がまかつテスター・小柳康秀 極寒の奥只見湖
2022年08月28日 11:30
抜粋

がまかつテスター・小柳康秀 極寒の奥只見湖
遂に今回で10年目を迎えた新潟の名手・小柳康秀による新潟県の秘境・奥只見湖挑戦。
9年目となった前回、ついに銀山平の浅場で爆釣を決めてみせた小柳だったが、そこにはまだ「達成感」はなかった。
「まだまだだよね。なぜここに来るかといえば、やっぱりいつかは50上の超巨べらを仕留めたいから(取材での最大魚は前回の43㎝)。だから今年こそ・・・というより、一生をかけて追いかけていきたい。そもそも、そんなに甘い釣り場ではないからね」
相変わらず奥只見湖の春は遅い・・・。
6月に入りようやく雪解けも進み、浅場にへら鮒の影が見え隠れし始めた頃、小柳の奥只見湖通いもすでにスタートしていた。
そして、狙いを定めての取材敢行は6月8日(水)。
あえてローライトとなる雨の日を狙ったのだが、迎えてくれたのは真冬のような極寒の湖だった・・・。

銀山平、50上を目の前に

関越自動車道「小出インター」を出て、銀山湖シルバーラインの長いトンネルを抜ければ・・・
今年もまた奥只見湖(銀山湖)へとやってきた。
そして今回は10年目。
我ながらしつこいなぁと感慨に耽る(苦笑)。
6月8日(水)。
釣り手はもちろん、この企画の「主」、新潟の名手、がまかつフィールドテスターの小柳康秀である。
前回は9年目にしてついにカメラの前で「爆釣」を決めてみせた小柳。
しかし、小柳も記者も、まったくもって納得はしていなかった。
それは40㎝級の「中型」の数釣りだったからだ。
「1枚でいいからデカいの獲らないとこの企画も止められないだろうし、そもそも俺は一生通うだろうしね」
そんな小柳は今年もすでに4回奥只見湖に来ているというが、うち2回は完デコ。
最近の2回は型は見たというが、いずれも40㎝以下の小型だったという。
ただ「先週来た時はかなり浅場にへらが入って来ていたから、来週ぐらいかなと」。
そして、あえて大雨の日を選んだのが8日だった・・・と言いたいのだが、仕事の関係で水曜日と日曜日しか休めない小柳にとっては「この日しかない」というタイミングだった。

しかし、4時には銀山平の湖畔に立っていた小柳は愕然としていた。
「水が減っている。今日の雨に備えて落としちゃったのかな(苦笑)。先週より30㎝くらい落ちちゃってる・・・」
「5㎝水位が落ちただけで全ての魚種の食いが止まる」とまで言われている巨大な奥只見湖。
それが30㎝ということは・・・。
「やってみなくちゃ分からない。いつもそうじゃん!? 釣れちゃえば、全てが後付けで正当化されちゃう(笑)。釣りなんてそんなもんだよ」
いつものポジティブ思考の小柳。
その笑顔に記者のほうが救われる。
ローボートに乗り、「荒沢ヒュッテ」の桟橋を離れる(ボートは前日までに要予約。日の出とともに出舟OK)。

目の前に広がる奥只見湖きっての浅場「銀山平」をしばし徘徊する小柳。
「いる。デカいぞ」
昨年爆釣した馬の背から伸びるカケアガリに、無数の黒い影。
へらだ。
記者も静かに近づく。
なんだあれは・・・。

「いるいる! 小柳さん、あれなんか確実に50はありますよ・・・!」
興奮してレンズを向けると、サッと蜘蛛の子を散らすように画角からいなくなる黒い大きな魚体。
それはコイではなく、紛れもなく腹パンの巨べらなのだ。
「間違いなくこのカケアガリを回遊してるね。問題は食うかどうか。まあいつものことだけどね(苦笑)」

冷静な小柳はなるべく音を立てないようにアンカーを沈め、エサが馬の背から伸びるカケアガリの中腹に乗るようにボートを3点で止める。
出した竿は、「がまへら 我楽」の15尺。

ウキ下は約1.5mほどとなり、下バリトントンを基準とした探り釣り。
エサは奥只見湖で実績のあるペレット入り両マッシュを、軽い「ギガリフト」9号に大きく付ける。

狙いどおり巨べらはいた。緊張のエサ打ちが始まる・・・。完敗。しかし、最後までやりきる!
竿は「がまへら 我楽」15尺。
「奥只見湖の巨べら狙いで我楽?」と思われるかもしれないが、「まったく問題ない。曲がれば曲がるほどトルクが湧き出てくる竿だから、こういったオープンスペースではむしろ我楽の特性が存分に生きてバラシが減る。ただ、もう少し長くなれば『幻将天』かな」と小柳は即答した。


