『ライフジャケット』のタイプと選び方 釣りには「桜マーク付きのタイプA」
2020年10月02日 17:00
抜粋
命を守るために釣りのジャンルに関わらず必携なのがライフジャケット、救命具だ。今回は釣りシーンに合わせた救命具の選び方を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)


救命具の必要性
今や、釣りを始めるためには、釣り具より先に揃えておきたいのがライフジャケット、つまり救命具です。救命具は通常は出番こそ少ない(出番がないのが一番良い!)ですが、万一のことを考えて、水辺では常に付けておきたいアイテムです。
船釣りや渡船などを利用する際には、船長から「ライフジャケットを着けてください」といったアナウンスをされることも多々あるため、比較的着用率は高いようですが、フリーで行ける波止などでは、アナウンスしてくれる人も少ないため、着用していない人をいまだに見かけるのが現状です。
自身の安全を守るためだけでなく、万一の際に周囲や身内を悲しませるなど、決して幸せな方向には向きません。どんな状況であれ、水辺に出る時は救命具着用を心がけてくださいね。
救命具のタイプ
救命具のタイプはシステムや形状など、さまざまなタイプが存在します。中でも2つの主流となるのが、ウレタンなどの浮力材をあらかじめウェアの中に挟み込んだ、「浮力材」使用タイプの救命具です。
もう一つは空気を圧縮したボンベが仕込まれていて、浮き輪のような浮力体に空気を送り込んで膨らませる、「膨張式」と呼ばれるタイプです。また、膨張式は首に掛けるタイプと腰に巻くタイプ、それぞれには水に浸かると勝手にボンベから空気が浮力体に入る「自動膨張式」、または自分でヒモを引っ張ることで空気が入る「手動式」などがあります。
圧縮した空気が入っているボンベ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)桜マークとは
現在では、どのような救命具でも着けていればOKというものではありません。その釣りシーンに応じたタイプを使用するのはもちろんですが、使用できる型式があります。
2016年に全ての小型船舶を対象とした救命具の着用義務化が始まりました。この取り組みの中で、救命具には国土交通省が規定する安全基準に適合したものが必要であることが定められています。この安全基準を満たした救命具には「桜マーク」が付けられています。
救命具に印字された桜マーク(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)要するに、この桜マークが付いていない救命具を着用していたとしても、実際には着けていないのと同じ、違反とみなされるので注意が必要です。
桜マークは膨張式なら膨らむ浮き輪に印字されていたりと、救命具のどこかにきっちりと明記されています。もし、釣り具ショップで救命具を購入する際には「桜マーク付きの救命具ですか」とスタッフに必ず聞いてみてください。
使用できるタイプ
桜マーク以外に、用途に応じて使用できる救命具のタイプも決められています。それが桜マークとともに表記されている「TYPE」で、「A」「D」「F」「G」と分かれます。実はこのアルファベットは救命具のグレードを示す物で、「A」がもっとも高グレード、そこからD→F→Gとグレードが下がります。
万能なのはAタイプ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)詳細は省きますが、「G」グレードだと、ほぼ通常の釣りには使えません。釣りに使用する場合はもっとも高グレードの「TYPE・A」を用意しておけば、問題ありません。
ここからは前述したタイプ別にどのようなシーンでよく使われるのかを紹介していきましょう。自分がどの釣り用に揃えるのかを明確にしておくことで、いざ現地で「こんなハズではなかったのに…」という事態を防ぎましょう。
浮力材使用タイプ
古くはほとんどの救命具がこのタイプで、波止や磯釣りなどで親しまれたタイプです。ベストのような形状で中には浮力体が仕込まれているため、通常の使用時でも厚さがあるためややかさばります。また、夏場にはちょっと暑いのが難点ですね。
磯釣りでは定番の浮力材タイプ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)この救命具の最大の特長は、浮き輪に空気を送り込むタイプではないので、浮き輪に穴が開いたり、割けたりして空気が抜けるような仕組みではない点です。実は磯釣りなどで多用される理由がここにあります。
磯などで転落をすると、当然、はい上がろうとしても、波にもまれても岩に身体が当たる事態が増加します。その際に、膨張式だと浮き輪部分が岩に擦れて穴が開き、空気が漏れてしまうと救命具の意味をなしません。なので、最初から浮力体が仕込まれたタイプを使用します。また、岩場などに身体が当たった際にも、クッションとしての役割も果たしてくれます。
膨張式
膨張式の救命具は大きく分けて首から掛けるタイプと腰巻き、いわゆるウエストポーチのようなタイプがあり、どちらも「桜マーク」「TYPE・A」がありますので、どちらを選ぶかは最終的にはお好みとなります。
仕組みとしては自動膨張式の場合、簡単に言うとボンベの入り口に、水に浸かると溶けてしまう栓がしてあり、落水などで水が浸透すると勝手にボンベから浮力体へ空気を送られて膨らむタイプです。
対して、手動式は手でヒモを引くことでボンベの栓が取れて同じように空気が浮力体へと入ります。落水時に落ち着いて、ヒモ引っ張ることはあまりできないと思いますので、筆者としては自動膨張がオススメです。
ウエストタイプの膨張式救命具(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)膨張式のデメリット
自動膨張式には欠点もあります。水に浸かると自動的に膨らむので、大雨の際や水しぶきが大量にかかった際など、陸上や船上であっても突然膨らむことがあります。また、夏場の直射日光などで高温にさらされた時にも膨張することも。
また、経年劣化によりボンベの空気がなくなってしまう場合もあるので、定期的な点検が必要です。と同時に、1回膨らむとボンベの空気が出てしまうので、再度使用する際には釣り具ショップに行って、ボンベを新しい物と取りかえてもらいます。
首掛けタイプ
首掛けタイプは肩掛けタイプとも呼ばれ、浮力体となる浮き輪部分を収納した部分をちょうど襟巻きのように装着します。この際、別に付いているベルトで背中に通して固定することで、落水時に身体がすっぽ抜けるのを防止します。
首掛けタイプの救命具(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)装着する面積が小さいので、固定式のベストに比べると軽量でかさばりにくく、非常に動きやすいのが特徴です。船釣りでの使用をメインに身近な波止釣り、筏・カセの釣りなどにも多用されています。
腰巻きタイプ
首掛けタイプと同様に、仕込んだボンベから浮力体へ空気を送ることで浮力体が膨らんで浮き輪となる救命具です。浮力体、ボンベともにウェストポーチのような小型軽量タイプのため、首掛けタイプよりもさらに快適に釣りができます。
腰巻きタイプの救命具(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)しかし、このタイプの救命具では海水浴などで使用する浮き輪と同じように、胴の回りを浮力体が囲むように膨らんで浮きます。気を付けたいのは膨らんだタイミングで頭が水中に、足が水面より上になる逆立ち状態になってしまった時です。落ち着いていれば、何とかできるかもしれませんが、落水時のパニック状態の中では逆に溺れてしまうという指摘もされています。
用途に合わせよう
ここまで、釣りに使用されている主流の救命具を紹介してきました。釣りをするうえで重要なアイテムである救命具はまず「桜マーク」付きであること、そしてできれば「TYPE・A」がオススメであること。その上で、用途に合わせた形状を選ぶことをオススメします。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>
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