2022年の夏カツオの脂乗りに異変あり 初鰹なのになぜかコッテリに?
2022年08月12日 17:00
抜粋
夏の上り鰹(初鰹)はさっぱりした味が、秋の戻り鰹は脂の乗りが魅力と言われていますが、今その「常識」に異変が起こっています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)


宮城のカツオが不漁
日本最大の生鮮カツオ産地、宮城・気仙沼港。例年夏になるとカツオの水揚げが増えるはずのこの港で今、異例の不漁が続いています。今年もいつも通り6月に水揚げがスタートしたのですが、シーズン真っ盛りの7月に入っても魚が獲れない状態が続きました。
カツオ(提供:PhotoAC)本来ならこの時期、南から回遊してくるカツオの群れが宮城沖まで北上し、主要漁場となって全国の漁船が集まり、気仙沼港で水揚げを行います。しかし今年は漁場が浜から遠く、また群れも例年より小さいようで、漁船が集まらず水揚げも伸びていないのです。
泣く宮城、笑う千葉
気仙沼では6月1日に、一本釣り船によるカツオ水揚げがスタート。序盤は例年通りの水揚げが続いたそうで、漁場の北上に伴う本格化が期待されていました。
しかし、一度は常磐沖まで北上したカツオの主漁場が、6月下旬になぜか千葉県勝浦沖まで南下してしまいました。その結果、ほとんどの漁船がそこで漁を行い、そのまま関東随一のカツオ水揚げ基地である勝浦港で水揚げをする形になったといいます。
勝浦漁港(提供:PhotoAC)結果として、勝浦やその北に位置する銚子では5月末から豊漁が続いているそうです。卸値はやや不漁であった4月末から半値ほどに値下がりし、市場は活気づいています。
対照的に、気仙沼は「カツオのまち」のアイデンティティが傷つけられる形となっており、関係者は悲鳴を上げているそうです。
漁場だけでなく「旬」も変なことに
さて、カツオは例年南方から日本沿岸に回遊し、各地で水揚げが始まります。5月から6月には千葉県沖~常磐沖まで北上し、水揚げされて関東の市場に並ぶのですが、東京ではこのカツオを(狭義の)初鰹と呼びます。
一般的に初鰹は脂が少なく、さっぱりとした「江戸っ子好みの」味とされています。しかし今季、千葉沖で獲れているカツオはなぜか、すでにしっかりと脂が乗っている状態です。
江戸時代はともかく、最近の嗜好からすれば脂が乗ったカツオのほうが人気が出るため市場では歓迎ムードのようですが、旬のイメージを尊ぶ向きからは不満の声もあるようです。
「夏のカツオはさっぱり味」は過去の話?(提供:PhotoAC)この異常な脂ののりと、上記の漁場のバラツキ、水揚げ地の変容が同時に起こっていることを考えると、これらの現象が互いに全く無関係とは思えません。
漁場の異常は黒潮大蛇行などを原因とする説もあるのですが、だとしても件の大蛇行の原因がはっきりしていない以上、この現状がいつ解消されるかも不明と言わざるをえない状況。
もしかすると、今後はこれまでのような「カツオの旬」の考え方は通用しなくなるかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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