遠征釣行の基礎知識:釣り竿の飛行機内預け入れが出来ない時の対処法
2021年02月26日 17:00
抜粋
釣り竿や釣り道具を飛行機に持ち込む際の注意点をご案内します。今回は、空港で釣り竿の機内預け入れが出来なかった時の対処法を紹介。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター 宮崎ゆきお)
本当にあった?怖い話
航空会社大手2社 (JAL・ANA)のホームページには釣り竿などの「大きな荷物」は「目安の長さ以内であっても搭載の確約はできません」と表記されていますが、実際に空港で釣り竿の預け入れを断られるなんて非道なことがありうるのでしょうか?
いつも遠征先でお世話になっている船長の話によると「めったにない。でも、1年に1回くらいはある」そうです。理由は詳しくは分かりませんでしたが、なんらかの事情で航空会社が釣り竿を運搬してくれないといことが本当にあるようです。怖いですね~。
預け入れを断られないために
まずは、預け入れを断られないためにできることを考えてみましょう。
規定の長さをきっちり守る
これはあくまでも筆者の想像にすぎませんが、もし機体の荷物の搭載状況が満タンに近い状態になり航空会社スタッフが誰かの荷物を断らなければならないとしたら、基準を逸脱している人からになるのではないでしょうか。なので少なくとも自分には非がないようにしておきたいです。
観光客が多そうな日程をなるべく避ける
もし、日程の融通が利くのであれば、飛行機が混雑しそうな日程をなるべく避けて、乗客が少なそうなタイミングで飛行機に搭乗すれば、機体に積む荷物の総量がそれほど多くなさそうなので、釣り竿の預け入れを断られにくいのではないでしょうか。
預け入れを断られてしまったら
前述の通り、あくまでも超レアケースで、遠征先の遊漁船で1年に1回あるくらいの話ですが、いざというときにパニックにならないためにも一応参考まで書きます。
運悪く釣り竿の預け入れを断られてしまった場合、対処すべきことは大きく2つあります。ひとつは運搬してもらえない釣り竿をどうするかということで、もうひとつは遠征先で使用する釣り竿をどうやって調達するかです。
断られた釣り竿をどうするか
まず、優先すべきはこの問題です。搭乗時間に間に合うように飛行機に積み込めない釣り竿の始末をしなければなりません。愛着のある釣り竿ですから、遠征先に持っていけないとしても無事に自宅には持ち帰りたいものです。
航空会社のホームページでは、釣り竿に限らず「お預かりできない荷物はお客様ご自身で宅急便等を手配してください」となっています。ですが、普通の荷物ならともかく、釣り竿については空港から宅急便で発送することはなかなか難しいでしょう。
空港に窓口が多いヤマトの宅急便は最大サイズが3辺合計160cmだし、ゆうパックが利用できる場合でも3辺合計170cmです。「長さ」だけならまだしも「3辺合計」という条件が厳しいですね。
もし幸運にもこれらのサイズに適合しているようなら宅急便を利用して自宅宛てに送ってしまえば一件落着です。しかし多くの場合、釣り竿がサイズオーバーになり宅急便では扱ってもらえない可能性が高いです。
逆に扱ってもらえる程度のサイズの釣り竿ならば、機内預け入れを断られる可能性も低いはずで、預け入れを断られるような釣り竿は宅急便で扱ってもらえない可能性が高いと思われます。では、どうしたらよいでしょう?
まずは航空会社スタッフに預け入れできない理由を確認しましょう。その内容をもとに交渉しましょう。
全部アウトか一部アウトか
ロッドケースだけがサイズオーバーの場合、中に収納されている釣り竿だけを航空会社の専用ケースに移し替えて運搬してもらえるようなら、そうしてもらったらよいと思います。
あとは残ったケースをどう処置するかを考えます。サイズダウンできるケースなら小さくすれば単なる荷物として積み込めるかもしれませんし、宅急便サイズにして自宅に送付できるかもしれません。簡易的な梱包であれば捨ててしまうという選択肢もあるかもしれません。
また釣竿を1本だけではなく複数持参している場合、全部ではなくても何本かだけでも航空会社の専用ロッドケース等に移し替えて運搬してもらえないか交渉してみましょう。何本かだけでも運搬してもらえるならそのようにしたらよいと思います。
航空会社で預かってくれることも
それでも預け入れできなかった釣り竿やロッドケースは、出発空港 (もしくは乗り継ぎの空港)内の荷物一時預かり所か長物対応サイズのコインロッカーを探して数日間預けておいて遠征から帰って来たときに引き取ってはいかがでしょうか。多少費用はかかりますがやむをえません。
もし、地方の小さな空港などで一時預かり所もコインロッカーもないような場合は、復路の便で戻るまで数日間預かってもらえないか航空会社スタッフにダメもとで頼み込んでみるのも手です。実際に、釣り竿ではなく電動リール用のバッテリーの例になりますが、筆者の仲間は羽田空港で出発時に搭載してもらえなかったバッテリーを航空会社の厚意により数日後遠征釣行から戻るまで預かってもらった経験があります。
また、もし少し冷静になってみて、あなたや仲間の車が近くに駐車してあるようなら遠征から帰ってくるまで車に保管しておいてもいいでしょう。
遠征先で使用する釣り竿の調達はどうする?
自前の釣り竿を機内持ち込みできずに、遠征先で釣り竿を調達しなければならないとき選択肢はそんなに多くはないです。以下の3択くらいではないでしょうか?
レンタルタックル
遊漁船や船宿を利用する予定ならば、レンタルタックルを用意している場合が多いので相談してみましょう。
仲間のサブタックルを借りる
同行者がいる場合は貸してもらえるタックルがないか相談してみましょう。
現地で購入する
現地で釣具店に立ち寄れるようならそこで釣り竿を購入することも視野に入れましょう。
「究極の二択」を迫られたら
筆者が出発空港で毎回のように航空会社の地上スタッフに言われる究極の二択があります。それは出発地から遠征地までに飛行機の乗り継ぎを予定している場合に、「こちら (出発地)ではお荷物 (釣竿)をお預かりいたしますが、乗継先の便では積み荷の状況によってお預かりできない場合がございますが、よろしいでしょうか?」というものです。初めて言われたら絶望しそうな台詞です。
だが、こちらももう慣れっ子です。即座に「かまいませんよ」と回答します。これまでに釣り竿が乗り継ぎ便に乗せてもらえなかったことは一度もないからです。当方は乗継後の「長さの目安」の条件も満たしてパッキングしています。
これも筆者の想像上の話になるが、預かった釣り竿を引き渡す側の航空会社も引き渡される側の航空会社も乗客との無用なトラブルは極力避けたいはず。だから、よほどのことがない限りは一度預かった荷物を最終目的地まで運搬できるよう頑張ってくれるはずです。筆者はそう信じてます。
いずれにしろ、究極の二択を迫られたとき、遠征釣行が目的である以上「じゃあ、釣り竿預けるのやめます」という選択はありえないでしょう。万が一の場合は前述の方法でトラブルに対処するほかありません。
航空関係者のみなさまアングラーに愛をくださいませ。
<宮崎ゆきお/TSURINEWS・WEBライター>
The post 遠征釣行の基礎知識:釣り竿の飛行機内預け入れが出来ない時の対処法 first appeared on TSURINEWS.