嫌われがちなアカエイを『狙って』釣る方法 釣り味&食味は本命級?
2020年07月18日 16:30
抜粋
アカエイは「豪快な引きが楽しめ、食べて美味しいサカナ」である。今回はそんなアカエイを「狙って釣る」方法を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・楢﨑人生)


アカエイは招かれざるゲスト?
のんびりと海釣りを楽しんでいると、謎の巨大魚に竿が持っていかれそうになり、汗だくになってやり取りした挙句、浮上してきたのは悪魔の手先と見間違う様相のアカエイ。ガックリと肩を落とす瞬間である。
そんな「招かれざるゲストの頂点」と言っても過言ではないアカエイだが、本命として狙う選択肢もあるのだ。
アカエイ釣りのポイントとシーズン
アカエイ釣りのポイント&シーズンを解説しよう。
アカエイは日本全国の海域、主に砂底や泥底に生息しているので、狙って釣るには好都合な魚だ。特に釣りのポイントとしては、エサとなる貝類、カニ類が多い河口域、港湾内、干潟が好条件だろう。アカエイにとって条件の良い場所に集結するようで、1匹釣れればそこから大釣りすることも可能だ。
河口部などアカエイが寄る場所がポイント(提供:WEBライター・楢﨑人生)通年釣れる魚だが、水温の上がる春から秋のシーズンが釣りやすい。また夜行性であるため、暗い時間になると浅場で活発にエサを追う。確実に1匹を求めるなら、夜釣りがオススメだ。
アカエイ釣りのタックル
タックルは、アカエイの強烈な引きに耐えうるものを用意しよう。引きが強烈なだけでなく、砂に潜って底に張り付くという他の魚種には見られない非常に面倒な抵抗をしてくる。タックルは強靭であるに越したことはない。
そこで、役に立つのがイシダイ釣りやコイの投げ釣り用タックル。これらは竿、リール、仕掛けまで、ほぼそのまま流用できる。タマン(タマミ)釣りのタックルも同様だ。
イシダイ用タックルを流用(提供:WEBライター・楢﨑人生)これらのタックルの共通点は「竿とリールにパワーがある」、「ラインが太い」、「投げ釣り」、「ハリが強靭」と言った点だろう。大型青物、雷魚、バス用ビッグベイトロッドなど大型魚を狙ったルアー用のタックルも流用できる。「相手(アカエイ)はモンスター」を念頭にタックルセッティングすればまず問題ない。
アカエイ釣りの仕掛け
イシダイ釣り、コイの投げ釣りは仕掛けがそのまま使える。基本的には投げ釣りの仕掛けで事足りるので、捨てオモリ仕掛け、中通しオモリ仕掛けなど、潮の流れに仕掛けが流されない程度のオモリを使った投げ釣り仕掛けであれば何でもよい。
イシダイ仕掛けもそのまま使える(提供:WEBライター・楢﨑人生)ハリは太軸必須。イシダイ、コイ、マダイ、タマンなど、アカエイの強烈な引きでも伸ばされることのない太軸のものが必要だ。道糸はナイロンライン10号、PEライン2号もあれば十分に戦える。ハリスはフロロカーボンライン、ワイヤー、ケプラーを使用するタックルに応じて選べばよい。
アカエイ釣りのエサ
次にアカエイ釣りのエサについて解説しよう。
赤貝
イシダイ仕掛けならそのまま赤貝が使える。つまりイシダイ用タックルであれば、一から十まで何も変更しなくて良い。釣り場が磯から砂底の浅場に変更されただけだ。イシダイ釣り万歳である。
魚の切り身
最もポピュラーなエサはアジ、サバ、イワシなど、魚の切り身だろう。スーパーで容易に入手可能な上に、集魚力も強い。ただしフグなどのエサ取りに弱いと言う欠点がある。
イカの切り身
魚の切り身同様に入手が容易で、かつエサ取りにも強いエサがイカの切り身だ。ただ、エサ取りに強いと言っても魚の切り身と比較してのこと。定期的に仕掛けを上げて、ハリにエサが残っているか確認しなければならない。
その他活きエサ
手間は掛かるが有効なエサはテナガエビ、ハゼ、稚ボラ、小アジなどの活きエサだ。昼間の明るいうちに自前で調達しておき、夕方からの釣りで泳がせ釣りのエサに使う。アカエイだけでなくスズキ、ヒラメ、チヌと言った「釣れると嬉しいゲスト」が掛かることも多く、準備の手間と差し引いても十分におつりがくる。
