ゲームフィッシングにおける【優しくリリースする方法】を具体的に解説
2022年07月12日 11:30
抜粋
食用を考えないゲームフィッシングでは、釣れた魚は優しくリリースするのが釣り人と自然の約束です。今回はライトゲームで釣れる魚に対する礼を弁えたリリースの方法を考えてみましょう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ライトゲーム編
まずはライトゲームの一般的な対象魚です。二大魚種アジ・メバルについて。
アジのリリース作法
ご存知のようにアジは特にナイーブな魚です。30cmあっても200gの体重がない、非常に身の軽い魚なので(ということもないかもしれませんが)、雑にリリースすると即殺生。本当にその場でプカーと浮いてきてしまいます。
サバも一緒に考えましょう。同じような魚種ですが、サバは暴れてくれる分、こちらのリリースも雑になりがち。ハリが外れて陸で暴れて段差から落ちて、脳天をぶつけて半死。リリースするとプカーと浮いてしまう場面を、誰もが一度は見ているのではないでしょうか。
アジ、サバは水面に近い位置でそっとリリースしてあげてください。釣ったら写真撮影の時間も1分以内です。そうしてあげれば、場の条件的にたとえば5mの高さしかないところでも、ちょっと岸際から手を伸ばして落としてやれば元気に帰っていきます。
メバルのリリース作法
根魚のメバルについても同様です。リリースは水面に近い位置で優しくが原則。
ただメバルは多少スタミナがあるので、陸に上げていても3分くらいは仮死状態にはなりません。冬ならば10分くらい生きることもあります。たとえばワンポイントで釣れ倒す時合いが10分しかないならば、釣った魚はお茶なんかで濡らした地面に直置きか、あれば活かしバケツに溜めておいてやれば大丈夫。あとからタモに入れてゆっくりと海面に帰してやれば、蘇生します。
後述しますが、ぼちゃんとその場に帰すやり方はスレを招くこともあり、また重みのある抱卵個体はその方が死にやすいので、メバルのリリースは本当はもっとナイーブなのです。
大型魚編
ライトゲームをしていてしばしばかかるのが、シーバスやチヌや、ゲストのボラです。シーバスやチヌを狙いで釣るときには、フィネスでやる分、じっくりと水中で体力を削ってからランディングするので、必ず蘇生させて帰してやる必要があります。
ネットに入れて帰す
2m以上の高さのあるところからは、シーバス・チヌは、雑なぼっちゃん帰しは絶対にダメです。大型になると自分の重みをもろに受けて、角度によっては即死します。必ずタモに入れてリリースしてやってください。
また、最後の最後まで魚をいたわるという意味では、シーバスならば指を使ってハンドリリース(?)するのもいいでしょう。水面に近い位置で、口を掴んで魚を水に浸けてやり、尾とエラが動き出したらそっと帰してやるのです。
私も何度かシーバスをそうしてリリースしていますが、魚がどう思うかは別にして(まあ嫌でしょうが)、なんとなくハンドリリースするあの短い時間には、双方のあいだに優しい気持ちが流れるような気がします。シーバスの表情が見えるような感じすらするのです。
タモは取り込みだけに使うのではない
大型がきたときのためのタモは、取り込みのためだけに使うのではありません。リリースのためにも使用するのです。私は2年前からチヌをライトゲームの延長で釣るようになってそれを痛感しました。雑なリリースをすると、必ずスレるのです。もちろん労わりという意味でもそうですが、場荒れを防ぐためにも、魚には元気に帰ってもらわないと困ります。
雑なリリースはスレにも繋がる
最後にリリースとスレの話です。
スレるから、釣ったところに魚を帰すなとはよく言われることです。その通りです。少し離れたところにリリースしてやらないとすぐにスレます。メバルはその典型で、1匹帰すとピタッとアタリが止まります。入れ食い状態のときでもプレッシャーがかかります。
魚を労わる意味でも、長く釣るためにも、リリースの作法は覚えるべきことなのです。
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<井上海生/TSURINEWSライター>
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