常夜灯は初心者におすすめの夜釣り一級ポイント 実はハズレも存在?
2021年09月26日 11:00
抜粋
だんだんと涼しくなり、夜釣りが気持ちいい季節になりました。夜釣りで意識したいポイントである常夜灯回り。なぜサカナは常夜灯に集まるのでしょうか。サカナの習性などについて調べてみました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
常夜灯周りは夜釣り一級場所
漁港や防波堤にいけば一度は見たことがあるであろう常夜灯。本来は夜の海の安全のため(海で作業する人のため)に設置されているもので、釣り人のためにあるものではありません。
しかしこの常夜灯は釣り人にとってはポイントを選ぶための大事な要因になってます。
常夜灯周りの釣りとして有名なものだと、例えばメバリングやアジング、エギングなどでしょう。週末になれば、常夜灯のある知名度の高いポイントには多くの人が押し寄せます。そほどまでに人が集まる常夜灯周り、なぜサカナが釣れるのか、そのポイントを解説していきましょう。
光でプランクトンが集まる
まず第一に、常夜灯周りには確かにサカナは多く集まっていますが、そもそもはサカナが光に集まっている訳ではありません。光が好きなのは光によってエネルギーを作る「植物プランクトン」なのです。
常夜灯の明かりで光合成をするために植物プランクトンが集まり、それを食べるために動物プランクトンが集まり、動物プランクトンを食べるために小魚が集まり……。
というように、常夜灯の明かりの下では小さな食物連鎖が生まれているのです。メバルやアジなどは動物プランクトンを食べに来たイワシなどの小魚を狙って集まっていることが多いのです。
ただ、常夜灯なら何でもサカナが釣れる。というわけではありません。常夜灯の中にも釣れる常夜灯と釣れにくい常夜灯があるのです。
釣れない常夜灯3パターン
釣れない常夜灯3種を紹介しましょう。
たくさん並んでいる常夜灯
多くの初心者が勘違いしやすいのが、明るければどんな常夜灯でもいいと思っていることです。
常夜灯はたくさんあってとにかく明るければいいというわけではありません。
明るい常夜灯がたくさんあると、サカナが集まるポイントが分散してしまうので、手元が見やすく釣りはしやすいですが、釣果はあまり期待できないでしょう。
明かりが弱い常夜灯
ヒカリが弱い常夜灯の周りには、そもそも植物プランクトンが発生していないため、サカナは集まって来ません。大事なのは常夜灯の明かりが海面をしっかりと照らしていることです。
また、電球の種類には白熱電球を使用しているものとLEDを使用しているものがあります。LEDよりも白熱電球の方が紫外線の量が多いため生物が集まりやすいと言われています。
見た目ではわかりにくいですが、虫がよく飛んでいる常夜灯を見つけたら期待大です。
湾の奥すぎる常夜灯
常夜灯のある場所が湾の内側すぎるところには、海の中の環境が変化しにくく、そもそもサカナが集まりにくいので、あまり釣果が期待できません。
外海からの新鮮な海水が流れ込んでくる場所を選ぶようにしましょう。
釣れる常夜灯
サカナは【変化】と呼ばれる周りと少しだけ違う環境を好みます。
水中の中にある大きな石だとか、堤防の角とか、川の河口などがその最たる例でしょう。
ですので、堤防の中にポツンとある常夜灯などはかなりおすすめです。たくさん並んでいる常夜灯でも、一つだけ白い明りの中にオレンジの電球が使われているところなどはしっかり押さえておきたいポイントです。
人的プレッシャー
サカナが集まる常夜灯は実はあまり釣れないという話もたまに耳にします。
というのも、常夜灯周りにはサカナだけではなく、釣り人も多く集まるからです。釣り人からサカナが見えるように、サカナからも釣り人は見えています。多くの人が動いているのを見るとサカナも警戒し、なかなか捕食行動を起こしません。
また、大きなサカナになればなるほどその警戒心は強くなり、夜の間は常夜灯から少し離れたところの潜み、食事を終えたサカナを外界付近で狙っていることも多いです。
大きなサカナを狙っている人にとっては、むしろ釣れにくいポイントかもしれません。
初心者にこそオススメ
しかし、釣れにくいとは言っても、手元はよく見えるし、常夜灯がしっかりと経っているような場所には、たいていお手洗いや水道などの設備がしっかりしていることが多いです。
そのため、釣りを始めたばかりの人にとっては非常に釣りやすい環境だと言えるでしょう。釣りを始めたばかりの初心者の人はまずは常夜灯を訪れてみてることをおすすめします。
大型のサカナを求めている人は、有名なポイントからは離れて、少しアクセスの悪い港の常夜灯周りを攻めてみるのもいいかもしれません。
警戒心の薄い大型のサカナがあなたに釣られることをきっと待っていると思いますよ。
<近藤 俊/サカナ研究所>
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