Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目

2020年10月31日 11:30

[TSURINEWS]

抜粋

今日の問診票

秋も終わりに近づき、急に寒い日が増えてきました。そろそろ準備しておきたい「防寒対策(釣りウエアの選び方)」についてアドバイスをお願いします。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目

診断結果

自然の中で行う沖釣りは、その日、その時に適したウエアを身に付けて行えるかどうかで、楽しめたり、辛いものになったりします。正しい防寒の知識を持ち、それを実践することで、体の負担を減らし、釣りを安全に健康的に行えるだけでなく、良い釣果にも結びつきます。

処方箋

良好な保温、防湿、運動性を意図した防寒ウエアの「機能的レイヤリング(重ね着)」を心掛けましょう。

防寒ウエア選びの基本

防寒ウエアを考えるとき、一番外側に着るアウターの分厚さが注目されがちです。しかし、冬であっても人は常に身体から熱を発し、汗をかきます。一言で「冬」と言っても、場所やその日の天候、気圧配置によっては、暖かい日もあります。

「機能的レイヤリング」が重要

衣類を着込み過ぎると、動きにくく、視界が狭まり、頚や肩の血行も悪化、肩こりや頭痛、船酔の原因にもつながります。さらに体温が上がり、無駄に発汗量が増えて衣類が濡れます。その水分が蒸発する際、身体から熱を奪い、身体が冷え体力を消耗させます。

これらは釣りの集中力を失うだけでなく、風邪など体調を崩すきっかけにもなるのです。防寒対策は外側からの寒さ対策に加え、内側からの「発汗対策」も大切になり、賢い重ね着=「機能的レイヤリング」の知識、実践が重要になるのです。

各レイヤーの役割

しぶきや風雨、直射日光を遮る「アウター」、肌に直接触れる「アンダー」、両者の間に入る「ミドラー」の役割と意味を十分理解し、シューズやグローブを含め、最適なウエアの選択、コーディネートは、快適に集中力を保ち、良い釣りを行うために重要です。

さらには倦怠感や筋肉痛を翌日以降も残さず、手や指、脚を傷めることなく身体を健康に保つ上でも非常に重要になるはずです。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目冬場の沖釣り(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

アンダーの役割

アンダーの役割は「汗の吸収と拡散、筋肉や関節のサポート」です。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目アンダー(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

重要なのは「素材」。綿は肌触りが良く、適度な保温性があります。しかし、汗や水に濡れるとなかなか乾きません。発汗→蒸れによる不快感→気化熱が奪われ→急激な冷え・体温低下→体力消耗という悪循環に陥ります。

発汗する環境に優れる素材は軽くて吸湿性・速乾性に優れるポリエステルです。吸った汗を拡散し蒸れも防ぎ、直ぐ乾くため体を冷やしにくいのです。さらに肌から蒸発した水蒸気が水になるとき、水蒸気のエネルギーが熱になり身体を温めます。

ポリエステル素材のアンダーがぴったり肌に密着していればいるほど、発熱効果を実感しやすくなります。数年前は多少締め付けられるような加圧アンダーが各スポーツ界で流行しましたが、沖釣りは長時間にわたりますから、締め付けられるのが苦手な方は無理せず加圧力の弱いものや、ワンサイズ大きなものを着用すると良いでしょう。

ミドラーの役割

ミドラーはサーマルレイヤー(保温層)と呼ばれるように、体温やアンダーウエアーの吸湿発熱で得た暖かい空気をため込み、さらに冷たい外気を遮断する役目を担います。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目ミドラー(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

やはりポリエステルがベスト。極端なことを言えば、アウター、アンダーは年中同じでも、ミドラーの厚さ・枚数を季節・気候に応じ正しく選択すれば大丈夫なのです。

また、寒さや暑さの感じ方は、人によって違いがあり、俗にいう「暑がり」や「寒がり」が存在します。見分け方は「汗かき」か否か。運動や食事、精神的な動揺で、汗をかきやすい人は暑がりです。発汗しやすい暑がりの人ほど、正しいミドラーの選択が重要になります。

