釣り人的「デカアジ」の魅力 定義は陸っぱりで釣れた30cm以上?
2021年12月04日 11:30
抜粋
釣り業界のスーパースターともいえるのが、デカアジだ。今回の投稿では、筆者が集めてきたデカアジにまつわるよもやま話交えて、釣り人はなぜ「デカアジ」に魅せられるのかを、独断と偏見で綴ってみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
「デカアジ」とは?
検索サイトで「デカアジ」と入力検索すると、何万件もの関連情報がヒットする。今やTV番組やメーカー製品にまで用いられるようになった釣り業界のスーパースターがデカアジだ。
ところで、釣り人の皆さんは、「いつ頃から登場?」、「大アジとの違いは?」、「デカサバって言われないよね?」、「結局、デカアジの定義は何?」、など、ふと頭によぎったことはないだろうか。
今回の投稿では、私(筆者)が集めてきたデカアジにまつわるよもやま話交えて、釣り人はなぜ「デカアジ」に魅せられるのかを、独断と偏見で綴ってみたい。
沖堤防でデカアジ手中
11月6日、松村渡船を利用して神戸港・第8防波堤の夕マヅメ狙いで釣行した。15時の便で8防に向かい、19時の便で引き揚げる短時間の釣りの結果は、タチウオは不発ながらも、ウキサビキで28cmを筆頭にデカアジ3匹、小アジ1匹の釣果が得られた。
波止上では先客のルアーマンのグループから「デカいやん!」、「尺あるんとちゃいます?」などと声をかけられ、急遽私の隣で一緒にサビキ釣りを始めるなど、楽しいひと時をともに過ごせてもらった。
実はそのルアーマンは先に見事なサワラを釣り上げていたのだが、それでもデカアジには目を輝かせ、ハイテンションにさせてしまうのだから、釣り人にとってデカアジは、いかに魅力ある特別な魚かということだろう。
「デカアジ」はアジングワード?
デカアジは「デカいアジ」の略語だが、その由来をネット検索で軽く調べてみた。デカアジという言葉が最初にヒットしたのは、2007年の一般の釣り人のSNS。以降、時代が進むにつれヒット件数が増してきたが、デカアジという言葉とほぼセットで記されているワードが「アジング」。
2012年になると専門誌「別冊つり人」で、「デカアジDreaming」というキャッチが表紙を飾り、2014年には兵庫県のローカルTV局サンテレビ「四季の釣り」で、「デカアジが爆釣モード」というサブタイトルを掲げたアジングの放送回が登場するに至る。
アジングを一層広めたい釣り業界側が、デカアジを格好のパワーワードとして発信するようになり、デカアジは市民権を得ていったのではないだろうか。
デカアジと大アジの違いは?
では、デカアジは大アジとは違うのか?大アジをネット検索したところ、デカアジとは違う着眼点があった。検索して大アジがヒットするのは大半が船釣りで、セットで記されるワードは「尺アジ」。尺アジは1尺(30.3cm)以上、すなわち30cm以上のアジのことだと、釣り船の船頭達をはじめ釣り業界内でも共通の認識がある。
大アジは主に船釣りで釣れる尺アジのことだと捉えれば、アジング由来で30cm未満でもデカいと讃えられるデカアジとは違う魚だと解釈するのが自然だろう。
「デカサバ」とは言わない?
デカアジとは言っても、デカサバとはあまり言われない。ネット検索してみても、サバに関してはデカサバよりも圧倒的に大サバのほうがヒットする。釣り具メーカーの太ハリスのサビキも、デカアジと印字されたサビキは見かけるが、サバ向けのサビキでは大サバの印字しか見かけない。
デカサバとはあまり言われないのは、アジとサバの魚体の性質と大きさの違い、そしてデカアジがアジング由来だというのが理由ではないかと考えられる。
アジの魚体は銀色と黄金色を帯びて美しく、力強さを兼ね備えた魚信も支持されて、アジングというジャンルが開拓されるほどの優良な釣魚なのに対し、サバの魚体は表面にヌメリと生臭みがあり、魚信も力強さはあっても横走りして雑な感じでゲーム性に乏しいことから、船釣り以外では釣魚としての評価は正直低い。気の毒な言い方かもしれないが、「サバは流行らない魚」なのかもしれない。
となれば、岸壁や防波堤で釣れるサイズのサバに、あえて「デカい」という見せ方を試みたところで、デカアジほど流行らないのが実際のところだろう。
デカアジの定義
ブリは80cm以上、スズキは70cm以上、尺アジは30cm以上といった、釣り業界側からも発信される明確な定義は、デカアジにはないようだ。ネットや専門誌などに掲載される多数の情報から推測すると、「デカアジとは、岸壁や防波堤からも釣れる25cm級以上のアジ」というのが多数意見のようだ。
25cmってそもそもデカいと言えるのか?と疑問に思う人もいれば、20cm余りでもデカアジと称する投稿もあり、あまり堅苦しいことを言っても仕方がない。大きさに関しては感覚的でアバウトなのが実際のところだろう。
ちなみに500mlのペットボトルのサイズは20.5cmなので、並べてみたときに「デカい」と感じたらデカアジ、インパクトが今一つと感じたら普通のアジということでいかがだろうか。
大阪湾のデカアジの種類
釣り人はなぜ「デカアジ」に魅せられるのか?その答えは、視覚面・釣趣・食味と全ての面で満足度の高い、言わば釣魚の優等生だからだろう。
この答えにたどり着くまでに、ここまでデカアジにまつわるよもやま話を綴ってきたが、最後に私のホームグラウンドの大阪湾で、少し気になった傾向をこぼれ話として添えてみたい。
大阪湾の岸壁や防波堤で釣れていたサイズのいいアジは、2017年ごろを境に、マルアジからマアジにかわったようだ。2017年ごろまでは、秋にウキサビキで尺アジ級のマルアジが釣れていて、私の感覚では専ら大アジと呼ばれていたようだ。
しかし以降、マルアジは見かけなくなり、かわりに25cm級混じりで良型のマアジが秋以外でも釣れるようになった。アジングの広まりも相まって、その呼び方も今やデカアジが主流になっている。大阪湾で、デカアジの種類がかわった?ということだろうか。
味に外れ無しのデカアジ(マアジ)は勿論大歓迎だが、ひと昔前に多くの釣り人の目と舌を喜ばせた、さっぱりした味わいの大アジ(マルアジ)の群れも、いつの日か戻って来てくれないだろうかと願っている。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>
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