(予約品) がまかつ がまへら 我楽 15.0尺 (9月上旬-10月予定) ※他商品同時注文不可
道糸は2号、ハリスは1号30-50㎝。
ハリは上下「ギガリフト」9号をチョイス。
奥只見湖でもさまざまなハリを試してきた小柳だが、「透明度が高く警戒心も強いので、デカいというより重すぎるハリが良くない感触がある。なので、『大きくて軽いハリ』ということで『ギガリフト』が現時点でのベスト」と断言。
絶対の信頼を寄せるハリとなっている。

ウキは「まこと」銀山湖スペシャル3番(パイプT20㎝ 羽根ボディ9㎝ カーボン足7.5㎝ エサ落ち目盛は全12目盛中5目盛沈め)。
エサは「フレークマッシュ」200cc、「至高の時」100cc、「グルダンゴ」100cc、水450ccで軟らかめに吸水させておき、「ペレ宙」を差し込みながら調整していく。
差し込む時に手水で揉み込んでいくので、打っている時はかなりしっとりとした絹のようなタッチになっていた。
これを両バリに大きく大胆に付け、ドップリとナジませていく。
ウキはすぐに動いた。
しかし、例年どおりハヤ。
しかし小柳は「へらが釣れない時はハヤもアタらない。これはいい傾向」と呟く。
前回もそうだったが、まずはハヤが入れパクになり、フっとウキの動きが静かになった時がへらが寄って来たサイン。
まるで管理釣り場のペレ宙のような豪快なアタリが大本命なのだ。
しかし・・・。
降ったり止んだりの冷たい雨の中、ハヤのアタリは途切れることなく延々と続いた。
ある意味、これはノーアタリより心が折れる・・・。
「銀山湖に来るとさ、へらなんて全然釣れないのに腕が痛くなっちゃうんだよ(苦)」
忙しく竿を上げ下げする小柳。
「その時」を信じてハヤを釣り続けるが、時折静かになってやってくるのは大きなコイなのだった・・・。
「すごいパワーだよな(苦笑)」
奥只見湖のパワフルな大ゴイをいとも簡単に取り込んでしまった「我楽」のパワーに呆れる小柳(笑)。

「減水はともかく、ちょっと寒すぎるよね。体感的には真冬だよな(苦笑)」
そうなのだ。
とにかく寒い。
記者などは上下ダウンはもちろん、上はライトダウンと二重で、しかも首には真冬しか出番のないネックウォーマー。
風は弱いのだが、それでも震えるほどの寒さなのだ(この日の気温は朝から終始10℃であった)。
結局、正午を過ぎてもハヤの猛攻は止まず。
ボートの上で小柳がカセットコンロで作ってくれた味噌煮込みうどんとコーヒーで人心地を取り戻した後も、やはり状況は変わらなかった。


小柳はタナはもちろん、エサ打ち点やボートポジションをこまめに変えながら食らいつく。
なんせ、巨大なへらの群れは目の前でずっとウキの周りを行ったり来たりしているのだ。
警戒心を疑い、14時には「がまへら 幻将天」18尺を出して距離を取ってみるが、変わらず・・・。
15時、小柳は決断する。
「こうなればもうヘチ狙いに賭けるしかない」と舟着き場桟橋方向に戻り、ボートを岸付けして「がまへら 兜」12尺を出したのだ。
がまへらが誇る巨べらマスター、「がまへら 兜」。
障害物周りの巨べら釣りに唯一無二の存在で、がまへらの「剛」を代表する竿となっている。

土砂降りの中、待っていたのはさらに激しいハヤの猛攻だった。
しかし、小柳は諦めない。
なんとなく薄暗くなり始めていた17時、なんと小柳は「ボートだと前に出すぎちゃってるのかも」と、そのまま釣り台を持って陸に上がり、脇でオカッパリを始めてしまったのだ。

そして・・・・・・。
「こんなのがいるんだね(笑)」
ハヤの猛攻の中、遂にやってきたのは、なんと15㎝にも満たない「ミニべら」だった。

なんと、ラストはボートを捨ててオカッパリ!
ヘチ回遊に賭けた小柳だったが、釣れてきたのは15㎝のミニべらだった。
「こんなへらもいるんだねぇ。こんなの初めてだよ(笑)。今日は完敗だね。でも、やりきったから悔いはないし、また来ればいいんだよ。そんなに甘くないさ!」
「いいさ、また来ればいい。やりきったから悔いはないよ!」