アウターの役割

アウターに要求されるのは、「確実な防風・撥水・防水・透湿機能」です。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目アウター(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

「防寒には分厚いアウターが不可欠!」と安易に考えがちですが、アウターに要求すべきは中綿入りで分厚いことよりも、確実な防風・撥水(水をはじく)・防水(水を通さない)機能、そして透湿機能(蒸れを外に逃がす)です。

風速が1m/s増すことで、体感温度は1℃下がると言われています。つまり気温が6℃でも、海上の風速が7m/sなら、-1℃の体感温度となります。これに加え、ウエアがしぶきで濡れ、ウエアに防水機能が備わっていなければその水分が、皮膚に直接触れ、これが蒸発する際に、大量の気化熱を身体から奪い、より体感温度は低下し、危険な状態になります。

ベテランや漁師さんが愛用するポリ塩化ビニル防水生地(PVC)素材の「カッパ」は撥水・防水は確実で海水や汚れが染み込まず、手入れが簡単です。価格も比較的手頃です。ただ素材が硬めでミドラーが多くなる寒期は大きさに余裕が無いと動きにくい難点があります。

そして透湿機能に劣り、発汗対策が出来ません。暑がり、汗かきの方には少し難点があります。その点、確実な防風・撥水・防水機能、そして透湿機能を兼ね備えた素材がゴアテックスです。

暑がりな私は寒期でも、動きやすさや発汗対策、見た目のスマートさを重視して中綿が厚いアウターではなく、オールシーズン用のゴアテックス・アウターを着用し、ミドラーの厚さ・枚数で快適な環境を作り出しスタイリッシュな釣りを心がけてきました。

進化を続けるウエア

今年、「PVCであっても柔らかい素材で中綿も入り、動きやすいアウター」が発売されました。また防寒タイプの中綿入りゴアテックスアウターでも以前より中綿の素材が変化し、薄く軽く動きやすいものが発売されています。釣りウエアは年々進化しているのです。

アンダーで採用するブレスマジックは、吸水性の高い裏生地は汗を素早く吸収し、表生地へと拡散させ肌をドライに保ちます。だから汗で身体を冷やしません。それだけでなく吸湿発熱とヤシ殻の遠赤外線効果、さらに表生地と裏生地の間をボックス構造に保つことで、温まった空気をたっぷりキープ。汗をかく、アクティブなフィッシングスタイルにぴったりの防寒インナーです。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目ブレスマジック(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

アンダー、ミドラー、アウターの役割を知り、正しい重ね着を行うことで、寒い冬でも、健康で楽しく安全な沖釣りが出来ます。寒い冬でも頑張りましょう!

あると便利な小物

最後に、あると便利な小物ウエア類を紹介します。

ニットキャップ

血流量の多い耳をすっぽり覆うニット帽の保温効果は抜群。寒がりの方は是非!

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目ダイワDC-9620W(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

ネックウォーマー

血流の多い頸部を覆うと体温も上昇。口や鼻を覆えばマスクの替わりにも。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目ダイワDA-9920W(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

グローブ

立体成型オールラウンド防寒グローブ3本カット。保温性に優れるタイタニュームαを全面に使用。手の形に合わせた立体設計でフィット感抜群。指先まで防寒できる長めの設計。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目ダイワDG-7620W(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

ソックス

ブレスマジック 3DホールドソックスII(先丸・ショート丈)。吸汗速乾、消臭機能を備えた高機能ソックス。左右非対称の着圧設計や足裏のフィット感を高めるアーチサポート構造により足元をしっかりとサポート。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:防寒対策は「重ね方」に注目ダイワDS-3103R(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

<近藤惣一郎/TSURINEWS・WEBライター>

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