伊藤さとしのプライムフィッシング【両ダンゴの底釣り:第1回】
2021年10月04日 16:00
抜粋
伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「両ダンゴの底釣り」。今回は神奈川県厚木市にある厚木へら鮒センターでの実釣編。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
厚木へら鮒センターで実釣
夏のような陽気となった9月22日(水)に釣行した。盛期はどこに行っても宙釣り主体だったが、水温が下がり始めると底釣りも面白くなる。いま一度、この釣りを見つめ直して、来たる冬将軍に備えよう。
6時30分に開門。大池・中央桟橋の事務所寄り南向きに入釣。9尺竿を継ぎ、『ふかトロ』をベースにした両ダンゴの底釣りで狙う。
まずは底ダテ。トップがゆっくり沈没する程度のタナ取りゴムを上バリに付けて計測。水深はちょうど竿いっぱい。タナを上バリトントンにセットして、7時にエサ打ちを開始。
ところが魚の寄りがきつく、仕掛けがナジんでいかない。「盛期は魚の上を歩いて渡れる」と同池のオーナーが冗談交じりで話していたが、この時期でもこうとは驚きの魚影だ。
微妙な調整で底釣り成立
ウキの浮力をサイズアップして、ハリスも上下5cm短くして再開。これで仕掛けはナジむようになったが、まだまだウキの上下動が激し過ぎる。もう少し静かにさせたいので、基エサに『粒戦細粒』を混ぜ込み比重とネバリをプラスさせる。タックルとエサは下図。
「これでどうにか、釣りになるようになったね」
底釣りらしい静かな動きとまではいかないが、小さくも鋭いアタリに的を絞ってコンスタントにカウントを重ねる。
ナジミ幅増え軟タッチへ
太陽が顔を出すと、急に気温が上昇。予報では夏のような陽気だとも言っていた。南向きに釣り座を構えたのは失敗だったか?
「暑いのはカンベンしてほしいけど、さっきから少しずつだけどウキの入りがスムーズになったね。同じエサを打ってるのに、ナジミ幅も増えてきたしね」
水面直下では相変わらず魚がわさわさしているが、ナジミ途中の攻撃が減ったのだろう。活性の問題か?いずれにしても釣りやすくなったことは明確で、それがウキの動きにも現れている。
「これなら軟エサを打てそうだね」
トロロ系のエサなのだから、できれば軟タッチで釣り込みたい。ところがそれではエサが持たず、超硬タッチしか選択肢がなかった。普通ならカラツンをもらいまくる感じのエサだが、魚の活性に合わせた結果なのでそれはそれで正解だ。
「でもだったら、わざわざ『ふかトロ』を使わなくとも、通常の両ダンゴでいいからね」
ダブルヒット連発
トロロの利点は超軟タッチが使えること。両ダンゴでは持たせられないギリギリの軟タッチでも、トロロならそれができる。さらにそのエサが打てれば、カラツンも少ない。
それまでと比べて手水の量を大幅に増やし畳練りを繰り返して、いかにもトロロっぽいタッチに手直しして打ち込む。
「ほら、いい感じになってきたよ」
見ると竿が通常よりも大きく曲がって、妙な引き込み。案の定、水面を割ったのはダブル。さらに以降はダブルヒットが連発。
「これがトロロの利点だよね。意図せずとも繊維がハリのフトコロに残るから、それを食ってくるんだよね」
そういえば新ベラ狙いの両グルテンでもダブルが増えるが、それと似たようなものなのかもしれない。所用のため正午前に納竿。釣果は9寸~尺1寸をジャスト40枚だった。
次回も「両ダンゴの底釣り」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
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