2daysフカセ釣行 「居着き」を狙って54.2cm年無しクロダイ【三重】
2020年02月13日 17:00
抜粋
1月14日と15日にクロダイのフカセ釣りで釣行した。14日は三重県の志摩半島へ向かい、車中泊を経て15日は尾鷲市周辺を探った。2日目に狙いの大型居着きを手中にすることが出来た。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・白村つとむ)
志摩半島でクロダイ狙いフカセ釣り
1月14日、三重県の志摩半島へクロダイのフカセ釣りで釣行した。
昨シーズン、今シーズンの太平洋側では、異常なほどの高水温が続いており、最低水温を記録する1月中旬のこの時期に18度から17度台に推移している。例年だと、この時期は大寒波によって16度台から12度台くらいになり、その水温低下を合図に乗っ込みのメスの群れが動きだすのだが、今年はそれがない。
これほどではないが、昨年も似たような感じで乗っ込みの群れを追いかけるのが難しかった。湾奥ゲームこそ成立したが、メスの通り道である湾口付近では、群れがばらけているのか絞り込めず苦戦した。
だが、この高水温も居着きのクロダイを狙うには好都合で、18度もあると普通に口を使う。それを狙っての釣行だった。
まずはヒラメ狙うも不発
深夜3時ごろに名古屋を出発、当日の作戦を大まかに練りながらの道中。見切り時や場所移動のタイミングを計算しているこの時間が、もっとも期待感があって好きだ。もちろん現実はそんなに甘くはないが・・。
午前6時に現地に到着、明るくなるのを待つ。6時40分、空が白み始めたので準備に取り掛かった。まずはワームを付けてワインドから。そう、ヒラメ狙いからだ。数投したが、根掛かりでルアーを2個ロストしただけ。アタリもなかった。
ここからまきエサを打っていく。この時期は回遊待ちとなることが多く、朝から量を打ち込んでも開始の一発はあまり期待できない。まきエサを切らさずに打ち続けることが重要だ。
午前中は反応なく場所移動
午前8時から開始し、第1見切りの2時間、10時までクロダイからの反応はない。フグが多く、クロダイが寄っている気配も感じられない。
このあたりから当日の方針が決まってくる。早めに移動して午後からの時合いに備え他の場所でまきエサを打つか、それともここで昼からの展開を期待して粘るか。
しばらく考え、正午まで様子を見てダメなら比較的反応の早い渚に転戦することにし、もう少し様子を見てみた。さらに2時間、正午まで頑張ったが状況は好転せず。場所移動を決意した。
渚釣りでクロダイ狙い
30分ほど走り、御座の渚に到着。幸い予想の北西風は弱く、アゲンスト(向かい風)だが何とか釣りはやれそうだ。
この日は渚の予定はしていなかったので、渚仕様のまきエサではなかった。現地で調整したものの粘りがなく遠投に苦戦した。極端に遠浅のこの場所では、若干のアゲンストでも距離が稼げない。しっかり練り込んでなんとか対処していった。
なかなかクロダイからの反応がなく、しばらくしてフグが口を使いだした。ハリがどんどんなくなるが、リズムを変えることなく打ち返した。
午後2時すぎ、どことなくラインに違和感を覚えてアワせてみると、フグとは違う重量感。しかし、これは25cmほどのチンタだった。連発はなく、時間が過ぎる。状況は渋いようだ。
40cm級クロダイ2尾を手中!
次に反応があったのは午後3時。これもラインに少しだけ違和感があったので聞きアワセを入れるとヒット。41cmの本命だった。しかし続かず、4時15分にようやく手応えがあり、39cmをゲットして終了とした。
走るアタリがないのは、群れが小さいか単独なのだろう。状況は厳しかったが、釣りはこんな日の方が多いものだ。それでもクロダイの顔を見ることができたのは渚の底力だろう。これから最も熱い時期に突入する三重県のクロダイフカセ釣り。足を運んでみてはいかがだろう。
御座
車中泊で作戦を練る
15日は三重県尾鷲市周辺へ釣行した。
前日の志摩半島での釣りを終えて一気に南下し、紀伊長島の道の駅で車中泊。スーパードライを飲みながら明日の作戦を模索する。この作戦を練りながら夜が更けていく時間がたまらない。まずは偵察に3カ所ほど回って風向きを計算し、それに合った場所の中から良さそうなポイントで釣りを開始しようと考えていると、いつのまにやら眠りに落ちていた。
居着き求めてポイント検討
午前5時半に目が覚め、支度をして出発。途中、食料とコーヒーを買い、現地付近には7時前に到着した。
グーグルアースで目星をつけた場所へ向かい、現地を偵察する。これも実際に行ってみないと分からないが、私有地で立ち入り禁止だったり、駐車スペースが近くになかったりと、どこでも釣りができるわけではない。
また、この時期は居着き中心に考える必要がある。クロダイが居着いていそうな浅場などが付近にあることも場所選びの重要なポイントとなる。
そんななか、友人からの情報もあった場所へ行ってみると、風裏となってやりやすそうだ。取りあえず様子を見て考えることにして道具を運ぶ。海を見るとスケスケ。海底もしっかり見えており、何もいないのが分かる。水深は2mほどで、遠投で釣っていくことにした。
50cm年無しクロダイ登場
しばらく何もなかったが、1時間くらいでヘダイが釣れた。それを合図にヘダイ祭りとなる。ベタ底にハワせてもヘダイがひたくっていく。
若干持ちがいい練りエサを中心に組み立てていくと、午前11時にようやくウキの沈みからラインが勢いよく走った。アワせると、結構な重量感が伝わる。1匹目なので慎重に寄せてきたのはジャスト50cmの本命だった。
これは居着き狙いの特徴だが、居着いている場所、養殖小割りなどをダイレクトに狙うとき以外は単発になることが多い。一日釣っていくなかでポツポツとアタリを拾っていく展開になることが多い。逆に言うと、一日緊張感を保てるので私は好きだ。
良型相次ぎゲット
練りエサで粘っていたがアタリが遠いのでボイルに変えてみた。すると、着底と同時くらいにウキが消えていく。アワせると、これも良い重量感。49cmだった。
その後、またアタリが遠のく。突風が吹き荒れだしたので、弁当を食べて休憩をとった。再開後、午後1時半ごろに45cmが練りエサでヒット。
54.2cm大型浮上
少し間が空き、練りエサが着底と同時にウキが消えた。そのまま待っているとラインが加速、ゆっくりと大きくアワせると、今日一番の重量感が伝わってきた。
慎重にやり取りすると、沖の方でガバっと真っ黒い魚体が浮かび上がった。あまり水面を引いてくるとハリ外れが怖い。重量のある大型ほど唇などに掛かっていると口切れしやすいので、あまり無理に引っ張らないように注意したい。
無事にタモに収まり、「デンっ!」とゴツイ居着きの魚体が横たわった。54.2cm。狙いの55cm超えではないが、まあまあの大型だ。
当日の釣果
その後は45cmが2匹釣れ、午後4時にチンタが釣れたのを合図に終了した。結果、チンタは別にして45~54.2cm6匹。魚も狙いの居着きであり、この日の釣りは読み通りで成功と言えるだろう。
今後は南風とともに乗っ込みが始まる。居着きの大型も産卵を控え活性は上がってくる。3月いっぱいは大型が狙えるが、55cmを超える超大型の群れは動くのも早い。そうそう当たるものではないが、時期だけは乗り遅れないために今後も三重県通いが続くだろう。
<週刊つりニュース中部版 APC・白村つとむ/TSURINEWS編>
尾鷲市