『タングステンジグヘッド』の自作方法 材料費はたったの「35円」?
2021年10月15日 11:30
抜粋
よく釣れるかわりに結構高いタングステンジグヘッド、自作できるって知っていました?今回はバラバリとタングステンビーズを使った自作方法を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター福岡崇史)
タングステンジグヘッド
近年のアジングで注目されているタングステンジグヘッド。まず、タングステンとはどのようなものなのか?を紹介したい。
タングステンはスウェーデン語の「重い石」という意味の金属で、融点は鉄の倍以上、硬度はダイヤモンドに次ぐ硬さであり、普通のジグヘッドに使われている鉛と比べて約1.7倍も重い金属である。タングステンジグヘッドは鉛のかわりにこれを用いたジグヘッドであり、鉛より小さなサイズで同じ重さの働きをすることができる金属である。
自作のメリット
このタングステンジグヘッドは簡単に自作することができる。まずは自作のメリットを紹介したい。
釣った満足感アップ
市販されているもので釣ることより、オリジナルのものは製品にない自分で作ったもので釣ったという満足感が詰まっており、魚に直接掛かる部分であるがゆえに釣れた時の特別感は計り知れない。
コストが抑えられる
タングステンジグヘッドは釣具の各メーカーからも数種類販売されている。市販品がある中で自作するメリットとは満足感以外に何か。ズバリそのコストの安さである。筆者の本業はサラリーマンであり、恥ずかしながら釣具にお金を掛け過ぎることはできない。自作することでそのコストを少しでも下げて釣りを楽しむことに力を注いでいる。
市販品の価格
次の表-1は代表的メーカー3社のタングステンジグヘッドの価格と1個あたりの値段を比較したものである。
1個あたりの価格はおおよそ150円前後であり、ジグヘッド1個がコンビニのペットボトルジュース1本購入できる程度の価格となっている。
自作時の材料価格
では自作するとなるとジグヘッドのベースとなるフックの値段とタングステン本体の価格を合わせたものがおおよその値段となる。
フックの価格
ベースになるヘッド無しのフックも自作用に各メーカーから販売されており、表-2のような価格帯となっている。
フックのみの価格は330円前後が中心であるが、バリューパックなど100個入りのものになると1500円前後となるが1個あたりの価格では約15円程度となり最も安く、高いものでも40円に満たない。
タングステンの価格
それではタングステンビーズの価格はいくらになるのか。タングステンビーズは元々フライフィッシングの毛鉤作成をする過程で利用されていたこともあり、通販サイトを利用すれば簡単に手に入れることができる。次の表-3には大手通販サイトで販売されているタングステンビーズの価格である。
フック同様に100個入りでの購入のほうが1個あたりの価格は安くなるが、はじめて製作する場合は100個単位でなく小ロット分で購入して様々なウェイトを作成してみる方がいいだろう。1個あたりの単価は小ロットで25円前後、100個入りで20円前後となる。
合計材料費は35円!
フックとタングステンビーズを合わせて最大1つ60円程度、最安で35円ほどなる。そこに接着剤の費用を入れても100円に満たない価格で製作することができる。
自作に必要な道具
製作にあたりいくつかの道具が必要となってくるが、そのほとんどが100円ショップで手に入るという点がうれしい。タングステンジグヘッドを接着する際、ハンダ付けを行うかUVレジンで接着するか2通りの方法があるが、UVレジンで接着する場合では紫外線ライトを使用するなど初期投資のコストが大きいのでハンダ付けでの方法で説明しよう。
ハンダ
まず必要になってくるのが ハンダごて とハンダである。ハンダごてはおおよそ300円前後で販売されている。ハンダはヤニ入りのもので出来るだけ細いものが使いやすい。
モンキーレンチ
続いてモンキーレンチを用意する。これはジグヘッドを固定する台座がわりにする。万力等で固定する方法もあるが、コストを下げるという点でモンキーレンチを使用している。
その他
その他用意すべきものとして、ハンダごてを置くための蒲鉾板や余分なハンダを落とす水を含んだスポンジを用意しよう。また、必ずペンチも用意したい。
作成の際の注意点
作成する上で先ず注意すべきことは火傷である。不用意にハンダごてに手を触れたりできたてのジグヘッドを指でつまむと火傷につながるので要注意である。必ずできたジグヘッドはペンチで挟み、濡れたスポンジの上で冷やすようにする。
また、タングステンビーズにもハンダが流れやすいものとそうでないものがある点にも注意が必要だ。大手通販サイトで販売されているものでは無塗装のものや黒塗装がしてあるものはハンダを弾いてしまうことが多く失敗に繋がりやすく、通常金色のタングステンビーズが一番ハンダを弾かずにスリットに流し込むことができる。ハンダを弾きやすい無塗装や黒塗装のものもホームセンター等で手に入るフラックスを塗ることで幾分かは流しやすくなるが、初めて作成する時は金色のタングステンビーズで作ることを勧める。
製作手順
1.フックにタングステンビーズを通しておく。
2. モンキーレンチに挟んでタングステンビーズを止めたい位置で仮固定。
3. ハンダごてをスリット部分にごく軽く当ててハンダをごての先端に当てて溶かす。
4. 少しずつ溶かして、ハンダごてでスリットに誘導していく。いっぱいになる量で止める。
5. 流し終えたらハリ先をペンチで摘み、濡れたスポンジの上などで冷ます。
固定した位置からタングステンビーズがズレた場合は、5の工程の時にハンダごてをスリットに当てて流したハンダを軽く溶かして修正する。この時に火傷をすることが多いので注意が必要である。
タングステンジグヘッドの場合、タングステンビーズ+フック+ハンダの量でウェイトが決まるので、決してタングステンビーズのウェイト通りには作成できない。おおよそタングステンビーズのウェイト+0.2g~0.4gのプラス誤差が生じる。
ハンダを流すときのコツとして、慣れないうちは少しずつ溶かしていくことにある。最初は2~3㎜程度、次に5㎜程度というようにちょっとずつ増やして慣れていこう。
ガン玉で作成も可能
ハンダを流して作るジグヘッド作りは鉛(ガン玉)で作成する際にも応用することができる。ガン玉で作る際はガン玉を開いた状態で金属板の上に置き、先にハンダを流し込んでいく。ハンダが冷えて固まる直前にフックをガン玉にハンダを流した場所に入れることでジグヘッドを作成する。
鉛とタングステンの違い
先にも書いたが鉛とタングステンの違いはその比重にある。すなわち同じウェイトであってもタングステンの比重が大きいためそのシルエットを小さくすることができるのだ。シルエットが小さいと水圧を受ける面積が小さいためフォール速度が速くなり狙った場所に素早く落とすことができ、またリアクションで魚に反応させることも可能である。
特に潮流の速い場所や水深が深い場所での使用に向いており、ターゲットがベイトフィッシュなど比較的動きの速いものを捕食しているシチュエーションなどでの使用がオススメである。またシルエットが小さい分、水圧と共に空気抵抗も僅かながら小さいことから鉛のジグヘッドに比べて少し飛距離も期待できる。
秋の夜長に手軽にチャレンジできるタングステンジグヘッド作りにチャレンジしてみてはいかがだろうか。
<福岡崇史/TSURINEWSライター>
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