釣り人が気になる【ブリとワラサの境界線】 遊漁船によって判断それぞれ
2022年02月10日 11:00
抜粋
ブリとワラサの境界線はどこなのか?業界や地域によりその定義は様々です。今回は著者がホームとする上越地方の状況を調査してみました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)


様々な呼び名を持つブリ
ブリが出世魚であることは釣りを嗜む者ならばもちろんご存知だろう。成長するにつれて呼び名が変わる。出世魚だけにサラリーマンに例えるなら、関東の場合、新入社員が『ワカシ』、若手バリバリ社員が『イナダ』、中間管理職が『ワラサ』、出世を極めた役員クラスが『ブリ』といったところだろうか。
地域が変わるとハマチ、メジロ、フクラギ、ガンド、ヤズなどいろんな呼び名もありかなりややこしい。
大きさによって名前がかわるブリ(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)ブリは釣り人の憧れ
最大魚であるブリは、イナダやワラサクラスに比べて個体数が圧倒的に少なく希少性が高い。しかも、大型の青物ゆえにヒット後の引きも強烈だ。もちろん脂の乗り切ったブリの食味は誰でも想像できるほど極上なので、釣り人ならば一度は釣り上げてみたいターゲットのひとつであろう。
ブリかブリじゃないか問題
出世魚ブリは関東では、前述のように若い順にワカシ→イナダ→ワラサ→ブリだが、ワラサとブリの境界線はかなり曖昧だ。イナダとワラサの境界も曖昧で最近はどちらともいえそうなサイズ感の個体を『イナワラ』と呼ぶケースもある。
まあ、イナダかワラサかに固執する釣り人はそう多くはいないと思うが、これが『ブリ』か『ワラサ』かとなると、話は別で超重大案件となる。なにしろ『ブリ』は釣り人憧れのトロフィーフィッシュであるのに対して、『ワラサ』は『ブリ』と比べてしまえば、その他大勢のしがない中間管理職に過ぎない。釣り人としての誇らしさは天と地ほど違ってしまう。
『ブリ』か『ワラサ』か、これがほんのちょっとの差で変わってしまうのだから、言葉の魔力は恐ろしい。
筆者の釣友は、同じ青物でも出世魚ではないヒラマサはサイズに関係なく堂々と『ヒラマサ』と言えるのがいいという。出世魚ブリの場合は「ブリを釣った」とうそぶくにはそれなりのサイズ感が必要になる。たしかにその通りだ。だが、『ブリ』には『ブリ』ならではの達成感があるともいえよう。
ブリかブリでないかは大問題(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)ブリとワラサの境界線調査
さて、こうなると『ブリ』と『ワラサ』の境界線が重要になる。
『ブリ』と『ワラサ』の境界線は地域や業界によっても異なる。今回は筆者のホームでもある上越地方の遊漁船業界の状況について調べてみた。調査方法としては、上越地方の遊漁船11船がブログなどで公表している釣果情報から、各船がどのサイズまでを『ワラサ』と表現し、どのサイズから『ブリ』と称しているかの境界線をリサーチしてみた。
結果発表
『ブリ』か『ワラサ』かの判断基準は個体の体長か重量かあるいはその両方かということになると思う。一般的には長さを基準とし体長80cm以上の個体をブリと呼ぶケースが多いかと思うが、上越の遊漁船11船では原則的に体長ではなく重量を判断基準にしているようだ。興味深いのは同じ上越地方であっても遊漁船ごとに判断基準にバラつきがあること。
全11船中の調査結果は以下の通り。
7kg以上を『ブリ』としているのが6船。
8kg以上を『ブリ』としているのが4船。
10kg以上を『ブリ』としている鼻息の荒い船が1船。
結果「7kg以上でブリ」と判断している遊漁船が過半数で最多でした。
上越エリアの海(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)氷見寒ブリは6kg以上
ちなみ遊漁船業界ではなく水産業界の例になりますが、北陸でブランディングされている『氷見の寒ブリ』は6kgから『ブリ』と呼ぶそうです。
また、出世魚と言われている『ブリ』ですが、実は標準和名では出世段階に関係なく、ワカシもイナダもワラサもすべて『ブリ』に一本化されています。そういう意味ではどんなサイズの個体でも『ブリ』と言っても間違いではでないのです。ですので、スーパーなどで、ワラサの切り身が『ブリ』として販売されていても、コンプライアンス的にも問題はありません。
かつて筆者はとある居酒屋で格安のブリカマの塩焼きを注文したところ、出てきたのがイナダクラスの小さなカマだったので面を喰らったことがあるのですが、標準和名的には詐欺などではなく合法ということになりますね(笑)。
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<宮崎逝之介/TSURINEWSライター>
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