ちょっとマニアックな『アジング』の話:「壁パターン」の根拠と攻略法
2021年04月17日 16:30
抜粋
ショアのアジングでは、堤防際、本当に「壁際」でアジが食うことがよくある。これは故なきことではない。「壁パターン」になる理由を知って、うまくキワのアジを釣ってやろう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
壁際にアジが溜まるパターン
堤防などの壁際では、どういう当たり方をするかはその場によるが、必ず潮や海流や波がクッションする。潮が流れていく先には、自ら動く力のないプランクトンが必然的に流れていく。それを追い詰めにアジが溜まる。また海流や波などのクッションによっても、それによりおそらくプランクトンが発生し、アジが溜まることはある。
遊泳力の低いベイトフィッシュも同様に潮や海流や波に流されて動くので、漂着した壁際でアジのベイトフィッシュパターンを形成することがある。
さらに風でもそうだ。表層のプランクトンは風でも動く。一見潮や海の動きが当たっていないところでも、気泡が溜まっているようなポイントは、風でプランクトンパターンになっていたりする。
ヒントは「気泡」
アジがもしかすると壁際にいるかもしれない、という分析は気泡で見る。気泡は、潮や風によって流された海のあぶくなのだ。
ならば、気泡と同様に(というのも気泡は非生物なのでヘンだが)、自ら動く力のないプランクトンも気泡と同じ辺りに流されて滞留していることが多い。
壁パターンの詳細分析
ほとんどの場合壁際はプランクトンパターンだろう。ショアのアジはわざわざ労力をかけて捕食しにくいベイトフィッシュを追いかけて食う体力の無駄はしないように思う。よって基本的に壁際は、ふわふわと軽量リグを漂わせてプランクトンをイミテートして釣る。
しかし場の条件にもよるが1.5g以上のいわゆる重めのリグ、あるいは2g以上の明確な重リグのファストフォールや巻きにアタる場合はベイトフィッシュパターンかもしれない。
「壁パターン」攻略法
壁パターンはなかなか攻略しにくい。そもそもアジングにおいて壁は大きな難所で、回収間際に壁際で暴れられてバラしてしまうことも多い。
その壁際を釣るのだから難しいのだ。工夫が必要となる。壁パターンでは、まず釣り人が立つ位置を変える。その壁際に対して投入点・ラインに角度をつけてやるのだ。簡単にいえばちょっと離れて向きを変えて釣ってやる。そうすることで壁際のアジを、釣り方においては前面のアジの釣りと同じにできる。
ただ、アジが非常にセレクティブな状況では、角度をつけた釣りには簡単に食ってこないことがある。ちゃんと捕食しやすい潮下や、壁際に流れていく方向にしかバイトしない。これはもうその壁際の足元でそーっと釣るしかない。
一点コツがある。壁際アジはリールのドラグで釣る。ドラグを緩めに入れるのだ。ドラグはラインの角度が手元で急になるほど効きにくい。つまりサオを出しているその足元が一番ドラグが効かないのだ。だから緩めに入れてやる。それで壁際アジは、通常の前面のアジに対してのドラグ設定と同じ感覚で釣れる。
ちなみに、「手前ほどドラグは緩く」は、ライトゲームで大型魚をかけてしまったときの鉄則でもある。チヌ、シーバス、このあたりは手前で浮かせたところが一番外れやすい。テンションがかかったまま水面で首を振られるとハリが外れる。
青物(アジの大型魚も含む)の取り込みに関してはそうともいえない部分があるのだが、青物はそもそもドラグを緩めていないとバイトの初速で切れてしまうので、やはり緩めが基本ではある。
アジは手前から釣ろう
まったく波っ気や風や気泡がない、壁パターンの気配がしなくても、実は壁前くらいにアジが群れることは多い。これはあらゆる魚の特徴で、アジも何も、壁のような、なんらかの変化のある場所を好むものなのだ。
アジングでは壁際、壁前は、どんな釣り場でもひとつのポイントになる。何も考えず遠投するとサーチ面でも効率が悪く、そうして探すうちに実は手前に入っている魚がキャスト音や人の気配に気付いてスレてしまうことがあるので、多投する前に、アジは手前から奥へ順番に釣っていこう。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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