良型ラッシュに期待。波崎沖のアカムツ、秋のクライマックスへ!

2021年09月28日 11:30

[FISHING JAPAN]

抜粋

良型ラッシュに期待。波崎沖のアカムツ、秋のクライマックスへ!

関東のアカムツ釣り場の中で、今や茨城県海域は魚影ナンバー1といっても過言ではない。

そのアカムツが最高潮に達するのが今。

サイズも数も大いに期待できる。

情熱!茨城のアカムツ

平潟、日立会瀬、日立久慈、鹿島、鹿島新港、波崎、波崎新港。

リクエストによるスポット出船を含めると、ここ数年で茨城県のほぼすべての港からアカムツ乗合が出るようになった。

ここ1~2年は、さらに北の福島県小名浜沖でも秋期によく釣れていて、同県の水産資料によると2015年あたりからアカムツ資源が増加しているらしい。

要因はやはり海水温の上昇にあり、南方から供給された稚魚が大きく育つ環境に変化したようだ。

もう一つ興味深いのは、茨城から福島南部のアカムツ釣り場がおおむね水深120~150mで共通していること。

南北150kmにわたるこのライン上にアカムツの好ポイントが点在しているわけだから、資源量は相当なものだろう。

食わせるための仕掛けの要点

波崎沖のアカムツ仕掛け

この海域のアカムツは例年夏にスタートし、水温がグッと低下して釣れなくなる晩秋のころ終了する。

クライマックスは9~10月。

越冬に備えるのだろう、大小のアカムツが活発にエサを捕食する。

8月30日に取材した波崎新港・丸天丸の久保天詳船長も、「相手はアカムツなので毎日とはいきませんが、昨年は9月半ばから、40cmオーバーの良型を交えてバリバリ釣れる日もありましたね」と言う。

丸天丸は波崎沖のカンネコ根のほか、希望者がそろえば「遠方アカムツ」と称して40~50cmのアカムツが釣れる穴場へも走る。

その場所はカンネコから離れた北側にあり、久保船長が発見したマル秘ポイントだ。

「水深は120~140mで、カンネコ根と同等」とのことだから、タックル&仕掛けも同じでよい。

仕掛けは上図の胴つき2本バリ、オモリは120号。

ハリは巻き上げ中にバレにくい形状の、ホタバリ17号前後が定番化している。

この仕掛けは茨城県全域で共通だが、潮の速さに合わせてオモリ150号の使用をすすめる船宿もあるから必ず確認してほしい。

ロッドはアカムツ専用のほかビシアジ用、ヤリイカ用、青物用などが流用できる。

リールの糸巻き量も肝心で、PE3号を300~400m以上巻いた電動リールを推奨。

釣り場の水深は150m足らずだが、速潮や二枚潮に見舞われるとオマツリが頻発してちょくちょく高切れする。

そんなとき道糸が300~400mあれば、高切れで半分を失っても釣りが続行できるわけだ。

仕掛け周りの工夫については次の点に留意しよう。

仕掛け

(左上)枝スはフロロカーボン6号前後を50~60cm。ハリス付きの替えバリも準備しておこう(左下)エサのホタルイカは1パック付き。サバの切り身を持参して、抱き合わせるといい(右)オモリは120号でOK。カンネコの仕掛けはハリ数2本までに規制(※遠方アカムツのポイントは自由)

釣行の様子

(左上)PE3号を300~400m巻いた電動タックル。ビシアジ用やヤリイカ用が流用できる(左下)舳先でスロージギングもOK。ジグは300g前後(右)30~35cmが当日のアベレージサイズ

