【2021】常磐『小突きカレイ釣り』徹底解説 種類多彩に数釣りも狙える
2021年04月14日 11:30
抜粋
常磐地方のカレイ釣りは、専門の道具や特殊な釣り方にハードルの高さを感じてしまう人も多いですが、実は初心者にもオススメ!今回は道具の準備や釣り方等を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)
常磐エリアの船カレイ釣り
東京湾のカレイ釣りでは複数本の竿を準備し、置き竿にて釣りをするので「陸っぱり」の延長のような釣りになります。そんなのんびりモードの東京湾カレイ釣りに対して常磐地方のカレイ釣りは、1本の竿を終始持ち竿にて底を「小突き」ながら誘う攻めの釣り。
この「小突き」というテクニック次第で釣果は大きく変わることから、近年は常磐カレイ専用の竿も見られるようになりました。「ゲーム性が高い釣り」と言うとしっくりくるかもしれません。
ターゲット
東京湾で狙うカレイが比較的高水温に適応しているマコガレイ一択なのに対し、親潮の影響で比較的水温が低い常磐地方の海域では、釣れるカレイの種類は豊富。私自身、マコガレイを筆頭にムシガレイ、イシガレイ、ヌマガレイ、ナメタガレイの5種を釣った経験がある他、ごく稀ではありますが幻レベルのマツカワガレイやホシガレイが各船宿の釣果情報等で報告されることもしばしば。
また、カレイ以外にもアイナメ、ホウボウ、ショウサイフグ、ハナダイ、マダコ等の多彩なゲストが釣れるのも、この海域の魅力でもあります。
近年ではマコガレイこそ少なくなってきたものの、かわりにムシガレイの魚影が非常に濃くなってきており、トップ30をこえる日もざら。ムシガレイも引きは良く、型が良ければ肉厚もあって美味しい魚なので、初心者にこの釣りをオススメする理由は実はこんな所にもあります。
ムシガレイ
イシガレイ
ナメタガレイ
ヌマガレイ
マダコ
マダコも船中高確率で掛かるので、ネットは必ず持参するようにしましょう。
常磐カレイ釣りのタックル
基本的なタックルについて紹介しましょう。
竿
竿は160~180cmの、オモリ負荷30~40号で8:2調子のもの。基本一日手持ちで誘うので、リール含めて軽いものが良いです。
各メーカーから専用の竿も出ていますが、代用できるものとしてはフグやカワハギ竿。経験上、オモリ負荷30号、7:3調子のLT竿まではギリギリ可能だと思います。もし不安なら船宿にレンタル竿があるので、不安なら借りてみると良いでしょう。
リール
リールは小型両軸リールにPEライン2~3号を100m程度巻いたもの。カレイのポイントには良型のマダコもいるので、あまり細いPEラインはお勧めできません。
仕掛け
仕掛けは吹き流しの2~3本針でハリス3~4号、針14~15号と東京湾仕様より大きめが基本。以前はイシガレイ狙いでは派手め、マコガレイ狙いではシンプルなものとされていましたが、近年は派手め一択。わからなければ船宿での購入が良いでしょう。
また、つり鐘オモリやスネーク天秤といった特殊な小道具を使用するのもこの釣りの面白い点。以前は地元の釣具店でしか手に入れることはできなかったのですが、最近では東京近辺の大型釣具店やネットで購入可能。
シロギス用等のシンプルなオモリや天秤でも構わないのですが、しっかり買いそろえて釣りに臨めば、楽しみも倍増だと思います。
エサ
エサは船にてイソメが準備され、これを5~6cmにカットし2~3本をチョンがけにするのが基本。エサはこれで十分なのですが、濁り等で喰い渋ることが予想される時は匂いの強い岩イソメやオレンジ色(膨張色)のアオヤギを持ち込むのも手です。
針外し
その他、確実に準備したいものが針外し。
大きい針を使っても飲み込まれる確率が非常に高いカレイ、マストのアイテムです。自作した割箸の針外しを、ハリスを張って針に引っ掛かるまで入れ、くるくる回すだけで簡単に針が外れます
常磐カレイの釣り方
ポイントは港を出てすぐの水深20~30mの砂地。港を出てすぐにスローダウンし、仕掛け投入の合図が出ますが慌てずに。
投入は仕掛けが絡まないよう、丁寧に投入するようにしましょう。仕掛けが天秤やPEラインに絡んでしまってはどんなに上手く小突くことができてもカレイは釣れません。
