今さら聞けない「ルアー釣り」のキホン 『バーブレス』フックって何?
2021年11月26日 11:30
抜粋
魚釣りのハリ、フックには、ハリ掛かりを深くするための「かえし」がついています。かえしはルアーフィッシング用語で「バーブ」とも言います。かえしがついていないバーブレスフックについて、今回はその使いどころなどを解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
バーブレスフックとは
かえしのついていないフックのことをバーブレスフックといいます。
バーブと言うと、かえしのこと。それがないので、レス。「バーブレス」です。
バーブはもともと、魚に掛かって暴れると、より深く刺さるように考えられた逆棘(サカトゲ)です。もしかするとこのような残酷な道具の起源はバラの棘など自然界のものを真似ているのかもしれません。魚にとっては、恐怖でしかないような現代の釣りバリ。ルアーフィッシング界でもエサ釣り界でも、今は基本的にすべてバーブがついたハリが主流です。
なぜバーブレスなのか
では、釣りにおいて魚のキャッチ率を上げるためのバーブを、あえてつけないバーブレスフックがなぜあるのか?それは、主には二つの特殊な用途です。
競技用
バーブレスフックは、競技用に用いられることがあります。特にキスの競技用のフックが有名です。キスは非常にもろい魚でリリースしてもほとんど死んでしまうといいます。そのため大会などの競技で釣るときにもキャッチ&イートが前提で、少しでも手返しよくハリを外して次のエサを投げるためにかえしのないハリが用いられます。
その他のゲームフィッシングでも、手返し重視の数釣りの場合はバーブレスが多いようです。エサ釣りだけの世界ではありません。
豆アジの口破れ防止
これはかなり限定的な用途というかアングラーの考え方ですが、豆アジの口破れ防止にはバーブレスがいいとも言われます。豆アジの口は、特に横部分が非常にもろく、あまり強くフッキングすると破れてしまいます。またナチュラルに食わせても、バーブが口元で暴れると口の横部分が破れ、豆アジが外れてしまいます。
豆アジというのはそれでなくても自重が軽くて浮きやすく、クルクルと回ってしまい外れやすい魚でとにかく釣りにくいのですが、かえしのないバーブレスフックで、むしろキャッチしやすくなることがあります。
以上が一般的なバーブレスフックの用途です。
入れ食い状態対策も?
しかし他にもハリのかえしを潰して使うべきシチュエーションがあります。それは、小型の魚が入れ食い状態のときです。たとえば筆者は最近、中サバが1時間で100匹200匹当たり前という入れ食い状態を経験しました。メタルジグを使っていたのですが、さすがにこれだけの数を釣ると、魚を外していくのに、手がボロボロになります。
結局私自身はやらなかったのですが、このような入れ食い状態のときには、かえしを潰してしまってバーブレス化し、軽くリリースできるようにした方がいいです。魚にもダメージが少なく、自分の手をハリで傷つけることもありません。
バーブの潰し方は簡単です。バーブ部分を、プライヤーの先ではさんで、軸を潰さないような力加減でグッと押し込んでください。それで棘が潰れて、バーブレス化できます。
魚を不用意に痛めつけないため
バーブレスフックは、魚を不用意に痛めつけないための人間のせめてもの気持ちともいえるかもしれません。また魚次第では、豆アジなど、使いどころがわかれば、キャッチ率アップにもつながります。高活性の入れ食い時にもバーブレス化は有効と覚えておきたいところです。
魚釣りはどんな人にとっても一種のゲームだと思います。その「加減」という意味でも、ハリの使い方はバーブレスフック以外にもいろいろと、強弱を覚えていきたいものです。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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