沖波止エビまき釣りで37cmチヌ 「まきエ」ワークがキモ【神戸・6防】
2021年04月21日 06:00
抜粋
春先にチヌとハネの両方を狙うなら、釣り方はエビまきが正攻法。シーズンの開幕ダッシュを飾ろうと、神戸・第6防波堤に釣行した2日間の釣りをリポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)


3月6日は大サバ1匹の惨敗
3月6日に6防に釣行した時は、私の釣り座の周辺は20人余りの釣り人で賑わっていたが、中でもプライベート大会を楽しんでいた10人ぐらいの釣り人仲間達が、ほぼ全員安打の見事な釣果をあげていた。サオ頭はチヌ2匹にハネ3匹の釣果に、マスク越しでもえびす顔。
しかし私は取り残され、33cmのサバ1匹の惨敗に終わった。敗因はリサーチ不足。私の生半可なエビまき釣りとは異なり、釣果を上げていた釣り人たちは、「ここまでやる?」と思わせた創意工夫のまきエワークを駆使していた。この日はお勉強の場だと自分の心に言い聞かせ、名手たちのノウハウのを学びつつ、リベンジを誓った。
3月6日はサバ1匹の惨敗(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)松村渡船で6防へ
2週間後の3月20日、再度6防に釣行した。松村渡船の乗船場に到着したのは朝4時。この時期の出船ダイヤはゆったりしたもの。二人の船長が手際よく駐車場誘導をこなししつつ、釣り人からの質問には快く応えてくれる。私もいい情報を得ようとエビまき釣りの近況を聞いたが、返ってきたのは「悪いですね、最近、よくないですね」と、無情のお言葉。期待感が一気にしぼんでしまった。「エサ釣りの人はアジ釣りにシフトしつつありますよ」とのことだったが、今さらターゲット変更はできないと、乗船名簿には初志貫徹で「6防くの字」に印を付けて、出船を待った。
当初は小型船を用意していたが、次々と釣り人が集まってきたのを見て、船長は急遽大型船への切りかえを決断。時節柄、運航だけでなく運営面でも安全を最優先に考える船長の心意気の表れと見た。最終的には30人余りの釣り人を乗せ、始発便は5時に出船した。乗船はスムーズに行われたが、1人だけマスク無し・救命胴衣無しの、お気楽気分の人がいたのが残念な限りだった。コロナ収束はまだまだ先の事だと心得て、渡船利用という共同作業に臨みたい。
利用した松村渡船(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)6防「くの字」で挑戦
神戸第6防波堤は、ポートアイランド第1期区域の護岸の名残りとして残る東西1050mほどの防波堤で、途中北向きに折れ曲がって伸びる175mの支線のケーソンが、通称「くの字」と呼ばれる好ポイントだ。
土台が円柱ケーソンでできているオーバーハング状の波止で、円柱と円柱の間を東西に潮が通る。このため、チヌやシーバスの格好の居着き場所となっており、特に春先の足元狙いのエビまき釣りには定評がある。魚は西向きの潮の緩いエリアに居着き、波止際をゆるりと回遊しているようだ。
なお、6防の全体像については、以前の投稿「大阪湾の沖堤防を徹底解剖:神戸第6防波堤 落とし込み釣行も紹介」をご覧いただきたい。
第6防波堤周辺図(作図:TSURINEWSライター伴野慶幸)タックルと仕掛け
当日のタックルは、磯ザオ3号5.4m、ミチイト3号にハリス1.7号、チヌバリ3号の2本バリ仕掛け。自立ウキをセットして、ウキ下は3ヒロ(5~6m)のタナに設定した。常連は細身で長い繊細なウキを使っていたが、冬場と違って春はアタリがはっきり出るので、大衆品のウキでも十分だ。
アタリははっきり出るので繊細なウキは不要(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)シラサエビの巻き方
くの字の円柱ケーソンの攻略法は、仕掛けの流し方とまきエワークにある。この釣り場では、魚は沖ではなく、足元に居着いている。水深は7m余りだが、足元を狙うあまり仕掛けを波止際に寄せすぎると、海底の基礎ブロックで根ずれ、根掛かりしてしまうので、波止際から50cm~1mあたりに仕掛けを入れて、その付近にシラサエビをまいて魚を誘き出し、足止めする釣りになる。
足元の様子(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)仕掛け付近にまきエサをすると言うと、エビまき用の柄杓でシャカシャカ……と、上まきのイメージを一般的には抱くかもしれないが、このポイントでは、エサまきボールなどの名前でも知られる底まき器が必須アイテムだ。といって、単純に海底に底まき器を沈めても、魚を散らしてしまうだけ。さらに面倒なことにこのポイントは、まきエサの効きがなぜか遅い。朝6時からまきエサを始めて、8時ごろからボチボチ魚の活性が上がり始め、9時ごろに釣り本番という何ともじれったいサイクルになっているようだ。
シラサエビと底まき器(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)熟練者の「まきエ」ワーク
