ハゼのおすすめレシピ10選 美味しい食べ方と下処理方法を紹介
2022年08月09日 16:05
抜粋
釣魚として馴染みの深いハゼ。食においても昔から日本人に愛されてきた美味しい魚で、天ぷらだねをはじめ、様々な方法で食されてきました。今回はそんなハゼのおすすめレシピを紹介。ハゼの美味しい食べ方と、下処理などの調理方法を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
ハゼを料理する際のポイント
マハゼは淡白で上品な味わいが特徴の白身魚です。一生を一年サイクルで終える魚で、冬~春に生まれた新子が夏頃に5~8cmほどの食べられるサイズに成長。翌年の冬に産卵して一生を終えるまで大きいものは20cmほどまで成長します。
そんな一年魚のハゼはサイズによって、身の厚さや骨の硬さなどが大きく変わってくるので、サイズに合わせた調理を行うのが美味しく食べるコツです。
小さいハゼの食べ方
初夏~初秋頃の12cmくらいまでのハゼは骨も柔らかいので、揚げ物や甘露煮等にすれば、内臓と鱗だけ取るだけで丸ごと食べることが可能です。
大きいハゼの食べ方
晩秋以降の大きくなったハゼは、骨なども硬くなってきますが、身に厚みが出て食べごたえも出てくるので刺身などに向きます。また、揚げ物もフワッとした身の食感を味わえるようになります。一般的な旬の時期も身に脂が乗りだす秋から冬です。
真子(卵)や白子も美味しい
冬の産卵期のお腹にある真子や白子も美味しく食べられます。特に真子は江戸前で珍重されてきた食材で、買うとなるとなかなかの高級品。煮付けや、塩辛は絶品です。
ハゼの下処理と捌き方
基本的なハゼの下処理方法を紹介します。
1.ぬめりを取るため水道水か3%の食塩水(1Lの水に塩を30g入れ、溶け残りのないように泡だて器でよくまぜる)で洗ったあと、ウロコを取ります。小さいハゼであればみかんネットや目の粗い水切りネットに入れて塩もみ洗いし、ぬめりと鱗を同時に取る方法もあります。
2.内臓を取ったあと、大きいハゼは天ぷら、唐揚げ等なら腹開きか背開きにし中骨を取ります。刺身は三枚おろしにしましょう。12cm以下の小さいハゼは、捌かずにまるごと使ってもOKです。
3.臭み等を取るため再度キレイな3%の食塩水で洗い、ザルにあげて水を切ります。
4.キッチンペーパーに重ならないように並べ、表裏の水分をよく拭きましょう。
これで下処理が完了。続いて調理に入りましょう。それではハゼのおすすめレシピを紹介していきます。
ハゼの刺身
ほんのりと甘味がある上品な白身で、刺身でも美味しい魚です。晩秋以降の身に厚みが出てきたハゼが刺身に向きます。
ハゼの刺身の作り方
1.三枚におろし、皮を引く。
2.皿に大根や大葉などのツマを置き、盛り付けて完成。
寄生虫について
汽水域で取れたハゼには、有害異形吸虫と呼ばれる寄生虫が内臓に潜んでいる可能性があります。この寄生虫は少数摂取では症状が出ないことが多いですが、大量に摂取すると下痢や腹痛の症状が現れるケースもあります。加熱すれば問題ありませんが、生食の場合は注意が必要になります。
予防策としては海で取れたハゼほどリスクが低くなるほか、有害異形吸虫は通常は腸管に寄生しているので、捌くときに内臓を傷つけないこと、内臓を取り出したまな板をしっかり洗う、身を塩水で洗う処理を省かないといったことで摂取するリスクを下げることができます。
ハゼの唐揚げ
ハゼの定番レシピといえば唐揚げ。小さいものであれば頭から丸ごと食べることができます。大きいハゼを使う場合は背開きにして中骨を取るといいでしょう。
唐揚げの材料
・下処理したハゼ(中骨なら骨せんべいになる)
・揚げ油
唐揚げ粉の材料
・片栗粉(薄力粉でも可)
・塩
・青のり
・黒コショウ
・カレー粉
・こんぶ茶
唐揚げの作り方
1.ハゼを重ならないように広げ、粉を軽くふるう。ひっくり返して裏面にも粉をふる。
2.油を鍋に入れ、180度に熱する(油の表面から鍋の口まで3cm以上あると油ハネ対策にいい)。
