今さら聞けない『テンヤマダイ釣り』のキホン シーズン・道具・釣り方
2021年12月06日 11:30
抜粋
沖釣り(船釣り)で人気のマダイ。ウキ流し、テンビン、フカセ釣りなどと釣り方も多く、初心者の入門にもうってつけだ。今回は「テンヤ釣り」で狙う際の仕掛けや釣り方などを解説。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松田正記)
初冬のマダイシーズン
マダイは一年を通して狙えるものの、秋から初冬は数が出やすい。このころは小~中型主体の数釣りが楽しめ、時折大型が交じる。
釣り人の間では「赤トンボが見えだしたら、浅場で数狙い」「トンボがいなくなれば、深場で型狙い」という。
テンヤ仕掛け
マダイ釣りのテンヤ仕掛けといえば、中通しの専用オモリに、2本のハリスとハリが付いたものが一般的。
ハリスは赤糸(せきいと)と呼ばれるイトを編んだもので、ハリスの長さが異なる。1本は5~6cmで、もう1本は7~8cmある。その理由はエサにするエビの長さにある。
エビはオオダエビやウミエビといわれる生きエサを使い、いずれも体長は10cm前後と大きい。ハリを付ける際は、尾っぽ近くと胴の部分の2か所に刺す。脳天を傷つけないことにより、エビの鮮度が落ちず、水中でピンピン跳ねて魚に猛アピールできる。まさに「エビでタイを釣る」方法だ。
ちなみ海底の起伏が激しい場所は根掛かりするので不向き。ゴロタ石交じりのフラットな所で効果を発揮する。
釣りやすい水深
テンヤでマダイを釣る際の水深は30~40mの浅場から、60~80mの深場までといわれる。序盤の9月~12月中旬までは浅場で釣れ、水温が下がる1月ごろからは、魚も船も深場に動く。
80m以上になると電動リールを使う人もいて、初心者にはハードルが高いかもしれない。入門するなら、他魚が多い序盤がおすすめだ。
テンヤ釣りのタックル
サオは1.8mほどのテンヤ用を選び、小型両軸リール(ベイトリール)をセット。ミチイトはPEライン2号を150mほど巻いておく。サオはタイラバ用を使う人も多い。あとは現地ですぐにサオが出せるよう、サオのガイドにミチイトを通しておく。
仕掛けとエサ付け
タックルの準備が整ったら、ミチイトにリーダーを繋ぐ。リーダーはフロロの5号を1ヒロ半ほど。これにテンヤ仕掛けを装着する。テンヤのオモリは20~30号を準備し、潮の流れによって使い分ける。乗船の際、船長にたずねると「今日は20号でいいよ」などと教えてくれる。
エサのエビは尾ビレを切り、まずは短いほうのハリを通す。次にもう1本のハリを胴の部分に刺す。この時、ハリの向きはどちらでも構わないが、ハリ先をしっかり出しておことが大事だ。
テンヤの釣り方
ハリにエビを付けたら、仕掛けを底まで落とし〝底取り〟する。潮の流れが速い時は難しくて底が分かりづらいので、迷わずオモリを重くする。
それでも苦戦する場合は船長のアドバイスを受けよう。
誘い方
仕掛け着底後は、底をオモリでトントンとたたく感じで誘う。時折ゆっくり持ち上げたり、はわせるのも有効だ。
序盤の水温が高い時期はイラなどの他魚が多く、魚も浮きやすいので、リールをただ巻きしながら誘ってもいい。目安としてはリールを20回転ほど巻いて、再び底まで落とす。これを繰り返す。これとは逆に、水温が下がって魚の活性が低い時は、ベタ底で小さく誘う。
アタリとアワセ
アタリは穂先にゴツンゴツンと伝わってくる。そのまま少し待ち、サオ先がギューンと押さえ込まれたところで大きくアワセを入れる。
やり取り
やり取りは、サオに負荷をかけたままリールをゆっくり巻く。同じ速度で巻くのが基本だが、大物は引きが強くて急に突っ込んだりするため、予めリールのドラグを調整しておいたほうがいい。ミチイトを握って引っぱると、スプールがゆっくり回るくらいがベストだ。
魚を取り込む際は、リーダーを持ってそっと抜き上げる。サオで釣り上げると、途中でハリが外れて仕掛けが飛んでくる恐れがある。また、40cm前後の良型の場合はタモを使ってすくったほうが無難だろう。
釣れない時の対処法
最後に釣れないときの対処法を紹介する。
オモリの色をかえる
アタリがないときは、オモリの色をかえる。ポピュラーな色はオレンジだが、グリーンやピンクを使う人もいる。市販のタイラバ(タイカブラ)も効果があり、これにエビを付けた〝エビラバ〟も実績が高い。
仕掛けを交互に
これでもアタリがない時は、テンヤ、タイラバ、エビラバを交互にやってみる。魚に見切られない工夫が必要で、誘い方にも変化をつけてみよう。底をたたく間隔を長くしたり、小刻みにたたいたりする。さらに、巻きスピードをかえるなどいろいろ。
余裕があれば、仕掛け交換のタイムロスを最小限にとどめるため、スピニングリールを付けたタックルも用意しておきたい。
上級者のモノマネ
上級者になれば軽いオモリに1本バリの「ひとつテンヤ」に臨む人もいる。仕掛けが軽い分、より自然な誘いができるうえ、魚がエサを吸い込みやすい。ただし、オモリが軽く、ほかの釣り客とオマツリしやすいので、釣り人が少ない時にテストしてみよう。
20cm以下はリリース
最後に稚魚のリリースについて。マダイは「20cm以下はリリース」と呼びかけている地域も多い。どの魚にも言えることだが、ハリ掛かりカリした若魚は、そっとハリを外してリリースしてほしい。
【2021関門海峡】テンヤマダイのキホン エサ付けから取り込みまで - TSURINEWS |
<松田正記/TSURINEWSライター>
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