陸っぱりルアー釣り超入門:リールの「ドラグ」って何? 設定目安も紹介
2021年09月24日 17:00
抜粋
ルアーフィッシングは入門のハードルが高いような印象があるはず。しかし、覚えるべきことは、ほとんど3つだけです。今回はその中からリールの「ドラグ」について解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ドラグとは何か
「ドラグ」とは、負荷(魚の引きなど)に追従してイトを出す機能です。
スプールという、イトを巻く部分が逆回転して、イトが出ていきます。これによって、ラインブレイク(イトが切れること)を防ぐことができ、また魚の口元にうまくハリ先が食いついて、しっかりと寄せ~ランディングまで持っていけます。
ドラグは、リールの最大の機能といえるかもしれません。現在のリールの価格差のほとんどは、このドラグ性能や、もっと踏み込んだ各釣り物に対するドラグ特性(クイックレスポンス、など)によるものです。
「ドラグを制するものが、釣りを制する」。そういう場面も、実際によくあります。
ドラグの設定の仕方
スピニングリールの場合、ドラグの設定は、リールの頭部分にあるドラグノブを回して行います。反時計回りが、緩める。つまりイトが出ていきやすい状態にする。時計回りが、締める。つまりイトが出ていきにくい状態にする、というものです。
釣具店で購入した新品状態はフルロック、つまり締めきった状態になっていることが多く、そのままでは使えません。
ベイトリールの場合、スタードラグなどと呼ばれるハンドル横の星型の部品で、ドラグを調整します。やはり時計回りが締める、反時計回りが緩める、です。
ライン強度とドラグ
ドラグとライン強度は、非常に重要な関係にあります。
ドラグには「*kg」までという負荷に耐えられる数値があり、その中でイトを出し引きします。たとえば今、ライトゲームという海の入門者向けの釣りで、2000番リールの最大ドラグ力は大体5kgです。対して、というべきか、ライトゲームで使用するラインの最大強度といえば、PEライン0.4号、およそ8lb(3.6kg)でしょう。
上記の条件、3.6kgの負荷に耐えるラインがあるとして、ドラグを5kgでフルロックしていると、それ以上の引きをする魚が掛かったときに、ラインは必ず切れます。カサゴやメバルなどのかわいい魚では問題ないのですが、たとえば初速が速いキビレ、チヌ、シーバスなどの大型です。こういうゲストがくると、必ず切れます。
つまり基本的に、ドラグは、ライン強度以下のところに設定しなければなりません。
ただ、ドラグの力の設定は、わりと「感覚的」な部分が多いです。たとえば、筆者はアジングといって、アジのルアーフィッシングがメインですが、この釣りの基準となるドラグ力500gを、厳密に設定したことは一度もありません。
ドラグというのはアナログな部品でもあるので、「*回転すれば**kgの力になる」というメーカーの説明もなく、ほぼ自分の感覚でやるしかない部分があります。そのような前提の上で、下のような釣り物別のドラグ設定の「大体の部分」を解説したいと思います。
ショアの釣り物別のドラグ
では、続いてショアの釣り物別ドラグ設定を紹介する。
アジ・メバル
ライトゲームの2大対象魚である、アジ、メバルはドラグ緩めが基本です。アジをメインに考えるならば、500g程度が基準。ドラグノブを何度も反時計回りに回すことになります。感覚としては、イトをウェットティッシュを引っ張るくらいの力で引っ張って、ジジッとドラグが滑れば、それくらいでOKです。
ただメバルに関しては、根に突っ込む魚でもあるので、魚有利の条件(岩礁帯、護岸のスリットなど)では、かなり強めにいかなければならないこともあります。
根魚
カサゴ、ソイ、その他グルーパー類などのドラグは強めです。場の条件によってはPEラインの強度にモノを言わせて、フルロックで獲った方がいいでしょう。
タチウオ
ショアからの秋冬のターゲット、タチウオ。タチウオはわりと食う、食わないにムラがある魚で、またそもそも捕食がヘタクソです。ドラグを緩めに入れているとイトが滑りすぎてフッキングしないので、わりと強めに締めて、フッキング一発でハリ数の多いジグヘッドでしっかりと掛ける釣りでいきましょう。
アオリイカ
アオリイカなどを狙うエギングでは、ドラグ設定は一概にどうとはいえません。バイトの出方によって調整が必要です。またイカは触らないときにはまったくエギを触らないので、触る日の傾向によって都度対処した方がいいでしょう。筆者は基本的にエギをしっかりとジャークさせたときに、軽くジジッとイトが出るくらいのドラグ設定でやっています。
シーバス
シーバスは捕食がヘタな魚です。そのためハリ数が多いプラグを使って釣るのがいいといわれます。ドラグ部分でも多少緩めに入れてやった方が、シーバスのバイトに対してルアーが動いてくれるので、ハリ掛かりしやすいでしょう。
青物
ショアから掛ける青物(ハマチ以上)は、ライン強度との関係もありますが、青物狙いのタックル設計で掛ける場合ならば、ドラグは強めに入れておいた方がいいでしょう。縦横無尽に泳ぎ回る魚ですが、ほとんどの場合ルアーを丸呑みにするので、強めの勝負でも外れることはあまりありません。
ドラグはファイト時にも調整しよう
以上がルアーフィッシング入門における「ドラグ」の話です。
全般的に、ドラグは、まあ多少緩めに設定しておくと、失敗することはありません。魚を乗せやすくなります。乗せてからのやり取りで、引くときは引かせておいて体力を削り、手前に寄せてきて浮かせたところで緩める。そのように、ファイト時にも調整しましょう。
また、ドラグは、実は足元が一番効きにくいので、「寄せきったところほど緩める」ということを意識しましょう(グルーパー類は例外です。一気に抜き上げます)。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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