【2022年】海の陸っぱり夜釣り入門 魅力と注意点を徹底解説
2022年08月26日 11:30
抜粋
初心者には少しハードルが高いと思われがちな夜の釣り。今回はそんな夜釣りの楽しみ方を指南しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)


光源を確保しよう
昼間の釣りとの最大の違いは、暗闇によって視覚的な情報が大幅に制限されることだ。安全面はもちろんのこと、道具の扱いにも不自由が生じるため、不慣れな人にとっては確かに厳しい一面もある。
それを解決するための手段は大きく2つ。まずは道具類だ。昼間の通常装備に加え、最低限これだけは用意しておきたいのがヘッドライト。最近はLEDが主流となり、バッテリー消費は抑えられているが、予備の電池も用意しておきたい。
オススメはCOBと呼ばれる面発光の素子を使用したもの。遠くを照らすには不向きだが、広範囲を満遍なく照らしてくれるため、手元の作業が非常にやりやすい。
ライトは目的に応じて使い分ける(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)ライト類に関しては、スポットタイプのハンディライト(懐中電灯)もあると便利だ。使用頻度は低いものの、離れた場所の状況を確認したい場面などでCOBの弱点を補ってくれる。
とはいえ、周囲や水面をむやみに照らすのはマナー違反。最近は強力なライトも多く、無神経な使用はトラブルの原因となるため注意したい。
そしてもう1つの解決策は、常夜灯のある釣り場を選ぶこと。釣り場は都市近郊の港湾部と、港町の漁港に大別される。さすがにライト類が不要になるほど明るくはないが、周囲が見えるだけでも快適性は大きく違ってくる。しかも、集魚効果まで期待できるとなれば狙わない手はない。
タックルも視認性を重視
タックルに関しては、ラインを視認性の高いものに換えておくのがオススメだ。小さなアタリを取る上でも、仕掛けやルアーの位置を知る上でも、ラインが見えるということは非常に大きなアドバンテージになる。
それ以外では、穂先の白いサオもアタリが分かりやすい。ケミホタルなどのマーカーをセットする方法もある。置きザオで狙う場合は、アタリ鈴も便利だ。小型の電池で光る電気ウキも定番のアイテム。夜釣りの機会が多いなら、使用頻度の高い小物類も視認性重視でそろえておこう。
キビレは夜釣りの好敵手(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)また、常夜灯周りではカニなどが浮いてくることも多く、長柄の磯ダモがあれば思わぬお土産が期待できる。予期せぬ大物に備える意味でも、持っていて損はない。
余談だが、夜釣りでは道具の置き場所に気を配るだけでも、快適性に大きな差が出る。散乱していると探すのに手間取るだけでなく、うっかり踏んで破損させてしまうことも多い。1カ所にまとめ、きちんと整理しておくことが大切だ。
ベイエリアは手軽さ断トツ
それでは、それぞれの釣り場の特徴とターゲットなどを紹介していこう。まずは都市近郊の港湾部、いわゆるベイエリアだ。大規模なふ頭には車を横付けできる岸壁も多く、そのほとんどに常夜灯が設置されている。場所さえ選べば十分に明るく、手軽さという点では断トツだろう。
このような岸壁は大型船が停泊するため、足元から水深の深い所が多い。潮通しがいいため魚影も濃く、釣り場としても非常に魅力的だ。
夜景も楽しめる(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)とはいえ、基本的には港湾作業が優先。中には企業の私有地も多く、立入禁止区域や火気厳禁などといった諸々の制約があることを肝に銘じておく必要がある。
その他、港湾部には釣り公園として整備された施設もある。絶対数が少なく収容人数にも制限はあるが、柵などの設備があるため安全性は高い。施設によっては利用時間に制限のある所も多いので、釣行の際は確認しておきたい。
多彩なターゲット
この時期の港湾部ではクロダイ、キビレ、セイゴ(シーバス)、マゴチ、アナゴ、アジ、タチウオなどを中心に、運が良ければキジハタなどの高級魚も期待できる。逆に、昼間よく釣れるハゼやキスなどはアタリが激減。アジは夜でも狙えるが、定番のサビキは日没とともに反応が渋くなる。
食味抜群のアジは夏の好ターゲット(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)釣り方は魚種によっても異なるが、ブッコミ釣り、ウキ釣り、ルアー釣り、などの方法が一般的だ。クロダイなどを専門に狙うなら、落とし込みやフカセ釣りといった方法が中心になる。
のんびり楽しむブッコミ釣り
この中で、初心者にオススメしたいのがブッコミ釣り。沖や足元に仕掛けを投入したら、あとはイトを張ってアタリを待つだけの簡単な釣りだ。のんびり楽しみたいならコレに限る。
ターゲットはセイゴやアナゴを中心に、場所によってはクロダイやカサゴなどが交じることもある。特定の魚を狙うのではなく、くるもの拒まずの五目釣りで楽しむのがいいだろう。
アナゴもうれしいターゲット(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)仕掛けは、オモリを付けたテンビンの先に1~2本バリの仕掛けをセットするだけ。エサはアオイソメが一般的だが、エサを変えれば多彩な魚が狙える。
ルアーもおすすめ
エサが苦手な人にはルアー釣りもオススメだ。ポイントにもよるが、シーバス、アジ、クロダイ、マゴチなど多彩な魚が期待できる。