3.くっつかないように1を入れる(20cmの鍋なら10尾ほど)。
4.ジャジャーッという大きな音が、プチュプチュという音になったら脂から上げる(背ビレや尾びれがキツネ色になったくらいが目安)。
ハゼのマリネ(南蛮漬け)
暑い季節に食べやすくお勧めなのがマリネ。ブイヨンの旨みと、爽やかな酸味が美味しく野菜も取ることが出来ます。いろどりにパプリカを入れたり、ブイヨンに相性抜群のスライスセロリを加えても美味しいです。
ハゼのマリネ(南蛮漬け)の材料
・揚げたハゼ
・玉ネギ(淡路島産むらさき玉ねぎがお勧め)
・セロリ(スライス)
・パプリカ(スライス)
・レモン(輪切り)
・万能ネギ(小口切り)
マリネ液の材料
・水800mml
・ブイヨン1~1.5個(好みで2個)
・酢大さじ4
・鷹の爪(唐辛子、一味)、ブラックペッパー少々
マリネの作り方
1.玉ネギをスライサーで切る(手で切る場合はなるべく薄くなるようにする)
2.水で3回洗って、水を切る。※急ぐ場合。よく洗い水を切り、氷水に浸けておく。
3.マリネ液を作る。水に固形ブイヨンを入れ、中火で加熱しながら溶かす(熱くしすぎないように)。溶けたら、火を止めて、酢を大さじ4入れてまぜる。
※鷹の爪やブラックペッパーを少々(辛いのが苦手な人はなしでOK)
4.マリネ液を大きめの入れ物にいれ、スライスした野菜をまぜておく。
5.「から揚げ」の作り方同様に揚げたハゼの油を切り、4に入れる。
6.軽くまぜ、レモンを何枚か乗せて、冷蔵庫で1時間置く(あっさりは30分)。冷やした皿に盛り付け、小口切りの万能ネギを散らして完成。
簡単な作り方
マリネ液を作るのがめんどうな場合は簡単に作る方法もあります。
1.野菜をレンジで1分。
2.揚げたハゼを皿に乗せ、ポン酢を少量かけてレモンを絞る。ブラックペッパーをふって、完成。
ハゼに旨みがあるので、これだけでも十分美味しいです。
ハゼのかき揚げ
かき揚げは玉ネギとゴボウがパリパリ、ハゼはほくほくした口どけで、食材のハーモニーを楽しめます。出がらしの煎茶をひとつまみ入れるだけで、いつもとは違う風味が味わえるのでお試しあれ。
かき揚げの材料
・下処理したハゼ
・ごぼう(ささがき)
・玉ねぎ(スライス)
・煎茶(出がらしでいい)
衣の材料
・冷水300mm
・卵黄1個
・小麦粉または、てんぷら粉
かき揚げの作り方
1.下処理したハゼの水分をよく拭き取っておき、野菜は刻んでおく。
2.冷水に卵黄を入れ、よくまぜる。
3.2に同じ量の粉を3~4回に分けながらふるい入れてまぜ合わせる(泡立てないようにする)。泡立て器を持ち上げたときにボタッと落ちるくらいのとろみ具合が目安。
4.お玉に具をのせ、煎茶をひとつまみふりかける。3をスプーンで3~4回まわしかける。
5.4を180度(温度の低下に注意)の油にそっと押し出す。鍋を泳ぐように、1回に1つ。バチバチ音が静かになったくらいで上げ、油をきって完成。
ハゼの塩焼き
シンプルな塩焼きもハゼ本来の上品な白身を楽しめる料理。サイズが大きいハゼほど脂も乗ってくるのでおすすめです。美味しく調理するコツは、塩を振ってから冷蔵庫で少し置き、水分を抜いてから焼くこと。水分を抜くことで淡白な身に旨味が増します。
塩焼きの材料
・下処理したハゼ
・塩 適量
塩焼きの作り方
1.内臓とウロコを取ったハゼに軽く塩を振り、冷蔵庫の中で約10~20分ほど置く。
2.ハゼから出てきた水分を拭き取ったら、グリル(5分ほど予熱する)やフライパンなどで皮目に焦げ目がつくまで焼く。
ハゼの干物
塩焼きよりもしっかりとした旨味を味わえるのがハゼの干物。小型でも大型で作っても美味しく、冷凍しておけば1ヶ月以上の長期保存も可能なので、大量に釣れたときのレシピとしても優秀です。
干物の材料
・下処理したハゼ 20匹ほど
・水 200cc
・酒 200cc
・塩 適量
干物の作り方
1.水と酒に塩を溶かし、海水程度(4%)の濃さの塩水を作る。
2.1時間程度塩水にハゼを漬け込む。
3.干し網や冷蔵庫で半日ほど乾かす。
