伊藤さとしのプライムフィッシング【両グルテンの新ベラ狙い:第1回】
2021年11月08日 16:00
抜粋
伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「両グルテンの新ベラ狙い」。なぜ新ベラには両グルが効くのか。必要なテクニックなど、少し深く掘り下げてみよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
椎の木湖で実釣
初回は最大約2kg、総数2.5tが前日に放流された埼玉県羽生市にある椎の木湖での実釣編。
10月16日(土)に釣行。土曜日というだけあって例会組、一般客で夜明け前から事務所外に大勢の釣り人が並んだ。お目当てはもちろん、前日に放流された平均重量1枚1.1kgの新ベラだろう。
例会組、一般に続いての入場だったので、おもだったポイントはすでに埋まっていたが、2号桟橋の渡り奥(1号桟橋向き)に若干の空席を見つけたので即決。釣り座295番で、水深表示は3.7m。
宙か、それとも底釣りか。いずれにしても長竿がいいだろう。伊藤は飛天弓閃光L19尺竿を継ぎ、まずはバランスの底釣りで狙う。実際の水深は3本半。エサはもちろん両グルテン。
新ベラのアタリを見逃さない
放流して間もなくは底で群れをなし、しばらくすると宙に浮いて拡散する。これが新ベラ放流直後の定説とされている。椎の木湖でもこのパターンが通用するのかと、まずはオーソドックスにタナを上バリトントンからスタート。時刻は6時40分。
エサ打ち開始直後は、ジャミがチクチクしていたが数投で静かになり、いよいよ本命が寄りはじめた。ただしアタリを待つリズムでは寄りが遅くなるので、伊藤は自分のペースを保ちつつ、ナジんで少しでも返したらエサを切る。
そこからアタってくるかもしれないのに、なぜすぐ打ち返すのですか?
「相手が新ベラなら、その前から触ってアタってくる。触りっぽい戻しでもないから、打ち返しているんだよ」
7時14分、ナジミ際にチッと落として初ヒットしたが、釣れたのは旧ベラ。次は教科書アタリでこれも旧ベラ。
「まだ寄ってないようだね。新ベラなら、もう少し曖昧なアタリが出てもいいはずだから」
たしかに、この2枚はどれも力強くハッキリしたアタリだった。そういうアタリは取らないほうがいい?
「そうは言ってないよ。アタってアワせない釣り人なんていないから(笑)。ただハッキリしたアタリばかり狙っていると、新ベラのアタリを見逃す可能性がある」
7時半すぎ、ナジんですぐのチッに反応すると、それまでとは明らかに異質の引きで竿が曲がった。左右に突っ走る動きは、間違いなく新ベラだ。
「ようやく来たね。サイズは800gちょいってとこかな」
自動検量器で測ると850g。放流された中では最小クラスが口を使ってくれたようだ。
「もっと大きいのがいるはずだから、それをゲットしたいね」
それは誰しもが思うことだが、狙ってできることでもない。淡々とエサ打ちを続けて、アタリを出して乗せる。その繰り返しの中から、はじめて大型新ベラが交じってくるのだ。
旧ベラの活性高く苦戦
ところが当日はいいのか悪いのか旧ベラの活性が高く、なかなか新ベラフィーバーにならない。
バラケを使ったらどうですか?
「そんなことをしたらもっと旧ベラ祭りになっちゃうよ。開くグルテンも、きょうばかりは御法度かもしれないね」
本来なら開き気味のグルテンで、ナジミ込みの早いアタリで乗せたいところだが、それでは旧ベラが入れアタリになってしまう。そこで伊藤は奥の手を出した。『わたグル単品』を下バリに付けて、上バリは今までのエサ。いわゆるセット的な両グルテンというやつだ。
「両バリとも『わたグル』単品でもいいのかもしれないけど、とりあえずは下バリだけ試してみるよ」
要は膨らむがあまり開かないグルテンで、旧ベラの反応を抑える。旧ベラにすき間ができれば、そこに新ベラが入り込むスペースが生まれる。
このような作戦だったが、目立った効果は得られず。終日旧ベラの中から新ベラを拾うペースだった。釣果は計35枚で、そのうち新ベラは8枚(判別不能な魚は含めず)だった。
次回も「両グルテンの新ベラ狙い」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
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