こうした難題に挑む常連達のまきエワークは2段階。第1段階は釣り始め。底まき器に少量のシラサエビを入れて、ポツリ、ポツリと、間隔を空けて、海底から2mあたりのタナにまく。そしてまきエサが効き始める8時ごろからは第2段階。ウキの近くに底まき器をそっと入れて、海底から3~4mあたりの中層にまいて、結果的に底から1mあたりに位置するさしエサとの同調をはかる、言わばまきエサの同調だ。同調を行うためには、サオは釣り用とまきエサ用の2本を用意する必要がある。
底まき用のサオ(上)と当日のタックル(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)常連の中には同調まきエサのタナを正確にとろうと、発泡ウキを付けてまきエサをする人も見かけた。「ここまでやる?」と思わせる、何とも面倒で忙しいまきエワークだが、実際に釣果をあげてみて、このポイントでは理にかなった策だと実感できた。
大型ハネ登場
朝6時ごろから釣り始め、まきエサをポツリ、ポツリと入れるが、ハネもチヌも姿を見せない。波止には20人弱の釣り人がいたが、誰も釣れていない。たまにサオを曲げる人はいても、釣れるのは中サバ。私も3回ほどサバに遊ばれた。まきエサが効き出すのは8時ごろからと頭では分かっていたが、不安が募る。
そんな暗いムードを打ち破ったのは隣の若い釣り人だった。「よしっ!」と声を上げた途端、サオが折れんばかりの孤を描いた。リールが思うように巻き上げられないほどの魚のパワーに翻弄される釣り人に、仲間からの激が飛ぶ。私も周りも手を止めて様子をうかがっていると、海面に丸々と太った魚が姿を見せた。
仲間のアシストを受けてタモに収まったのは見事な魚体。スズキだと思いきや、検寸すると65cm。理屈の上ではサイズはハネだが、「これはスズキと一緒やで。こんな太いのそうそうないで」と仲間からの称賛の言葉に釣った本人も眼尻が下がりっぱなし。この様子を見て、いよいよ戦闘開始と私も気合いが入れた。
釣り場全景(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)1匹目は痛恨のバラシ
まきエワークを同調まきエサに切りかえて、ウキの近くに底まき器を差し入れる。しかし反応がない時間が過ぎていく。2週間前と違って魚の活性が低いようだ。今日はダメな日なのかと気持ちは沈みがち。
ところが10時前、先ほどはアシストに回った近くの釣り人の猛ファイトが始まった。サオのしなりが凄い。サオで溜めて、サオの力を使って魚を浮かせにかかるが、魚の抵抗は強い。しばらくして海面近くまで魚を誘導すると、見えた魚影は年無し級とおぼしき超大型。ところが次の瞬間「あああっ……」とうめき声。痛恨のバラシとなってしまった。
落ち込む釣り人に同情を寄せつつも、今がチャンスと私はまきエサの同調に精を出す。そしてほどなくして、私のウキがツツッ、スッと沈んだ。大きくアワせるとグンと乗った。サオは大きくしなり、魚の強い引きに翻弄される。この引きは間違いなくハネかチヌだ。ここからいかにして浮かせるかとドラグを緩めようと手を掛けた瞬間、一気にサオ先が引きずりこまれ、のされてジ・エンド。根ズレのラインブレイクで、私も痛恨のバラシの憂き目を見てしまった。
37cmチヌお目見え
気持ちを切りかえて釣りを続行。先ほどバラした場所は魚が散ってしまっただろうと、仕掛けを入れる場所を少しずらせて、わずかな可能性に賭ける。すると朝にハネを仕留めた隣の人がサオを曲げ、2匹目を仕留めた。私にもチャンスは残されていると、まきエサの同調ために底まき器を手に取った時、一旦置きザオにしていたサオがガクガクっと引きずり込まれそうになった。
慌ててサオを手に取ると強い引き、魚が掛かっている。今度こそとドラグを調整し、サオを立て、やり取りの主導権を握る体制を整えた。魚の抵抗は続くが、慎重に浮かせると、海面にチヌが姿を現した。空気を吸わせて動きを止めてタモ入れに成功。37cmのチヌを捕獲したのは11時過ぎだった。
二度目のチャンスものにし37cmチヌ(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)最終的に釣果はこの1匹だけだったが、手間暇かけたまきエワークが実を結び、手にした獲物の喜びは数では測れない。大満足で12時の迎えの便で波止を後にした。
乗船場に戻り船長に釣れたと報告すると、よかったですねと労いの言葉を貰った。自宅に戻り、釣果のチヌは煮つけと塩焼きで賞味した。
煮付け、塩焼きで賞味(提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)今後の展望
船内で同船した常連の話によると、春先のハネ・チヌは居着きの魚が一旦下火になるが、4月から5月にかけて外海から魚が入ってくるので、再度チャンスはあるとのことだった。また船長からは、アジのほか、ヘチ釣り・落とし込み釣りでチヌも狙えるだろうと、期待の持てる話が聞けた。
神戸港東エリアの沖波止はルアーフィッシングのイメージが強いが、エサ釣りでもGW過ぎまで十分楽しめそうだ。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>
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