気づかぬうちに犯罪者に・・・釣りやBBQで海に出かける人は「レジャー密漁」について知っておこう

みなさんは「レジャー密漁」という言葉をご存知ですか。

これは海に出かけた人がレジャーの延長で海辺の生物を捕る行為を指し、刑罰や罰金が科せられることもあります。

また、毎年夏になるとレジャー客の増加に伴い検挙される人数も増える傾向があるようです。

この記事では無自覚に行われがちなレジャー密漁について詳しくお伝えします。

釣りやBBQで海に出かける予定のある方は必ずチェックしてください。

2018年（平成30年）、密漁問題が深刻化したことを受け、漁業法が改正されました。

漁業法においては組織ぐるみで悪意を持って行われる採捕はもちろん、一般人の個人消費を目的とした採捕も密漁とみなされます。

実際、海に行き軽い気持ちで貝やワカメを採ったことで検挙され、密漁者とみなされたケースも多数存在します。

さらに前述の改正により密漁に対する罰則は以前よりも大幅に強化されました。

しかしこのような法律や罰則の強化についてはまだ一般に認知されておらず、気づかぬうちに密漁に手を染めてしまう人が後を絶たないようです。

レジャー密漁というのは、釣りやBBQなどの目的で海に行き、遊びの延長で生物を採捕する行為を指します。

磯でナマコを見つけて拾う、海辺で拾ったサザエをBBQの食材にするなど、海遊びのシーンで起こりうるケースもレジャー密漁にあたります。

検挙されても「知らなかった」「遊び感覚で拾っただけ」といった理由は一切通用しません。

神戸海上保安部の令和2年の発表によると、密漁者の検挙人数は夏が一番多く、その内容の多くが無自覚のレジャー密漁だったとのことです。

では具体的に何を捕ったら密漁として検挙されるのか、詳しく見ていきましょう。

まず絶対に獲ってはいけないのがアワビ、ナマコ、シラスウナギ（＝ウナギの稚魚）の3種です。

高額で買い取られることから密漁の対象にされやすいこれらの生物は2018年の法改正によって捕ること自体が禁止になりました。

違反した場合、3年以下の懲役または3,000万円以下の罰金が科されます。

3,000万円というのは個人に対する罰金の最高額であることから、非常に重い犯罪とみなされていることが伺えます。

もし見つけた場合は絶対に捕らず、釣ってしまった場合は速やかにリリースしてください。

アワビ、ナマコ、シラスウナギ以外にも採捕が規制されている生物がいます。

一例を挙げると

・アサリ
・マダコ
・サザエ
・ハマグリ
・ワカメ
・ウニ
・コンブ
・イセエビ

などの生物が規制対象です。

沿岸域で一般人が勝手にこれらの生物を捕ると漁業権の侵害、つまり密漁とみなされ、100万円以下の罰金が科されます。

沿岸域には採捕に関するルールが書かれた看板が立てられているので、海を訪れたら必ず注意事項を確認するようにしましょう。

今回は一般人も知らず知らずのうちに犯してしまうリスクがあるレジャー密漁についてお伝えしました。

レジャー中に検挙されるとは大変な惨事に思えますが、たとえ無自覚であったとしても密漁は許されない犯罪です。

これから海に行く機会が増える夏、釣りやBBQなど楽しいイベントを計画している人は必ず国や現地のルールを確認するようにしましょう。