三陸『ヤリイカメタル』のキホン 手返し重視型「オバマリグ」の釣り方
2021年10月27日 11:00
抜粋
三陸エリアのヤリイカ釣りがシーズンイン。今回は「オバマリグ」について、リグの構成や釣り方を解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)
人気のイカメタル釣法
三陸沿岸のヤリイカ釣りは従来からプラ角などで楽しまれていましたが、近年はイカメタル釣法が人気となっています。ベテランアングラーもイカメタル釣法の楽しさに引き込まれていて、以前はプラ角サビキのアングラーの方が多かったのですが、最近は船中のアングラー全てがイカメタルアングラーといった日も多くなっています。
ライトなタックルで繊細なアタリをとって楽しむヤリイカ釣りの面白さに多くのアングラーが気がつき始めたようです。今回はイカメタル釣法のうち、代表的なオバマリグのご紹介です。
オバマリグとは
イカメタルの本場、若狭湾の小浜地区発祥のオバマリグはイカメタルの基本リグです。一般的なイカサビキ仕掛けを簡素にしたものです。仕掛けの投入、回収時の仕掛け絡みが無くなり、手返し良く釣りできるのが1番のメリットです。
反面、イカのいるレンジをカバーする能力はリグの全長が短くなるためにどうしても劣ってしまいます。上手く使いこなすには、イカのいるレンジを素早く探し出す能力が必要になります。
オバマリグの構成
オバマリグの一般的な構成は、仕掛けの最下部にシンカー替わりにもなるメタルスッテ(鉛スッテ)、メタルスッテの上部に1本、ないしは2本のエダスをミキ糸から出して、浮スッテ、小型エギなどを装着します。
関西エリアではエダスの数を1本に制限している船宿さんもありますので、エダスの使用にはローカルルールの確認も必要です。仕掛け幹糸は2~3号、エダスは同号ないしはミキイトから一段号数を落としてもいいです。
メタルスッテの号数
遊漁船がイカリを降ろして船を固定したら釣り開始となります。事前にメタルスッテの重さを船中のアングラーで統一して釣りを開始するのが一般的ですが、船宿によっては自由に選択しても構わない場合もあります。
メタルスッテの号数を統一するのは、アングラー同士の仕掛けのオマツリを事前に回避するためでもありますので、それぞれ隣のアングラーとコミニュケーションしてメタルスッテをチョイスしてください。
基本的には、仕掛けを投入してメタルスッテがボトムに着底する重さで、繰り返しボトムに着底することが出来る重さが必要で、重すぎれば着底感を得るのは楽になりますが、イカを釣りにくくなります。
理想的には、仕掛けが少し潮に流されてスッテが水平になびくような状況が理想的だと言われています。潮が速く流れていれば、それに合わせてメタルスッテの号数を調整したり、エダスの数を減らしたりといった工夫も必要になります。
オバマリグの釣り方
船長の合図で釣りを開始します。仕掛けを投入し、メタルスッテが着底したらメインラインのスラックをリールで巻き取ります。ラインが潮で流されるとメタルスッテが引きずられて根掛かりの原因となりますので、素早く底を切ります。底をメタルスッテが離れた段階から誘いを掛けつつ、リールを少しづつ巻き上げてイカのいるレンジを探っていきます。
スルメイカのように、動きが速くスピーディーなイカは、イカの方から仕掛けを見つけてくれますが、ヤリイカはどちらかといえばおっとりした性格ですので、しっかりとイカのいるレンジを合わせてやることが大切になってきます。
釣り開始直後は、まだ、集魚灯の効力が効いていませんので、イカはボトム付近にいることが多いです。そのため、スタートはボトム周辺を繰り返し探ります。集魚灯に小魚やプランクトンが寄り始めると、それにつられてヤリイカも船の下に寄ってきます。
イカのいるレンジを探そう
イカは集魚灯で照らされた明るい部分には留まらないのが普通です。集魚灯の光が届かない暗部にとどまり、小魚を狙うのが習性ですので、仕掛けも水中の暗部に入る方がアタリは多くなります。イカのいるレンジを探りながら、アタリがあったレンジをリールのカウンターで把握して、そのレンジを集中して誘います。
ヤリイカはボトムでの釣りが多いものですが、サバなどの外敵が上層にいるときはボトムから浮かないことも多いです。安全が担保されて、小魚が上層部にいる時などはもちろん、ヤリイカも浅いレンジまで浮いてくることもありますので、偏ったレンジばかり探るのは問題あります。
イカのアタリが出ないなら、広く探ってイカを探す必要もあります。その日の釣りの中盤以降は釣り上げられたイカについて来て、船下の暗がりにイカが溜まる傾向があります。20mより浅いレンジで釣れることもよくあることですので、狙ってみる価値があります。
オバマリグの誘い方
誘いはさまざまな方法があります。ロッドを上方にシャクる、ロッドティップを下げる、ロッドを細かく振るシェイク、などを組み合わせて、イカを誘います。
イカはスッテが動いていれば興味を持って近づいてきます。イカがスッテに興味を持って近づいてくると仕掛けの周りの水流が変化してロッドティップがソワソワし始めます。
オバマリグの抱かせ方
イカの存在を感じたら、次はイカにどうやってスッテに抱きつかせるか?に移行していきます。基本的にスッテにイカが抱きつくのは、スッテやエギの動きが止まっていることが大前提です。シッカリと誘ってやると、イカは興奮してスッテが止まった瞬間に抱きついてきます。
潮流れ良くイカが高活性の場合は、スッテをシッカリと抱いてきますが、活性が低い場合は2本の触腕でスッとお触りするだけで乗らない場面もよくあります。そんな時は、ワザとスッテをさわれない様にイカを焦らすなどすると効果的です。いずれにしても、スッテが止まっていないとイカはスッテを抱き込まないので、仕掛けを止めることはとても大切です。
船が風、波で安定しない場面では、意図しない揺れでスッテが静止しにくくなりますので、イカのアタリが出にくくなります。船の揺れを吸収するロングロッドや船の揺れにシンクロさせるなどして、アタリを分かりやすくする工夫も必要になってきます。
<堀籠賢志/TSURINEWSライター>
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