『アジング』ステップアップ解説:フリーフォール中のアタリの取り方
2021年02月25日 17:00
抜粋
アジはただでさえアタリが小さい魚だが、さらに難しいいくつかのアタリがある。抜けアタリ、居食い、フリーフォール中のアタリ。そのようなアタリをとるためのコツを紹介。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
抜けアタリ&居食いとは
まず、アジの「抜けアタリ」「居食い」について解説しよう。
抜けアタリ
抜けアタリとは、軽量リグを中層くらいで定位させているときに、アジがそのリグを微妙に食い上げてきたときのアタリである。アタリとも言えない、「あれっ?」と思うようなスカンとした感じが一瞬ある。ラインテンションが抜けるアタリだ。
食い上げてどこかに泳いでいけば、そのままハリ先とラインテンションでオートマチックなアワセが効く。しかし、アジが食い上げた後、そこで動かずじっとしていると、吐き出されるか破れやすいアジの口の横にハリが掛かって、乗せきれないことがある。抜けアタリがきたら、テンションを張って軽いフッキングが必要である。
居食い
居食いとは、レンジを問わず、リグがアジの鼻先にいって、それをパクッと食われることである。特にボトム付近で居食いをされたときに、それまで感じていた水の抵抗が消えることで、これまた「あれっ?」と違和感がある。抜けアタリにも似ているが、水平方向の食って止まるアタリで、モゾッとした感覚となる。
居食いは比較的バイトが深いことが多いので、そのまま巻きアワセで釣ればいいが、ジグヘッドを呑まれると外すのが難しい。連発するようなら、少しレンジを上げるか下げるか調整をして、アジのバイトに角度を付けさせた方がいい。
フリーフォール中のアタリ
アジングではキャストして、ラインスラックを回収し、そのあとベールを再び返してリグを任意のレンジを送り込んでいく。その途中でバイトが出ることがある。これはサミングしていれば分かるし、そうでなくてもリールのスプールに直に微妙な感触、またはサオ先に多少の感覚がくる。「噛んだな」というアタリだ。
これにアワせるには即ベールを返して巻き出すことだが、何よりもラインを送り込んでいくときにも多少のラインテンションを張り続けることが重要だ。そうしていると、自動的にフリーフォール中のアタリもハリ掛かりする。あとは巻きアワセでOKだ。
違和感=軽いアワセ
アジはその他にも理屈のわからない「違和感」に近いアタリが多い。沖で良型を掛けるときのアタリは相対的に小さく感じられる。いつでも手前で簡単なアタリが取れるとは限らない。
アジングをしていて違和感を感じた場合、軽いアワセを入れて様子をみよう。アジングでは基本的にレンジキープの釣りが主体になるので、大アワセではせっかくの的を射たレンジを抜けてしまうし、周囲のアジにプレッシャーを与える意味でも良くない。
また、筆者の感覚では、アジングにおいて脊髄反射的な即アワセは推奨できない。即アワセとは言うが、光だってある程度遅れるのだから、音速に近いかそれ以下のアタリは必ず遅れて伝わるため、その「即」のときにはアジは動いているのだ。ラインテンションを張っていれば、アジングでアワセは基本的に不要。ジグヘッドのハリ先が勝手に仕事をしてくれる。
アジを大型魚が食うことも
即アワセは不要だが、上述のような微妙な難しいアタリは、なるべく早く察知して回収したい。呑まれると厄介だし、食われたままちょっと泳がれたり、ジタバタされると怖いことがある。それは大型魚の襲来だ。
アジは釣られてくるときに、魚にだけ聞こえる微妙な周波数の音波を出すらしく、それが大型魚を引き寄せることがある。シーバスやチヌなら良いが、エイやボラなどを引き寄せる場合も。
アジングでは単純に「コン」と出るアタリばかりではないと覚えておこう。難しいアタリを掛けて的確に回収し、次にちゃんと「コン」とくるアタリに変えられるようにレンジ調整してこそ、一人前のアジンガーである。
<井上海生/TSURINEWS・WEBライター>
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