ショアジギングで3kg超カンパチ 高水温で釣れないはウソ?【神津島】
2020年09月02日 17:00
抜粋
8月20日、東京・伊豆諸島『神津島』の磯からショアジギングでカンパチを狙い撃った。高水温期で苦戦が予想されたので、徹底的にボトム狙い。夏には珍しい3kg超のカンパチをゲットすることができた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・たける)


神津島でショアジギング
8月20日、東京・伊豆諸島の神津島の磯へ、ショアジギングにでかけました。狙いはカンパチ。この魚は青物と呼ばれる魚の中でも、ターゲットとして特に人気が高い魚です。とにかく下へ下へと突っ込むファイトスタイルに魅せられたアングラーも大勢います。
房総半島や伊豆半島では、ワラサやヒラマサと比べてレア感のあるカンパチ。ところが伊豆諸島・神津島はカンパチのフィールドとして全国でも有数の実績ポイントであり、サイズに注文をつけなければ一年中カンパチをターゲットにできる離島です。
神津島の「夏カンパチ」
そんな神津島で釣れた時のデータを毎回取っているのですが、良型と呼べるカンパチがルアーに反応してくれるのは水温が18~24度の時に集中します(ベスト水温は19~22度)。年によってバラつきはありますが、夏以外は良型カンパチが狙えると言い切ってよいでしょう。
あくまで神津島でのデータなので、他の海域では当てはまらないこともあるでしょう。通常夏に釣れるのはショゴと呼ばれる小型カンパチのみ。過去の実績がそうであったため、夏はあまり磯に降りていなかったのですが、今年はどうも海の状況が違うようです。
異常な高水温に苦戦必至?
今年は異常と呼べるほど海水温が高いのです。東京都の島しょ農林水産総合センターのデータによると、8月19日の表層海水温は29.5度。平年偏差で見ると、なんと驚きの+4.1度です。
ちなみにアメダスのデータによると、同日の神津島での最高気温は28.9度で、ほぼ例年通り。いかに海水温が高いか想像できると思います。これだけ海水温が高ければ、まずカンパチは釣れないだろう……、良型は釣れるワケがない……と、そう信じきっていました。そんな時に地元のダイバーと「表層は煮えてるけど、中層以下は逆に例年より低くて寒いくらいだよ」という何気ない会話を交わしました。
中層から下は低水温
あくまで仮説に過ぎないのですが、原因はおそらく台風が来ないことではないかと思われます。例年、夏になれば台風がいくつかは伊豆諸島近辺を通り、海水をかき混ぜてくれます。
このタイミングで濁りが入ったり、釣りにいろいろな恩恵をもたらしてくれることもあるのですが、2020年はその台風がここまでゼロなのです。もちろん私は専門家ではありませんし、他に要因があるのかもしれません。ただ、中層以下の海水温が低いのは間違いない様子。
沖の遊漁船がムロアジの泳がせでカンパチを釣っているのも事実。これはショアからルアーで狙うことも可能なのではないか?と自分に優しく都合の良い条件だけをピックアップし、ウキウキしながら磯に降りてみることにしました。
神津島の地磯の特徴
いくらトップとボトムの水温が違うといっても、水深10m程度では話になりません。「通常の感覚でショアからルアーが届く範囲」の水深では水温にそれほどの変化はないでしょう。しかしここは神津島。そもそも火山島なので、溶岩が海で急速に冷え固まったとされるドン深の磯が多数存在し、中には足元で水深35~40mという地磯もあります。
そんな磯からルアーを投げ、ボトムを徹底的に探るということが今回のテーマです。ルアーチョイスはジグの一択。当然ながら根掛かりも多くなると予想されます。予備のかえスプールは普段1つしか持って行かないのですが、今回は2つ持参することにしました。
ベタ凪で水色はクリア
海況はベタ凪、北からの緩い潮。濁りはなくクリア。浮きグレの下の層にハッキリとタカベの大群が視認できる状況です。
見えにくいがタカベの群れが居る(提供:WEBライター・たける)理想は、波が立っていて濁りが入っている状態です。そしてこの磯では経験上、南からの潮が効いている時が最も好釣果に恵まれます。当日は残念ながら絶好の釣り日和ではないということになります。
しかし、潮も動いていないよりマシだし、離島とはいえ夏は凪の日が多い。そもそも自然相手に好条件が全て揃うことの方が珍しく、この条件だって悪条件ということではない。何事も前向きに捉えた方が、人生楽しく過ごせるというものです。
使用したショアジギングタックル
自宅から近いこともあり、いつも2時間程度の短時間釣行なのですが、磯には2セットを持ち込むようにしています。理由は簡単。一つだけだとすぐ飽きるからです。