自前調達ならばエイの主食であるカニもエサとして使える。カニかごを用いてカニを捕獲する。カニかご漁はほとんどの場合、鑑札を必要とする。必ず漁協に確認してからカニかご漁を行うこと。カニも対エサ取り対策として有効な手段だ。上記の生きエサ同様、釣れて嬉しい魚が掛かることもある。釣りで使い切れなかった分は持ち帰って味噌汁に入れても良い。
アカエイ釣りの注意点
アカエイはハリ掛かりすると、ゆっくりだが力強く泳ぎ始める。竿掛けに立てておくと、竿掛けごと他の竿まで全て持っていかれる可能性もあるほどの力強さだ。港であればワイヤー、ロープなどで係船柱やポールに竿をしっかりと結び付けること。サーフであれば砂に鉄パイプを打ち込んで港での釣りと同様に、竿を持っていかれないようにしておきたい。
竿をワイヤーなどで固定(提供:WEBライター・楢﨑人生)アカエイの釣り方
基本的には普通の投げ釣りなので、仕掛けを投入した後は竿先に注意を払いながら、のんびりと過ごしていても問題はない。
アカエイの反応があっても早アワセは厳禁。アタリがあってもすぐにはアワセを入れず、魚が走るまで待ってから、竿を立てる遅めのアワセで大丈夫だ。ハリ掛かりすると、青物かと見間違うほどの勢いでリールから糸を引き出していくこともあれば、砂底に潜り込んでビクとも動かなくなることもある。
ヒット後のやり取り
アカエイは静と動の混在する激しいファイターなのだ。アカエイが走っている時は無理やり止めようとせず、ドラグを調整して上手にいなす。1m程度のアカエイなら、リールに巻いてあるラインを全て引き出すまで走るようなことはない。
走りが弱まったら竿尻を腹に当ててポンピングしながらリールを巻くか、アカエイが走った方向へ自分が近付いて、出された糸を回収していく。
底に張り付かれた場合
やり取りで最も厄介なのは、アカエイが砂に潜って底に張り付くことだ。動かざること山の如し。底に張り付かれた場合、パワー不足のタックルでは全く太刀打ちできない。アカエイが動き出すまで待つしかない。
タックルが強ければ無理矢理に底からはがすこともできるが、竿やリール、ラインにとてつもない負荷が加わり、竿の破損やラインブレイクにつながりかねない。
アカエイの底張り付き状態は根掛かりとよく似ていて、初めて経験すると、誰もが根や障害物に巻かれたと勘違いするだろう。ここで早合点してラインを切ってしまわないこと。待っていれば再び動き出すので、その時までは我慢比べとなる。
ハリ外しリリース
アカエイ釣りで最も困難を極めるのは、ハリを外して無事に海へ帰してあげることだ。大暴れしながら毒棘を振りかざして抵抗する様は、まさに地獄絵図。もし食べるために持ち帰るのなら、まず尾を毒棘ごと根元から切断する。
アカエイは毒棘さえなければ危険要素はほとんどないので、安全にハリを外すことができる。リリースする場合はアカエイを裏返し、口のある腹側を上にする。2人以上いる場合は、1人が尾を踏んで押さえ、もう1人がプライヤーでハリを外す。
ハリ外しのアイテム
1人でハリを外さなければならない場合は、エイリアンペンチなどリーチのあるアイテムで安全を確保すること。またエイリアンペンチは、ハリを飲み込まれた場合にも役に立つので持参しておいて損はない。危険を理由にハリスを切ってリリースするようなことはできるだけ避けたい。死力を尽くして戦ってくれたアカエイに敬意を表して、やさしく海に返してあげよう。
エイリアンペンチ(提供:WEBライター・楢﨑人生)アカエイ釣りに挑戦しよう
アカエイは見た目が不気味な上に、毒棘を振り回す恐ろしく迷惑な魚だ。独自の釣種ジャンルとして特化していないところを見ると、専門的に狙って道を究めようとしている人は殆どいないのだろう。
魅惑のターゲット、アカエイ(提供:WEBライター・楢﨑人生)つまりアカエイに確立された釣り方はない。自分の持っているタックルで、自分の作りやすい仕掛けで、釣りやすい場所で、好きなように好きな釣り方をすれば良い。強力な引きを味わいたい人、動物性たんぱく質を大量に確保したい人、自分の釣りの歴史に新たな1ページを刻みたい人……そんな人にオススメの釣りだ。興味がある人は一度挑戦してみてはいかがだろうか。
<楢崎裕史/TSURINEWS・WEBライター>














