北陸の『寒ブリ』水揚げ予測が発表される 豊漁なのは石川か富山か?
2020年12月04日 11:00
抜粋
北陸の冬の幸として人気・知名度ともに高い「寒ブリ」。需要が高いため、毎年秋に漁獲量の予測が行われるのですが、今年は県により予測にばらつきがあるようです。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)


石川の寒ブリは不漁予測
その名が「脂」に由来するともいわれる高級魚・ブリ。なかでも真冬の寒い時期に水揚げされ、全身に脂がみっちりと乗った「寒ブリ」は、地域によっては年取り魚として扱われる大切な魚です。
寒ブリ丼(提供:PhotoAC)そのため水揚げされるいくつかの産地では、シーズン前になると寒ブリの水揚げ予測が行われます。そのうちのひとつ石川県は13日、今期の水揚げ量の予測を発表しました。
予測によると、今シーズンは昨年を少し上回るものの、過去10年平均は下回るとのことでした。予想水揚げ量は300tほどで、これは去年をわずかに上回るものの平年の数値からすると半分ほどしかないといいます。ここ数年は、平年を下回ることが多くなっているそうです。(『ブリ、平年の半分か 県水産センター水揚げ量予想』北國新聞 2020.11.14)
富山は豊漁予測
その一方で、「氷見ぶり」などのブランド寒ブリが水揚げされる、隣の県富山県の水揚げ予測はややポジティブなものになっています。
県の水産研究所は「大型が目立つ」とする今シーズンのブリの漁獲量の予想を発表。7kg以上(3歳以上)の個体の水揚げは平年並みの140t、やや小さい4kg前後(2歳相当)の個体の水揚げは平年を下回る26tと予想しています。
富山湾と能登半島(提供:PhotoAC)個体数としては平年並みに獲れると予想されていますが、上記の数値の通り、最近は大型個体の水揚げが多いのだそうです。結果として水揚げ高は多く、豊漁になるという予測になっています。(『県水産研究所ブリ予想「大型が目立つ」 寒ブリの豊漁に期待』富山テレビ放送 2020.11.16)
漁獲予測に差が出たワケ
石川県内の水揚げは、富山湾の水温が高く、さらに能登半島沖の水温が低いほど多くなる傾向があります。今年は能登半島沖の水温が低くないため、ブリの回遊ルートが平年からずれることが予想され、結果として過去10年の寒ブリ水揚げ量平均を下回るという予測になっているのです。
一方、富山湾では、今シーズンは平年並みの寒さが予想されています。寒くなり水温が低下するとブリが湾内に入り込むのですが、これが寒ブリの漁獲期である11月から1月頃にしっかり重なると予測されたのだそうです。
冬に獲れた寒ブリは絶品(提供:PhotoAC)このように、同じ魚でかつ隣り合った漁場であっても、ちょっとした環境の差異から豊漁になったり不漁になったりすることが回遊魚の場合起こりうることです。
予測は難しく大変だろうと思いますが、我々サカナ好きとしてはとても興味深いですね。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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