自分で出来るボートのメンテナンス術 出艇前の『船外機』点検項目3選
2021年09月04日 11:30
抜粋
オイル交換、バッテリーチェック、ガソリンホースの亀裂、給排水のつまりなど、ボートメンテナンスはキリがない!今回は見落としがちな船外機エンジンの、個人でできるチェックポイントのご紹介です。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉浦永)
船外機エンジン
ボートの船外機エンジンとは、取り外しができ、チルトアップ・チルトダウン可能な、水に触れないように保管しておくことができるエンジンです。
主に小型船舶(ゴムボートから26ftくらいのボート)に取り付けられることが多く、2馬力~400馬力程度までとレパートリーが多いことが特徴。
船外機のメリット
1:係留時はチルトアップして保管しておくことができるので、エンジンの海水流入を防ぎ、腐食や潮噛みを防ぐことができる。
2:シャロー走行可能。水深が浅くなり、ペラが海底に当たりそうになってもチルトアップして走行することで、水深の浅いところも走行できる。
3:操船しやすい。舵を切ることでエンジンがどの方向を向いているか分かるので、操船時に進行方向のイメージが分かりやすく、扱いやすい。
船外機のデメリット
1:船外機はレギュラーガソリンやハイオクガソリンを入れるので、軽油を使うディーゼルエンジンと比較するとガソリン代が高くなる。
2:大きい船体のボートに船外機を取り付けるとパワー不足で燃費が悪くなる場合がある。
3:2ストロークの船外機は燃費が悪く、音が大きい。
沖合の故障経験
私が実際に経験した沖合でのエンジントラブルは、急にエンジンが停止して動かなくなったり、水中を漂っているゴミとエンジンが絡んでしまいエンジン停止、釣り糸がエンジンに絡まるなどですが、ほかにも様々なケースが考えられます。
今回はそんなエンジントラブルを未然に防ぐための点検やメンテナンスを紹介したいと思います。
点検ポイント
では具体的な点検個所とその方法を紹介します。
プロペラシャフト
プロペラシャフトとは、エンジンで発生した力をプロペラに伝達させて推進力を生み出す部分です。
点検方法は、プロペラの根元に付いているプロペラシャフトへの釣り糸の巻き込みをチェックします。そのままにしておくと釣り糸が奥に入って行き、プロペラシャフトのシールを損傷させてしまいます。
また、四角の形をしたインペラポンプ給水口の詰まりをチェックします。詰まっていると海水を吸い上げられなくなり、オーバーヒートになりやすくなります。
プライマリーポンプの点検
プライマリーポンプとは、ガソリンタンクとエンジンを結ぶ燃料ラインに装着してあるポンプのことです。この部分に亀裂が入っているとエアーの吸い込みやガソリン漏れの原因となります。
点検方法は、ポンプ周辺の亀裂をチェックしてから、ポンプを押してポンプの圧力が正常かチェックしてみて下さい。この際にガソリン漏れやポンプの吸い上げに異変を感じた場合はすぐに交換をお勧めします。
サーモスタットの点検
サーモスタットとは 、エンジンを冷やすためにインペラで汲み上げた海水の温度を管理する部品のことで、エンジンがオーバーヒートまたはオーバークールしないように温度調整をおこなう大切な部品です。
この部品はエンジンが掛かっている時は冷却水を汲み上げ、常に海水が流れているので、潮噛みや劣化の原因になりやすく、見落としがちなポイントです。
点検方法は、エンジンカバーを外すと見える、この部分がサーモスタットとなっています。 固定してあるボルトを外すとサーモスタットが姿を現します。エンジンが急に止まりやすい場合やエンジンが熱いと感じたら、サーモスタットの潮噛みや劣化が進んでいる場合がありますので、すぐに交換をオススメします。
<杉浦永/TSURINEWSライター>
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