸びるはずだ。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>















