カカリ釣りの名手「山本太郎」が解説 生浦湾と御座クロダイ攻略法

2021年10月03日 11:30

[TSURINEWS]

抜粋

いよいよカカリ釣りも絶好期に突入する。そこで今回は、三重県の鳥羽・生浦湾と英虞湾・御座を例に、カカリ釣りでのチヌ攻略法を解説したい。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

クロダイ絶好機へ

新型コロナウイルス感染拡大による東海3県への緊急事態宣言発令下、好機ながらも思うように釣行できずに、フラストレーションもピーク一歩手前。私もおよそ1カ月海風に当たっていないが、これからカカリ釣りも絶好期に突入する。

今シーズン、相変わらず黒潮の状況は紀伊半島沖を大きく外へ蛇行したままだが、三重県下においてのクロダイの良否は、春先からここまでを振り返って「中の上」といったところか。

三重県のカカリ釣り場で北部に位置する鳥羽の生浦湾や的矢湾は例年にない不漁ぶりだったが、代わって英虞湾や南部の尾鷲湾が好調だった。特に尾鷲湾は港から見て左岸寄りの天満浦、右岸寄りの大曽根浦のいずれも絶好調で、連日大型や良型が目立った。

堂々たる姿は野武士の名にふさわしい(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

8月も中旬に差しかかり、さすがに型数とも落ち着いてきたが、一時は渡船予約が全く取れないほど、連日多くの釣り人でにぎわったようだ。

英虞湾では、本来食い渋りを見せる5月の産卵期も安定して釣れ続き、50cmこそ少ないものの、30~45cmクラスの元気印は実によく釣れていた。

英虞湾には多所にわたってカカリ釣り場が点在する。その全ての釣り場が好調だったわけではないが、最も湾口に位置する御座や浜島、大崎、鵜方浜はいまだに好釣果が期待できる。

数狙いに期待が持てる

さて、本当なら残暑が厳しくまだまだ盛夏の釣りを余儀なくされるタイミングだが、今夏はどうしたことか?お盆から降り続いた長雨以降、いつも通りの夏らしさはなく、9月の上旬現在、すっかり秋めいている。

今シーズンの秋を予測するのは難しいが、天候や海水温の状況などから推測して、海況の移行(夏から秋へ)もやや早いと考えて問題ないだろう。

今後は梅雨から夏にかけ、尾鷲湾で釣れ盛ったような大型クロダイは少々厳しいかもしれないが、その分、中~小型クロダイの数狙いにはかなりの期待が持てる。

痛快な引きを堪能しよう(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

春先不振だった鳥羽方面も、夏以降は順調に釣れている。何よりも秋の数狙いには例年めっぽう強い鳥羽の釣り場。今後さらに上向いてくれることも熱望しつつ、私が行きたい今秋の釣り場、そしてそのエリアでのオススメの攻め方を惜しまずに紹介していこう。

現在のところ、鳥羽から五ケ所湾辺りにかけての水温は26度強ある。過去のデータから見てみると、概ね25度を下回るころからにわかにチヌが活気づいてくるが、熱しにくく冷めにくいのが海水温。

愛竿のセイハコウリミテッド(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

たった1度ほどとはいえ、25度を下回りだすのはやはり今月下旬になるだろう。ただ、いくつかの台風が接近し、上層から下層まで混ぜ返しての話なので、今シーズンはここまで接近、上陸が極めて少ないため、若干の心配はある。台風が少ない影響がどの程度あるのか不明だが、取りあえずは下旬ごろからハイシーズンと捉えておこう。

鳥羽・生浦湾

毎年のように秋の好機になると、3ケタ釣果が連発する浦村、生浦湾の釣り場。水深は最深部でも11~12mと比較的浅い湾だが、潮通しはすこぶる良好だ。決して速過ぎる訳ではないが、秋の数狙いでは軽めの仕掛けで潮流に乗せて流しながら広域を探るのが適しているだろう。

同釣り場では大型イカダ(トイレ設置)の他、カキ養殖棚に掛けてあるカセも広範囲にある。イカダはいずれも大型で安定度も高く、ファミリーやグループでも安心。数狙いならイカダ、型を狙いたいのならカセをチョイスすると無難といえるだろう。

タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

潮通しがいいので、障害物などの少ないイカダでは、細ライン1.2~1.5号。ジンタンからガン玉の各サイズを多数そろえておき、潮流の速さや流したい距離、さしエサの種類によって小まめに交換してやる。

エサ

数狙いならエサは生きエビに勝るエサはないが、生きエビ一本で通すと20~30cmの小型が目立ち、どうしても型に不満が残る。生きエビを軸にしつつも、少しでも良型を獲りたいのなら、サナギとコーンは必須だ。

生きエビはさしエサとしてだけではなく、まきエサとしてもある程度の量は用意しておきたい。通常は5~6杯、最低でも3~4杯はほしいところ。その他、加工オキアミやサナギコーン(激荒)は欠かせない。もし数を狙いつつも、やや良型をということであれば、生きエビを若干減らし、その分激荒を多く増やすといい。

おそらくエサ取りの活性はまだまだ高いことが予想されるので、もし生きエビでインターバルが保てない場合は、激荒のサナギの片欠やコーンが大いに役立つ。

エサを使い分けよう(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

生きエビのまき方は、まず仕掛けセット前に水分が多い柔らかいダンゴを少量作り、ソフトボール大にして、その中へエビを押し込むように20~30匹入れてそっと海面へ滑らせてやる。それをゆっくりの間隔で5~6個、沈めておいてからタックルをセットする。