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捨て糸の調整

茨城のアカムツ釣りはオモリを着底させたままゼロテン状態でアタリを待ち、底スレスレから3~4mの遊泳層に付けエサを漂わせるイメージで食わせていく。

ここでキーポイントになるのが、捨て糸の長さ。

ひとまず1~1.2mくらいでスタートし、下バリに掛かってくる魚に注目する。

ドンコ、ムシガレイ、サメ、ユメカサゴなどの底生魚がやたらと掛かってくるようなら、捨て糸を1.5~2mに延ばして外道をかわす。

付けエサの位置も高くなるけれど、魚の活性が全般に高いときはアカムツのタナも上ずるものだ。

逆に外道すら掛からない低活性のときは捨て糸を60~70cmまで詰め、底近くに沈んだアカムツの鼻先にエサを持っていく。

興味深かったのは、取材で色いろとアドバイスしてくれた常連の今井伸久さんの経験則。

「私の捨て糸は1.2mが基準ですが、ユメカサゴが下バリにガンガン食い付いてくるときに2mまで延ばします。

というのも、よく言われるサメやドンコ、ムシガレイはけっこう上まで浮いてきて、上バリにも食ってくるんです。

釣れても仕方がないってことですね。

だけどユメカサゴだけは底からあまり浮かず、ほぼ下バリに掛かる。

捨て糸を長くすれば、かなりかわせるんですよ」

ユメカサゴを指標にしたこの捨て糸調整術、覚えておいて損はない。

エサ付け

船で支給されるエサは冷凍のホタルイカ。

ハリを両眼の間に刺し抜いて、抜け落ちやすい外套をワタを残して取り去ればエサ付け完了・・・なのだが、実際は大半の釣り人が持参したサバの切り身と一緒に付けている。

エサ持ちの悪いホタルイカの弱点をサバでカバーし、ボリューム感を演出してアカムツにアピールするためだ。

その場合は上写真に示したとおり、サバの付け方に気を配ってエサの回転をできるだけ防ぐ。

[サバの切り身とホタルイカの抱き合わせ]

サバの切り身とホタルイカの抱き合わせ

サバの切り身(長さ50mm×幅8mmほど)→ホタルイカの順で付ける。

肝心なのは左写真のサバの付け方。

ハリ先を皮の端に刺すが、必ず切り身のセンターを取って、ていねいに刺そう。

これで不要なエサの回転を防ぐことができ海底でヒラヒラと漂ってくれる。

浮力&発光アイテム

チモトに付けるマシュマロボールは、今やアカムツ釣りで定番の浮力アイテム。

付けエサを潮に乗せてフワフワと漂わせ、アカムツを誘う。

数年前まではチモトに1つ付けていたが、今はより浮力を高める2個付けパターンが流行中。

マシュマロボールに加えてミニサイズのケミホタルなど、発光アイテムをチモトにプラスして集魚力をアップさせる人もいる。

効能はあるものの、サバが多いときは標的になるのですぐに取り外したほうがいい。

[ゼロテンを基本にフォールの誘いを織り交ぜてアピール]

①オモリを着底させたまま、張らず緩めずで20秒くらいアタリを待つ②竿先を頭上まで持ち上げて、仕掛けを浮かせたら・・・③付けエサの落下速度に合わせるイメージでゆっくりフォール

