夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おう

2021年09月07日 17:00

[TSURINEWS]

抜粋

今回は、大胆不敵&警戒心の強い好敵手、夏チヌをどう釣るのか。磯、波止のフカセ釣りでの攻略法を考えてみたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 南健一)

夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おう

夏のチヌ釣り

夏のチヌ釣り。釣り人の天敵は容赦なく照りつける太陽光線。ジリジリと磯を、波止を焦がし、反射する照り返しは身体の水分を奪う。水分補給をしつつ、釣りに向き合わなければならない。磯チヌは沖磯の沈礁を隠れみのにする。

大物を求めて磯に立つ真夏の太陽だけは避けたい。容赦ない暑熱で磯肌はかげろうのようにゆらぐなか、釣り人は日陰もなく、ただただ耐え忍び、魚との出会いを待つ。もう少し涼しくなる秋口まで待てないだろうかねぇ……。

夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おう大物に対峙(提供:週刊つりニュース西部版 南健一)

たとえば日陰となる断崖絶壁の西向きの磯とかなら、午前中までなら日陰となる。長崎・大村湾でいえば、横島のタヌキの地磯。西向きの磯は太陽が真上に昇るまでなら、なんとか涼しく釣りができる。とにかく、水分補給は万全に、磯の上で熱中症や日射病になれば大変である。

チヌの生息圏と生態

チヌは波穏やかな内海で人里に近い、人間環境に近い川、真水と海水とが混じり合う汽水域にも生息する。深場に比べれば、はるかに主食とするエサが多い砂泥底の地形があり、生活環境がととのっている。そんな敵の少ない浅海に生活場所を選んだのは、賢明な戦略といえよう。

夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おう対馬・浅茅湾で上がった58cm(提供:週刊つりニュース西部版 南健一)

反面、岸壁とか人間の生活圏にすむチヌは、危険を察し、身を守るための警戒心を備え、敏速な行動がとれる身動きの早い魚だといえよう。

夏チヌ

夏チヌとはなんぞや。春夏秋冬のチヌがいて、その時期によって、その行動パターンが違ってくる。海水温度の高い、低いによってすむ環境が違ってくるのだ。海水温度が高ければ深場に下がり、低ければ日中の太陽光が差し込む浅い場に活動する。エサとなるカニ・甲殻類を求めて。

チヌ釣りは軟竿細仕掛けの釣りである。ゆえに注意しなければいけないのが、釣り人の習性としてある、勝ち取る欲望。掛けて、早く魚の正体を見たいという欲望である。掛けて、まずは焦らないこと。それがサオさばきの強弱。

夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おうしっかり取り込むまで気を抜けない(提供:週刊つりニュース西部版 南健一)

焦りが生じ、無理が生じ、バラシにつながる原因となる。ため息をついて落胆することになる。必ずサオ、ミチイト、ハリス、ハリ、自分の仕掛けのバランスの限界がどの辺にあるのか、自分の技術を過信せず、ゆっくりどっしりと構えて、確実に取り込みたい。

朝マヅメは静かに

磯に上礁したら、やたらと音を立てない。フェルトタイプの磯グツで、ゆっくり周囲を見渡し、長年培った目で、潮通しがよい、自分のポイントを決めて、仕掛けを作る。

朝マヅメの磯ギワはまきエサもしない。多くのチヌが朝食中で、甲殻類やカニなどを食べていることが多く、磯ギワに寄っているのだ。朝マヅメにピチャピチャとまきエサを打って音を立てると、警戒心の強いチヌは、まきエサに興味を示すどころか、音におびえて離れてしまう。朝の静寂な時は、ほんの少々のまきエサを音を立てないように、パラパラとまく。そして、静かに磯ギワへ仕掛けを落とす。

朝マヅメの食い気が立った時間帯は、デカい大型のチヌが静かな地磯のキワまで寄っていることが多いが、スパイク付きの磯グツでガチャガチャ、まきエサでドボンドボンとやって、追い散らすことが多い。磯ギワから一歩下がって、静かに仕掛けを落とす。ガツンときて、大型のチヌの拾い物をすることが多々ある。

夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おう対馬東海岸外海の黒島(提供:週刊つりニュース西部版 南健一)

夏磯は手前に寄せる。特にナギの日、早朝の湾内、水面から湿気が上がっている時、つまり気温が水温より低い時は特にいい。そしてチヌがエサを拾い歩いている間に、しっかりと一日、いや半日、午前中まで粘れる場所、ポイントを決めておくことだ。

夏チヌのタックル

サオは、40cmから50cmサイズが主体なら、マスターモデルⅡチヌL5.3m、ハリス対応は0.6~1.5号。50cmから55cmまでならマスターモデルⅡチヌM5.3m、ハリス対応は0.6~2号、60cm超えから記録物狙いならマスターモデルⅡチヌMH。その場所によってサオを選びたい。対馬・浅茅(あそう)湾なら腰の強いMHを使用したい。

夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おうタックル図(作図:週刊つりニュース西部版 南健一)

まきエサはオキアミ2角、集魚材はチヌパワー激重、チヌパワーVSP、ナンバー湾チヌ、ムギコーン、チヌパワー激濁りを、こってりと手で練り込んでおく。

つけエサは、夏場はダンゴが主体。食い渋りイエロー、アピールホワイト、オキアミダンゴ、くわせオキアミ食い込みイエローなど。

夏チヌの「まきエ」ワーク

まきエサを打てば小魚が群がる。やっかいなエサ取りだ。エサ取りをかわしながら磯チヌを釣る。まきエサで磯ギワに寄せて沖めを釣る。ウキの周りにまきエサを打てば沖でもエサ取りが幅を利かせて……ならばエサ取りに強いダンゴやコーンなどでハリを包み、タナ底まで届ける。

猛暑の中、エサ取りの猛攻をどうやってかわすか。つけエサをエサ持ちの良いものに替える。潮の流れによって移動するウキ。ウキ下の仕掛けの流れ、どんな状態かを推測しなければならない。

夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おうエサ取りにはダンゴエサが有効になってくる(提供:週刊つりニュース西部版 南健一)

上潮と底潮の流れ、仕掛けが風に押され、まきエサとつけエサがどうやったら同調するのか。風や二枚潮。どの位置にまきエサを打てば、つけエサと同調して流れるのか。ミチイトの張り具合、仕掛けの流し方、風や自然の法則は決して釣り人には味方しない。

魚がいないところでまきエサをいくら打っても、仕掛けを投げても釣れない。いつも通い慣れたポイント確保。潮の流れ具合、そこにチヌを集め、興味を示すまきエサワーク。仕掛け、つけエサ、まきエサが同調して流れた時、チヌのアタリがダイレクトにサオに伝達される。

チヌとのやり取り

魚のサイズ、サオ、ミチイト、ハリス、ハリ、バランスを保てば魚に対抗できる。最初は沖で掛ければ沖へ、次は自分の生活拠点となる、すみか目掛けて一目散に走る。その沖からチヌは沖へ、右方向か左方向に走るかで、そのチヌがどこから来たかはだいたい分かる。左に走れば右にサオを倒して耐え、右へ走れば左にサオを倒して耐える。

夏チヌ狙いのフカセ釣り入門解説 朝マヅメは「静か」に「際」を狙おう大チヌが潜む対馬・浅茅湾(提供:週刊つりニュース西部版 南健一)

サオ、ミチイト、ハリスのバランスが良ければ絞り込みに耐え、サオの反発力でゆっくりポンピングを繰り返せば、じわりじわりチヌは浮いてくる。対馬・浅茅湾のような大型チヌがいそうな場所では、ある程度、その大物を求めてきているので、ミチイト3号、ハリス2.5~3号、チヌバリ5号の太仕掛けで挑みたいところだ。

瀬に上礁して、まずは障害物となる沈瀬を偏光サングラスで確認、足場の良い取り込み場所をあらかた決めておくことが大切。

<週刊つりニュース西部版 南健一/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース西部版』2021年9月3日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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