着底後は糸ふけを取り、まずは波高を考慮し小突きやすい位置に竿先がくるように調整。準備が整ったら小突きスタートです。
小突きは15~20回、つり鐘オモリで砂を巻き上げるイメージにて。注意点としては仕掛けを底から離さないこと。カレイはその姿からわかる通り底にへばりついている魚なので、仕掛けが舞ってしまっては釣りになりません。
小突いている最中にビンビンとアタったり、モゾモゾと違和感があったら魚がエサをくわえている、もしくは興味を持っている証拠。少し糸を送って数秒待ち、仕掛けの長さ分聞きアワセ。因みに聞きアワセとは、す~っと竿先を上げ、魚がいるか確かめるアワセのこと。ここで重さを感じ、更にグイグイ引くようなら針掛かりしているので、一定の速度で巻き上げ。30cmを超えるようなら(特に貴重なマコガレイなら)タモアシストで確実に取り込みましょう。
小突きの最中、アタリがなくても魚が喰っているケースも多々あるので、糸送りや聞きアワセは繰り返しするようにします。
モゾモゾと微妙なアタリはマコガレイ、ビンビンと明確なアタリはムシガレイ。根掛かるはずのない砂地のポイントで根掛かったらマダコがついている可能性が高いので、緩急つけて丁寧に底から外してやります。
置き竿タイムも
また一日中小突くといってもそれはそれで疲れてしまうので、実際の時間の長さは人それぞれですが、皆さん置き竿タイムを作っています。私の友人は置き竿の確信犯で、7:3調子の竿をあえて使用し、半分以上置き竿タイム作っているほど。しかし、それで釣れないかといったらそうでもなく、小突きを入れるより確率は下がりますが、そこそこアタリは出しています。
しっかり小突くにしても置き竿にしても、一番のキモは「仕掛けを底にしっかり這わせること」です。
常磐カレイは初心者にオススメ
ムシガレイが少なかった数年前はアタリがわかりづらく、喰い込ませるのに駆け引きが必要なマコガレイが中心であったため、常磐カレイ釣りはベテランと初心者では釣果に極端な差が出てしまう釣りだったのですが、近年ムシガレイの魚影が濃くなったことでトップ20~40、スソ10~20といった釣果報告がシーズン中続くようになってきました。
近年の常磐カレイ釣りは初心者でもそこそこの釣果が出せる釣りへと変化。もちろん、大本命のマコガレイを釣ろうと思うとワンランクもツーランクも上の駆け引きが必要なのですが、マコガレイもムシガレイもカレイはカレイ。釣れれば楽しく、食べて美味しい魚には変わりはありません。「どうしてもマコガレイが釣りたい」というなら、それ相応の準備と研究をして挑めば良いだけの話です。
ちなみに、上の写真は潮が動かない谷間の日にあたってしまった20Lのクーラーボックス。船中10~20(マコガレイ0~2)で私はムシガレイのみの16匹だったのですが、10匹も釣れればお土産は十分。料理も色々と試すことができました。
オススメの料理を紹介
カレイの大きさ別にオススメの料理を紹介しましょう。
お刺身
新鮮なカレイはやはりお刺身で試してみたいものです。オススメは35cm以上のもの。わかりづらいですが、上の乳白色のものがマコガレイで、下のやや透明なものがムシガレイ。真ん中には混在してしまいましたが丁寧にとったエンガワとなっています。旨味という面ではやはりマコガレイが一枚上手ですが、ムシガレイも負けてはいません。
煮つけ
40cmに迫るマコガレイは「煮つけ」が定番。やはり良型カレイはこの料理が一番美味しく、そして無駄なく食べられると思います。
揚げみぞれ煮
30cm前後のものはちょっと手間がかかりますが「揚げみぞれ煮」がオススメ。理由はじっくり揚げることで頭と背骨以外、無駄なく食べることができるからです。油で揚げた分、たっぷりの大根おろしでさっぱり感もアップさせましょう。
から揚げ
20cmに満たないカレイはぶつ切りにして「から揚げ」にすると良いでしょう。写真は市販の中華丼の素をかけて「中華風カレイのから揚げ」にしたもの。これも低温でじっくり揚げれば美味しく、そして無駄なく食べられます。
<尾崎大祐/TSURINEWSライター>
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