2種類のタックルを持参(提供:WEBライター・たける)一つはPEライン6号にリーダーは140lb、もう一つPEライン3号にリーダー60lbをセットしています。それぞれFGノットでリーダーはナイロンラインを12mくらい取ってあります。神津島のカンパチが食ってくるのは磯際がほとんどで、直後に急速潜行モードに入ります。
それを止めるための20ソルティガ18000PGであり、止められなかった場合の根ズレを少しでも軽減するためのロングリーダーという設定です。PEライン3号を巻いたソルティガBJはカツオ用です。最近スマガツオやハガツオが散見されるので、飛ぶ海鳥の高度が下がったら気分転換に投げようと持ち込みました。
ボトムでエソの猛攻
今回はジグでとにかく底を叩くことがテーマ。底を取りながら潮に乗せ、パターンをかえつつジャーク、そしてキャストを繰り返します。時折、根に擦る嫌な感触が伝わってきます。リーダーに傷がついていないか確認し、必要があればすぐに切って結び直して再挑戦していきます。
底を攻めると、やはりエソのアタックからは逃れられません。エソやショゴのアタックで集中力が途切れそうになったら、タックルをかえてトップでカツオ系を狙ってみます。しかし、表層でルアーに反応するのはペンペンサイズのシイラたち。ツムブリが表層を回遊しているという噂がありましたが、その確認はできませんでした。
エソの猛攻に閉口(提供:WEBライター・たける)ボトムで待望のヒット
トップキャスティングでリフレッシュを終えたら、再びジグでボトムを叩きます。流れる潮に対して頭を向けて泳ぐタカベの動きを見ながら、90gのジグをアレコレ試しながら操作します。若干スロー気味の縦変化でシャクッたその時、待望のアタリを感知。
カンパチ特有の急速潜行で一気にラインが引き出されます。20年仕様のソルティガから搭載されたドラグは、15年製までと違って爆音。往年のエアスプールを彷彿とさせる、乾いたドラグ音を聞きながらファイトします。
3.2kgヒレナガカンパチ手中
ファーストランの最中、リーダーが根に擦れる感触で一瞬ヒヤリとさせられました。ドラグを鳴かされつつも、タックルのスペックにモノを言わせてゴリゴリと主導権を奪回。相手も3度目の潜行時にはもはや力がなく、落ち着いて空気を吸わせた後にズリ上げ、キャッチすることができました。
無事にキャッチできたのはヒレナガカンパチ3.2kg。サイズももちろん、「仮定」→「検証」→「実証」のプロセスを踏めたことが何より嬉しい1尾となりました。真夏の陸っぱりからカンパチをルアーで狙って釣ることができたというのは、実に大きな収穫でした。
ヒレナガカンパチ3.2kgをキャッチ(提供:WEBライター・たける)それと同時に固定観念というものが、いかにアングラーにとって不要なものであるか、身をもって知ることができました。「高水温時のカンパチはルアーに口を使わない」そう思い込んでいた自分が恥ずかしくもあり。本当にルアーを投げてみるまで分からない、自然という相手の奥深さを改めて教えてもらった気持ちです。
一方で反省点は、最初のアタリを確認した直後に主導権を握れなかったことでしょう。エソに慣れてしまっていた影響もありますが、カンパチだと認識するより早く反応できていれば、ショートポンピングなどで対応する手段はいくらでもあったハズなのですが……。
ロングリーダーが正解
ファーストランで走られて根ズレした結果、リーダーに激しいダメージを受けています。もし、リーダーを3ヒロ、6m程度しか巻いていなかったとしたら…?今回のカンパチは確実に取れなかった1尾となっていました。
ルアーから7mの位置で根ズレ跡が(提供:WEBライター・たける)もちろんロングリーダーには飛距離が落ちたり、ライントラブルの原因に結び付くデメリットも多数あります。今回は飛距離をあまり必要としない磯際のボトム勝負ということで、セッティングが上手く機能した好事例にすることができました。
今後の展望
神津島では夏から秋に向け水温も落ち着いてくると、ボトムで息を潜めていたカンパチの活性が上がってきます。同時に秋のヒラマサが回遊してくるシーズンにも入り、産まれたばかりのアオリイカは秋の爆乗りモードに突入。
それをベイトにするカツオ系も接岸してきます。GW時のようにホンメジ、キメジといったゲストの登場も増えており、ソルトアングラーにとって楽しみな時期になりますね。
<たける/TSURINEWS・WEBライター>
神津島
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