堤防サビキ釣りの定番魚「サッパ」と「コノシロ」の違いと見分け方
2022年07月22日 11:00
抜粋
かなりの頻度で間違われるサッパとコノシロ。見た目がかなり似ているので違いについて調べてみました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
サッパとコノシロは似ている
サッパとコノシロの2種類の見た目は非常に似ており、サカナに興味のない人はもちろん、釣り初心者などはよく間違えてしまうサカナです。
両者の共通特の特徴としては
・体型が似ている(体高とは魚を横から見た時のお腹から背中までの長さ)
・体色が似ている
・エラ蓋の付近に黒い斑点がある
という点だと思います。
では学術的な違いを見ていきましょう。
サッパの生態
ではまずはサッパというサカナについて。サッパはニシン目ニシン科サッパ属のサカナです。
成魚は全長20cmくらいのサカナで、日本の本州以南の沿岸域、特に河口付近の砂泥底に生息しています。身体は扁平型で体色は銀色、エラ蓋の上部付近に黒い斑点があります。
サッパは大規模な回遊は行わず、一生を通して生息域を大きく変えることはありません。食性はプランクトン食で、水ごとプランクトンを吸いこみ、鰓にある鰓耙問う部分で濾しとって食べます。
「サッパ」という名前の由来は、似ているサカナのコノシロよりも味が「さっぱり」していることから、「サッパリ→サッパ」となったと言われています。
また、地方によって呼び名が変わり、有名な名前でいうと岡山県では「ママカリ」と呼ばれています。しかし、意外に食用とする地域は少なく、素干しなどの原料になってるようです。
コノシロの生態
コノシロはニシン目ニシン科コノシロ属のサカナです。
サッパと同じニシン目ニシン科ではありますが、近縁とまでは言えない関係ではあります。
成魚は全長25cmほどで、サッパと同じように体は木の葉のように左右に平たく、背中側に小さな黒い斑点が点線状にたくさん並びます。エラ蓋のすぐ近くに大きな黒い斑点が1つありますが、コノシロの場合はこの斑点がエラ蓋の中部付近にあり、サッパとは位置が若干異なります。
生息域に関してはサッパとほとんど同じで、大きな回遊はせず、有機物の多い内湾でのプランクトンを食べます。
また、コノシロは意外にも出世魚でシンコ→コハダ→ナカズミ→コノシロと名を変えていきます。東京ではコハダが寿司ネタとして有名ですが、好んで食べられる地域と食べない地域に分かれるようです。
区別する方法
生息域も被っているので、釣りの際には両方釣れてしまう可能性もあります。その場合の両者を区別する方法をまとめていきましょう。
似てはいるものの、基本的には見た目で判断することは意外と簡単です。
(1)大きな黒い斑点の位置
コノシロはエラ蓋の中間に、サッパは上部付近にあります。
(2)線上に並ぶ黒い斑点
黒い点線が並ぶのはコノシロだけです。
(3)背びれが糸状に長く伸びる
背びれが糸状に伸びるのはコノシロだけです。
以上が両者を簡単に見分けられる特徴です。見た目の大きな特徴でいえば、背びれは一目瞭然ですね。
サビキでよく釣れるサッパとコノシロ
両社とも堤防からのサビキ釣りでよく釣れるサカナですので、これからのレジャーシーズン、ファミリーフィッシングでも出会えることでしょう。
しかし、詳しく知らないと間違えやすいサカナでもあります。
両者の違いを知っていると、いろいろな場面で自慢できる知識になるかもしれませんよ。
<近藤 俊/サカナ研究所>
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