ダンゴには必ずさしエサと数匹のエビ+激荒を一緒に握り込み、やがて効いてくるであろう寄せと持続性をイメージしながら、自分のリズムを保ち打ち返していく。

どちらかといえば、生きエビではダンゴが抜けて早い段階、サナギやコーンでは抜けてからしばらく間合いがあってからアタリが出ることが多い。したがって、サナギやコーンの場合はアタリが出なければ潮流に乗せてある程度流した方がいい。

30匹の豊漁も狙える

仕掛けを流す動作は、ダンゴ抜けの後、ラインの角度を見ながら潮下へサオ先を腕いっぱいまで追いかける。そしていっぱいまでいけば即座にチョイ出しクラッチ(スプールフリー)を切り、サオを潮上に倒しながらラインをサーッと出していく。そしてスプールをロックしてサオ先を潮下へと追いかけての繰り返しだ。

流す距離については、その時の潮流速度、潮位などに大きく関わっていて一概には言えないが、私の経験では5~15回ぐらいの繰り返しでヒットしたのはザラにある。状況を加味しながら、そこは臨機応変に攻めてみよう。うまくいけば1日で20匹、30匹といった豊漁は全く珍しくない。

本浦のカキ棚に掛けたカセ(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

しかしながら相手も生き物。必ずといっても過言ではない「食い渋り」にぶち当たる。これはクロダイの警戒によるものからで、何も手を加えなければ数を伸ばすことは到底無理だ。

1匹釣ったら足止めダンゴを打つ

1匹のクロダイを仕留められたら、スカリのセットといったクロダイを処理する前に、エビや激荒をたっぷりと握り込んだ「足止めダンゴ」をすぐに入れる。釣ったクロダイの処理はそれからで十分だ。

クロダイが3匹、5匹と伸びてきたところでアタリの出方が変わってきたり、あるいはダンゴ抜けからなかなかアタってこなくなってきた……。これは完全に警戒による食い渋りで、こんなときはさしエサを違うものに変えてみる。

イカダもある(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

それでもダメならさしエサをほんの少し底から切ってみたり、あるいはその真逆で底に大きくずらせてみたりと、考えられるあらゆる策を講じてみる。次の手、次の手と講じていけば、必ず答えは見いだせるはずだ。

同地では大潮よりも、大潮後の中潮2~3日目が潮流が速くなりやすいのでご注意を!

英虞湾・御座

御座は英虞湾の最も湾口に位置しており、例年真っ先にクロダイが釣れ始め、最も遅く釣れ続く。潮通しも申し分なく、初心者からテクニカルな釣りが楽しめるポイントまで、釣り場は変化に富んでいる。

タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

ポイントを大きく分けると、浜島~御座間の航路筋、真珠ビン玉に掛けたカセ、イカダと御座の地方寄りに点在するイカダ群。航路筋のポイントでは潮流が速く、地方寄りは比較的穏やかなので入門者、初心者は地方寄りを指定するといい。水深は最深部では30m超のポイントもあるが、平均すると8~15mとお手ごろ。

御座では秋の数狙いとはいえ、20cm級の小型は少なく、30~40cm級の中型が多い。型が型だけに20匹、30匹という訳にはいかないが、この型が「ツ抜け」たら、何ら不満はない。

潮流は大潮で速くなり、小潮では穏やか。込み潮で湾口から湾内方向、下げ潮ではその逆方向と、比較的素直な流れではあるが、岩井や大崎などの航路筋では、ときとして複雑な流れを見せる時もある。とても気さくな船長(若い女性)なので、そのような事態には気軽に相談するといい。

攻め方

攻め方だが、御座では前述したように小型クロダイは少なく、中型チヌが主体。小型クロダイの好エサになる生きエビはそれほど効果は期待できないだろう。エサはオキアミやサナギ、コーンが軸になるが、エサ取りが多いのでサナギ、コーンがメインになるはず。

変化に富んだ釣り場が多い(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

釣り始めはオキアミやオキアミ+コーンといった複合エサで打ち返しのピッチを早める。十分にエサ取りが寄ったら、サナギとコーンでじっくりとインターバルを設けてやろう。

サナギ、コーンはクロダイがすぐに摂餌してくるエサとはいえず、どちらかといえば「遅いエサ」。やはりじっくりとエサをクロダイに見せて摂餌へと持ち込まなければならないが、問題は潮流と仕掛けの姿勢だ。

激流に対処

速潮時は仕掛けが潮流に押されてしまい、どうしてもエサをじっくり見せにくいので、どう攻めるか?ここが最大のネックになる。

大きめのオモリなら簡単に仕掛けを留めることができるのだが、同地ではあまり大オモリで好釣果を得たことがなく、軽めの仕掛けが断然お勧め。さらには速潮時でも、あまり仕掛けを遠くに流しても効果大ともいえない面白い釣り場。

釣り場の様子(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

私が多用するのは、2B、3Bのやや重めのガン玉で抵抗しながらゆっくり流す方法と、ジンタンBを打ち、プラスタナ(ハワセ)の2種類。速潮時に軽い仕掛けでさしエサをじっくり見せるには、今のところこれしか思いつかない。

さしエサはオキアミ+サナギ、オキアミ+コーンをはじめとし、丸さなぎやサナギ+コーンの複合エサと、いろいろ試してみよう。こぢんまりと収めず、ボリューミーに刺すのがベストだ。

<週刊つりニュース中部版 山本太郎/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2021年9月24日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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