各地にある【火や光を使ったアユの伝統漁法】 光でパニックにさせる?
2022年07月16日 17:00
抜粋
淡水魚の中でも最も人気のある魚「アユ」。孵化しから様々な漁法で漁獲されてきましたが、そのいくつかには「光を使う」という共通点があります。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)


アユの伝統漁「夜網漁」
岐阜県を流れる濃尾三川のひとつ・長良川。ここで先月17日、アユを捕るための伝統漁法「夜網漁」が実施されました。
長良川(提供:PhotoAC)夜網漁は、光で川面を照らしながら船の櫂で船べりをたたいて音を出し、魚を網に追い込むというものです。眠っていたアユを音や光で脅かし、日が落ちてから川底に張った網で捕らえていきます。
多い年は一晩で約2000匹も獲れることもある効率の良い漁だそうです。夜網漁は10月まで月に1、2回ほど実施されます。(『眠る魚を驚かせ追い込む「夜網漁」光と音の伝統漁 岐阜・美濃市』岐阜新聞 2022.6.20)
各地にある「光を使う」アユ漁
この夜網漁はその漁法からしても非常にユニークなものに思えますが、実は同様の漁は日本各地に存在しています。
中でも最も有名なのが、高知県の四万十川や仁淀川で行われる「火振り漁」でしょう。この漁でも暗くなってから川底に網を張り、照明ランプの明かりと、竹竿で水面を叩いて出す音でアユを脅して網に追い込みます。昔は松明で水面を照らしていたので火振り漁と呼ばれていますが、行われることは夜網漁とほぼ同じです。
鵜飼漁(提供:PhotoAC)また、あの有名な「鵜飼漁」にも光は欠かせないものです。鵜飼漁では船べりに火を焚き、その光でアユを脅かして泳ぎ回らせるとともに、光がアユに反射するために鵜が見つけやすくなるのです。
なぜ光で捕まえる?
しかし一体なぜ、アユにはこれほどに光を使った漁が存在するのでしょうか。
まず、我が国においてアユが古くから人気の高い食材であり、大きい需要があったために、効率的に漁獲するための様々な漁法が開発されてきた、ということがあるでしょう。
天然アユ(提供:PhotoAC)加えて成長したアユは石にへばりついた苔を食べるため、他のアユのように釣りや罠で漁獲することが難しく、また川の中には大きな網も入れにくいために、必然的に特殊な漁法を生み出す必要がありました。
さらにアユは警戒心がとても強いという特徴があり、光や音ですぐにパニックになる魚です。その習性を逆手に取って、このようなユニークな漁が生み出され、各地に伝えられてきたのではないかと思われます。
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<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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