4.食べるときはグリルなどで焦げ目が付くように焼く。冷凍する際は空気に触れないように密閉して保存。
ハゼの柳川鍋
ドジョウで有名な柳川鍋ですが、ハゼで作っても美味しいです。ゴボウから旨みや香り、甘みがでるので調味料は必要ありません。
柳川鍋の材料
・下処理したハゼ
・ゴボウ(ささがき)
・溶き卵
・三つ葉、刻みネギ
・山椒
昆布ダシ
・水1L
・昆布15cm角
柳川鍋の作り方
1.水に昆布を1晩浸けておく。※水に昆布を入れ、コトコトと昆布がおどりだしたら火を止め取り出す(塩味が足りないようなら少し塩を加える)。
2.平鍋や陶板、フライパンにハゼを並べ、ゴボウを盛る。
3.2に1をハゼが少しひたるくらいに入れ、ふたをして中火で3分。
4.ゴボウがしんなりして火が通ったことを確認したら、溶き卵(20cm鍋に1つ、フライパンには2~3個)を全体にまわしかけ、ふたをして10秒で火を止め、三つ葉を飾る。
5.取り分け、山椒をふりかけて食べる。
ハゼの甘露煮
ハゼがたくさん釣れたら日持ちしやすい甘露煮もおすすめ。使用する塩分や糖分の量にもよりますが、あまり濃いめに作らなくても冷蔵庫にて10日程度はもちます。
甘露煮の材料
・下処理したハゼ
<タレA>
・緑茶 500ml(水でも可)
・かつおだし 小さじ1
・酢 大さじ1
<タレB>
・酒 50ml
・醤油 25ml<
・みりん 大さじ3
・砂糖 大さじ3
甘露煮の作り方
1.ハゼ(10cm程度の小型のハゼ50匹ほど)の内臓、ウロコを取り、グリル中火で5分焼く。
2.ラップをせずにバットなどに並べ、冷蔵庫で一晩乾燥させる。
3.鍋にタレAとハゼを入れ、蓋せず弱火で30分煮る。タレAに使う材料は、水よりも緑茶のほうが、身のやわらかさ、深みのある風味が増すのでおすすめ。
4.水分が飛んだら、タレBを入れ、落し蓋をして弱火で30分。
ハゼの煮付けと煮こごり
煮付けは小型のハゼが数釣れた時に、簡単に作れるレシピ。ハゼにはコラーゲンが多いので、煮汁を冷ますことで煮こごりも作ることができます。
煮付けと煮こごりの材料
・下処理したハゼ 10~20匹
・水 400cc
・醤油 大さじ3
・酒 大さじ3
・お好みで煮付け、煮こごり用の野菜、臭み消しの梅干し、ネギなど
煮付けと煮こごりの作り方
1.ウロコと内臓を取ったハゼ(素焼きしておくと香ばしさが出る)と、好みの野菜、水、醤油、酒を鍋に入れる。
2.煮こごり用の野菜は別の鍋で下茹でしておく。市販の冷凍野菜などを使うと簡単。
3.ハゼを弱火で15~20分ほど煮込む。煮込むと煮汁が徐々に減ってくるので、鍋を動かして魚に回しかけながら焦げ付かないようにする。これで煮付けは完成。
4.煮こごりを作る場合、煮汁と下茹でした野菜を別の容器に入れて冷ましたら、冷蔵庫で冷やす。半日~1日ほど冷やせばゼリー状に固まるので完成。あまり日持ちはしないので早めに食べよう。
ハゼのオイル煮(アヒージョ)
オイル煮も密閉しておけば1~2週間程度は美味しく食べられるので、多く釣れた小型ハゼの保存にもおすすめのレシピです。そのまま食べるだけでなくバケットに載せたり、グラタンやパスタに使うなどしても美味しいので、アレンジもしやすいレシピ。
また、同様の調理法にて、専用鍋で野菜(ジャガイモ、アスパラ、ブロッコリー等)と一緒に煮込めば、アヒージョになります。
オイル煮のレシピ
・下処理したハゼ 40匹ほど
・オリーブオイル ハゼが漬かるl程度
・にんにく 2片
・塩 小さじ1
・お好みで鷹の爪やローリエなど
オイル煮の作り方
1.下処理したハゼをフライパンに並べる。
2.オリーブオイルをひたひたになるまで注ぐ。
3.ニンニク片、塩小さじ1を入れて20分程度弱火で煮込む。大きい個体は骨が硬いのでさらに長時間煮込むなど調整。
4.冷めたら瓶などの密閉容器に入れて保存する。瓶に汚れや、水分があると腐りやすいので注意。
<週刊つりニュース関東版 編集部/TSURINEWS編>
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