波崎沖のアカムツ攻略

波崎沖のアカムツ攻略

今井さんに学ぶアカムツ攻略

ここからは丸天丸の船上で、前出の今井さんが熱心に教えてくださった茨城エリアのアカムツ釣りのツボを紹介してみよう。

まずは今井さんが「一番の釣果のカギ」と言う、エサ付け。

今井さんもホタルイカとサバの切り身を抱き合わせにしていて、とくにサバはていねいに付けている。

「海中でヒラヒラとたなびくよう、切り身の端っこギリギリに、的確にセンターを取ってハリを刺します」

大ざっぱに付けるとエサが不自然に回って魚全般の食いが落ちる。

周りに比べてアタリが少ないときは、エサの付け方を見直したほうがいい。

釣り方はオモリを底に着けてのゼロテンが基本。

ウネリや船の揺れを竿でかわしながら、ゼロテン状態を20秒くらいキープしてアカムツのアタリを待つ。

けっこう長めの静止時間だが、小刻みに激しく誘いを入れるとムシガレイなどが先に反応して食い付くケースが多くなるそうだ。

アタリがなければスーッと頭上まで竿先を立て、仕掛けを持ち上げる。

そしてゆっくりジワジワと竿先を下ろして付けエサを落とし込み、再びゼロテン状態で20秒待つ。

「落とし込んだ直後はとくに集中。アタリがくることが多いんですよ」

そして思惑どおりにアタリが到来したら、大きく竿を立ててしっかり合わせる。

向こう合わせで十分という意見もあろうが、途中でエサを吐き出してしまうアカムツもいるだろうから、迷わず合わせて掛けにいったほうがキャッチ率は上がる。

最も驚いたのは、ハリ掛かりしたアカムツを回収する巻き上げスピード。

今井さんはダイワの300番を愛用していて、レベル20~23という速さで巻き上げてしまう。

「ただしドラグは緩め。波で船が持ち上がったときにドラグが滑り出すくらいに設定して巻き上げてます」

これくらい速いスピードでテンションをかけて巻き上げたほうが、バラシが少ないという。

アカムツはとかく口切れしてバレやすいと言われる。

けれどバラシの主因は口切れではなく、口膜部のハリ穴が広がってのスッポ抜け。

膜を支える外縁はけっこう強くて切れにくいから、ハリにテンションをかけて上げてくれば、そう簡単にはバレないそうだ。

その今井さんが40cm近いアカムツを釣り上げた後、私にもアタリが到来。

冷やひやしながら速めのスピードで巻き上げると、無事、30cmのアカムツが海面に顔を出した。

最初は度胸が必要だが、慣れてくれば当たり前の感覚になるのだろう。

釣り人目線が心地いい船

さて、この日はカンネコ根の水深130~140mを舞台に、30~45cmのアカムツを0~3尾の釣果。

ミヨシ有利の展開となり、左舷トモ2番から竿を出していた今井さんも1尾に終わった。

一昨日は3~10尾と好調だっただけに久保船長は肩を落としていたけれど、潮の動き次第で結果が大きく変わるのもアカムツ釣りの宿命。

そんな中でも40~45cmの絵になる良型が数尾浮上してくれたのだから、これから10月にかけて迎えるクライマックスの序章と信じよう。

お世話になった丸天丸は開業して丸2年。

久保船長に聞くと、「漁師の家系でもなく、釣り好きが高じて始めた」そうだ。

いきなり船宿のおかみになった妻の由美子さんは、

「ある日突然、釣り船やるから!と言われまして。船は?と聞いたら、もう買った!って。ほんとにビックリしましたよ~」と苦笑い。

その由美子さんもしっかり船長をフォローして、丸天丸名物の船上サービス「いなり寿司」を自宅で毎日作っている。

釣り人として色んな釣りを経験し、さらにマイボートで自分だけのポイントを開拓してきた久保船長のレパートリーも豊富だ。

アカムツ、遠方アカムツ、アラ、オニカサゴ、ヒラメ、アコウ、浅場根魚、シロギス・・・などを四季に合わせ、リクエストに応じて楽しませてくれる。

出船予定表はホームページ内にあるのでチェックしていただきたいが、これからはアカムツに加えて、これまたマル秘ポイントで狙うアラ五目(上記カコミ参照)や、11月に解禁するヒラメがおすすめとのこと。

「それからアカムツはスロージギングの便乗もOKなので、好きな方は舳先でやってください。

船上は清潔で快適な環境を心がけていて後方のトイレはウォシュレットにしてあります。

各自の釣り座にゴミ用のビニール袋も縛り着けてあるので使ってください」

元釣り人が、釣り人目線で楽しませる釣り船。

丸天丸を一言でいえば、そんなイメージだ。

釣行の様子

(左)左ミヨシ2番の灘さんは、45cmと40cmの良型をキャッチ(右上)ゼロテン状態でアタリを待ち、定期的に底ダチを取り直す(右下)アタリがきたらしっかり合わせ、口元へ確実に掛ける

釣行の様子

(左上)チモトに付けるマシュマロボールは2個付けがブーム!?(左下)小型のアカムツは一夜干しに。これまた格別にうまい(右)透き通るヒレにルビー色のボディ。アカムツならではの美しさだ

丸天丸のサービス&こだわり

釣り船、軽食

(上)釣り好きが高じて遊漁船を始めたという久保船長の熱意が詰まった大型船(下)いなり寿司は2個入り。美人おかみ、由美子さんの手づくり

2年前に新規開業した丸天丸は15tの快適な大型船。

久保船長にこだわりを聞くと「清潔、快適な船」とのことで、後方のトイレはウォシュレット付き。

エアコン付きの前方キャビンは夏期はゴザ、冬期はホットカーペットを設置し、後方キャビンは5名限定の寝室というレイアウト。

スタッフも一人乗船して、あれこれ手助けしてくれる。

軽食サービスもユニークで、朝はいなり寿司、10時過ぎにはカップ麺を配ってくれる。少食派なら弁当いらずだろう。

10月からはアラ五目も熱い!

アラ五目仕掛け

(右上)こちらは3kgの大オニ (右下)昨シーズン釣れた7kg前後のアラ。サイズは潮具合で大小色いろ※画像はいずれも丸天丸提供

丸天丸の久保船長は5~10kg級のアラも顔を出すマル秘ポイントも押さえていて

「初夏のころ、そして秋~年末の2シーズンがチャンス。

アカムツだけじゃなく、こちらもぜひリクエストしてください」

と自信を見せる。

仕掛けは図のように胴つき、テンビンの2パターンから選び、オモリは150~200号をセットする。

付けエサは「冷凍か冷蔵のヒイカや小型のヤリイカがいいね」とのことだから、スーパーなどで調達するといいだろう。

ポイントの水深は120~150mと比較的浅く、タナはアカムツ釣りと同じように底ベタでOK。

同場所では1~3kg級のビッグなオニカサゴを筆頭に、ウッカリカサゴ、10kg前後のイシナギ、良型のアカムツなども交じって楽しめるので「アラ五目」という看板で出船中だ。

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隔週刊つり情報(2020年10月1日号)※無断複製・転載禁止

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