夏のシーバスは、港湾部ではセイゴクラスが中心となる。サイズ的にはライトゲームの範疇(はんちゅう)だ。ワームで狙ってもいいが、オススメはトップゲーム。小型のポッパーやペンシルが面白い。良型を求めるなら港湾部ではなく、河川を中心に狙いたい。
セイゴはトップで狙ってみよう(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)もちろんアジも忘れてはならない。ポイントは主に常夜灯周り。時期的に小型中心だが、場所によっては15cm級も狙える。夜はサビキよりもルアーに好反応を示す。まだまだ手強いサイズだが、テクニカルなだけにゲーム性は満点だ。
また、流入河川の絡む場所ではクロダイやキビレ、マゴチなども面白い。ボトムを中心に、ジグヘッドやバイブレーションプラグで探るといいだろう。思わぬ良型も潜んでいるので、余裕のあるタックルで挑みたい。
新子タチウオも好反応
期間&地域限定だが、この夏の伊勢湾奥では新子タチウオが好調だ。最近は少しサイズアップし、指2本超も交じるようになってきた。ポイントは常夜灯周り。アグレッシブな魚なのでルアーへの反応も良く、ジグヘッドの他、小型のミノーやメタルジグなど多彩なルアーで狙うことができる。
伊勢湾沖で新子タチウオが好調(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)執筆の時点では名古屋港でも四日市港でも釣れているが、神出鬼没な魚なので掲載時まで楽しめるかどうかは保証の限りではない。伊勢湾奥の他、知多半島周辺や鳥羽、尾鷲周辺なども実績ポイント。今期の状況は未確認だが、機会があれば探してみるのもいいだろう。
漁港エリアはルール&マナー厳守
続いては漁港エリア。夏休みを利用して遠出するなら、断然オススメの釣り場だ。場所によっては常夜灯が消された真っ暗な漁港も多いが、夜釣りをする場合は必ず明かりのある場所を選ぼう。
というのも漁港によっては、釣り人が来ないよう意図的に明かりを消しているケースも多い。釣りブームの影響もあって、漁業関係者から聞こえてくるのは釣り人への苦情ばかり。特に夜間は密漁や海産物などの盗難も多く、関係者は神経をとがらせている。
静かな港町なら満点の星空も(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)その先にあるのは、全面釣り禁止という最悪の結末だ。あらぬ疑いをかけられて楽しい釣りを台なしにしないためにも、このような場所での夜釣りは避けたい。
とはいえ、明かりのある漁港なら無条件でOKという訳でもない。漁業関係者の仕事場にお邪魔するのだから、ルールやマナーの厳守は当然。むしろ、明かりをつけていてくれることに感謝するくらいの気持ちが必要だ。
いきなり面白くない話になってしまったが、これは悪意を持った一部の人間だけの問題ではない。特に初心者の場合、知らずして地雷を踏んでしまうことも少なくない。可能な限り地元とのコミュニケーションを取り、ローカルルールも確認しておくことが大切だ。
予想外の大物も狙える
それでは本題に移ろう。このエリアの最大の魅力は、とにかく狙える魚種が豊富なこと。外海に近い所では予想外の大物が釣れることも多く、夜はその傾向が強い。
常夜灯周りが狙いめとなるのは港湾部と同じ。手軽に楽しむなら、狙いはやはりアジだろう。身軽なルアーも捨てがたいが、比較的水深の浅い漁港では一本釣りも面白い。
小型の電気ウキを使用したシンプルな1本バリの仕掛けに、エサはオキアミやムシエサなど。明るい場所なら普通の棒ウキでも問題ない。少しずつウキ下を調整しながら、魚がいるタナを探り当てるのが釣果の秘訣だ。
運が良ければ夏の高級魚キジハタも(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)小型のアジが釣れたら、それをエサに泳がせ釣りも試してみたい。ターゲットはシーバスやハタ類などの他、アオリイカなども期待できる。アジの後頭部をかじられるようならイカがいる証拠。専用の仕掛けがあれば、狙ってみて損はない。
もちろん、ブッコミ釣りもオススメだ。港湾部とは違って何が釣れるか分からないので、余裕を持った太仕掛けで狙いたい。エサはムシエサでも十分だが、イカや魚の切り身などを使うと大物の期待も高まる。
危険な魚に注意
ここで注意したいのが危険な魚たち。夜の定番といえばゴンズイだが、場所によっては大型のエイやウツボなども姿を見せる。毒を持つ棘(とげ)や鋭い歯など、うかつに手を出せばタダでは済まない。
トゲに毒を持つゴンズイ(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)また、危険なのは魚だけに限らない。海水を汲んだ際、ウミケムシやクラゲなどがバケツに入ることもある。知らずに手を入れれば大参事だ。夜間は医療機関の対応も遅れがちになるため、特に慎重に行動したい。
ウミケムシはお触り厳禁(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)日差しもなくポイントも絞りやすく、さらには魚の警戒心も薄いといいこと尽くめの夜釣り。だが、昼間では考えられないような事故が起きるのもまた夜の釣りだ。
アカエイは尻尾のトゲに注意(提供:週刊つりニュース中部版 浅井達志)係留用金具に気付かず足を取られることもある。落水して流されれば、常夜灯の光はもう届かない。釣り場に着いたらまずは下見をし、危険個所や落水時のエスケープルートなどは確実に把握しておくことが大切だ。
夏休みとなるこの時期、子供連れで出かける機会も多いだろう。その際は必ずライフジャケットを着用させ、絶対に目を離さないようお願いしたい。
<週刊つりニュース中部版 浅井達志/TSURINEWS編>

















