世界初!沖縄の大学院大学が商業化可能なイカの養殖システムの開発に成功
2022年08月09日 18:00
抜粋
世界初!沖縄の大学院大学が商業化可能なイカの養殖システムの開発に成功
8月2日(火)、沖縄科学技術大学院大学は公式サイトで商業化が可能なイカの養殖システムの開発に成功したと発表しました。
イカの養殖自体はこれまでも存在していましたが、ライフサイクルが完結するまで飼育するのはイカの性質とコストの都合上難しいとされてきました。
しかし、今回開発されたシステムはこれらの課題をクリアした画期的なものだということです。
一体どのような方法なのか詳しく見ていきたいと思います。
イカの養殖は難しい
イカは古くから日本人に親しまれてきた食材です。
しかし、スルメイカをはじめとするイカ類の個体数は1980年代から減少の一途を辿っており、価格も年々高騰しています。
そのため、イカを養殖し供給を安定させようと長年研究が続けられてきました。
しかしイカは
・攻撃的な行動を取ること
・水流に対して敏感であること
・餌の好みが複雑なこと(活き餌しか食べない)
・繁殖方法が特殊なこと
などの理由により他の魚介類よりも養殖が難しく、エサのコストもかかることから、孵化から繁殖まで飼育することは困難だとされてきました。
開発された養殖システムは?
養殖システムを開発したのは沖縄科学技術大学院大学のジョナサン・ミラー教授が率いる物理生物学ユニットの研究チームです。
研究チームはツツイカ目(=胴の細長いイカが属する分類群)の一種であるアオリイカを低コストかつ効率的に養殖するためのシステムを世界で初めて確立させました。
このシステムでは人工受精・水質や水流の維持・水槽の設計など、繁殖や飼育においてさまざまな特徴があります。
なかでも特徴的なのが餌やりのシステムです。
先ほどイカは活き餌しか食べないと説明しましたが、この養殖システムで育てるアオリイカは孵化してからすぐに死に餌が与えられるため、死に餌が問題なく食べられる個体に育ちます。
これにより餌のコストが抑えられるというわけです。
また、このシステムを利用すればアオリイカを何世代にもわたって飼育できることが実証されました。
沖縄科学技術大学院大学の公式サイトをチェック
イカの養殖システムの開発に成功
食用として人気のイカはこれまで養殖が困難でしたが、OISTの研究チームが、商業化可能なシステムを開発しました。
沖縄科学技術大学院大学 OIST養殖技術の発展は社会問題の解決に繋がる
今回は沖縄科学技術大学院大学の開発したアオリイカの養殖システムについてお伝えしました。
食用としても釣りのターゲットとしても人気の高いアオリイカは個体数の減少が深刻化しています。
今回発表されたシステムが普及すれば、食と環境の問題を一気に解決できるかもしれません。
社会に光をもたらす養殖技術の発展に今後も注目していきましょう。