意外と知らない『消波ブロック』のお話 気になるお値段は?

2021年04月24日 17:00

[TSURINEWS]

抜粋

釣り人が何の気なしに足場にしている消波ブロックの意外な能力や値段について調べてみました。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

消波ブロックの役割

波が押し寄せる海辺に並んだ、いびつな形のコンクリートはほとんどの人が見たことあるものだと思います。

一般には『消波ブロック』と呼ばれ、打ち寄せる波のエネルギーを消すことを主な目的とし護岸のために配置されています。

海や川では日々波が押し寄せ、陸地を削っています。

近年は河川の過剰な護岸工事により、河川の砂泥が海に供給されないため、陸地は削れるばかりです。だから消波ブロックを置いて、陸地の侵食を防いでいるのです。

山崩れ防止にも?

配置されるほとんどの理由が護岸ですが、その他にもいくつか設置されていいる理由があります。

例えば、海岸からの波が道路にかぶらないようにする為であったり、砂浜が波に取られて減っていかないようにするために、少し沖に設置されていたりもします。

また、消波ブロックと同じように製造されて、山岳の護岸に用いられる場合もあります。この場合は、少し形は異なりますが、山崩れを防止に用いられています。

テトラポッドとの違い

この消波ブロックですが、広く知られている名前としては「テトラポッド」でしょう。釣り人からするとテトラポッド、テトラの方がなじみ深い名前ではないでしょうか。

遠く海外でもこのテトラポッドは通じますが、実は日本ではお役所やメディアなどでは公式に利用がしづらい名称です。

というのもこの「テトラポッド」は、株式会社不動テトラの登録商標なのです。

ですので、本来は「消波ブロックの一つであるテトラポッド」であるはずなのですが、テトラポッドのほうが広く知られてしまい、テトラポッドが一つのジャンルになってしまっているのです。

テトラポッドの形(出典:PhotoAC)

発祥はフランス

このような波を打ちとめる物が最初に使われたのは、日本ではなく、第二次大戦の直後の1949年のフランスと言われています。

海辺に新しく火力発電所を建設する時、護岸工事で消波ブロックが採用されたのが、世界で最初の施工事例だと考えられています。

その後、1961年にフランスの企業から製造特許を獲得したのが、日本テトラポッドという会社で、今の不動テトラが初めて日本で消波ブロックを設置されました。

コンクリート製のものが多い

基本的に消波ブロックの素材には、コンクリートが使われています。

コンクリートの耐久性は良く知られる通りとても高く、寿命はおおむね50年とされていますが、近年はコンクリートの強度も高まっていることもあり、構造物としては数百、数千年経過しても海辺に在り続けると考えられています。

コンクリート製のものの他にも、鋼鉄製のものが使われることも多いようです。

長く海水に浸っていても耐久性が高く維持される一方で、海水で腐食し茶色くなってしまうため一長一短と言ったところでしょう。

変わった形のものも(出典:PhotoAC)

消波ブロックの作り方

おそらく皆さんが気になるのはこの消波ブロックの作り方でしょう。

1個あたりの重量が20tにもなる消波ブロックは、完成品を設置場所に輸送するだけでも大変なコストがかかってしまいます。

そのため、消波ブロックは完成品を現場まで運ぶのではなく、設置する現場のほど近い場所で製造するのが基本となっています。

そして、製造には必ず銅製の型枠が用いられ、そこにコンクリートを流し込むことであの独特な形をした消波ブロックが完成するのです。

しかし、一日で作れるブロックにも限度があり、小さなものだと100個ほど、大きなものだと一日に数個しか作れないのです。その作業を延々と繰り返し、数百個、時には数千個の消波ブロックが設置されます。

膨大な量の消波ブロックが設置されている背景には膨大な時間もかかっているのです。

設置に用いられる重機

現場で消波ブロックが完成すれば、設置する作業が始まりです。

設置には200~300t級というなかなか町では見ることが出来ないような巨大なクローラクレーンという重機が用いられます。

海上が現場の場合には、平板な船にクローラクレーンを積み込んでの作業が行われています。

気になるお値段は?

まず、製造に必須な型枠は、基本的にメーカーからレンタルされている種類から選び出します。

最小タイプの消波ブロックだと、型枠1個あたり1ヶ月で1,000円台など、かなり低い値段設定となっています。

一方で50tを超える巨大サイズともなると、型枠1個のレンタル料は1ヶ月3~5万円と大きさによってかなり値段に幅があります。

そこにコンクリート代や人件費、設備費なども加わり、小さなタイプで1個あたり約5,000円ほどで完成します。

もう少し大きくなると、1個あたり10万円前後になり、80t級を1個製造する場合には60万円程かかるようです。

一つ作るだけなら意外と個人でも手が出せない価格設定ではないかもしれません。

人の命に比べれば安い

各地では堤防や護岸整備事業が計画され、建設作業が進められます。

その際には消波ブロックが100から1,000単位で作られ、中には1万個以上並ぶ防波堤もあります。

堤防で長く連なった消波ブロックを見た際は数100億円かけて作られたものなんだなと感じてしまうかもしれません。

しかし、消波ブロックがあるおかげで大きな災害時には数えきれないほど人の命を助けてくれるのも事実です。

数100億円かかっていようが人の命が助かるのなら安い買い物でしょう。

<近藤 俊/サカナ研究所>

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