秋の磯釣りは二刀流がオススメ 釣り方に拘らず美味魚を狙おう
2022年10月09日 06:00
抜粋
今回の記事では私がメインとして活動している上物だけではなく、秋磯を広く捉えた楽しみ方を解説していこうと思う。狙う魚はグレだけではないのだ。食欲の秋という言葉からも秋磯はおいしいターゲットがめじろ押しなのだ。よって釣って楽しむというのもあるのだが、持ち帰っておいしく食べるということも考慮して書いていきたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)


やっぱりメインは尾長グレ
暑さも和らぎ、朝晩は肌寒さも感じるこの季節。秋は磯釣り師にとってトーナメント開催や、冬の寒グレに向けたスタートを切る意味でも大切な季節だ。各メーカーからも新製品がめじろ押しで、楽しい秋磯の開幕だ。
まずは私がメインとしている上物のフカセ釣りについて解説していこうと思う。やはり狙うのは王道ともいえるグレだ。しかし、ただグレを釣って楽しいなーというワケではない。グレには口太グレと尾長グレ(オキナメジナもいるが)がいて、狙う場所や潮によって釣り方が全く違う。
尾長グレは外せない(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)個人的には同じグレでも、全く違う魚として捉えているほどだ。秋磯の大会、トーナメントで狙うのは口太グレだ。しかし夏を引きずっている秋の口太グレは寒グレほどの脂もなく、それほどおいしいとも思えない。
潜り潮の見極めがキモ
だからプライベートで釣行するなら、できるだけ尾長グレに照準を合わせて行きたい。尾長グレは尾長グレが回遊する潮通しの良い沖磯へ行かなければ釣れない。これは事前に船長に確認しておきたいポイントだ。
タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 東弘幸)尾長グレを釣る場合、私が一番見ているのが海だ。サラシの方向、潮の流れ(引かれ潮、本流)がどこでぶつかり、どっちに流れてどこに潜り潮が発生しているのか……。海を見て、まずはどこにまきエサの落ち着く潜り潮があるのかを探す。九州のような激流は三重県にはない。そして九州のように流れる潮の中で食ってくるパターンも三重県では少ない。
よって狙うのは潜り潮の発生している場所、これに尽きる。まきエサがたまる場所は当然仕掛けも落ち着く。長時間まきエサを留まらせておける場所には、魚も集まりやすいということだ。そこではさまざまな魚種が姿を見せてくれるだろう。
美味しい魚たちが続々
表層でヒットするタカベは実は旬のイサキのように脂の多い魚で、小さいからといってバカにしてはいけない。塩焼きにすると、バターのような黄金の脂がじゅわーっとあふれ出して至高の味を楽しめる。
そしてこの時期になると肝が大きくなり始め、うまさが倍増するのが本カワハギ。上物のタックルのまま市販の仕掛けを結んで、アサリを付ければ即座に釣れる。釣りまくっておすそ分けにしても喜ばれる魚だ。
秋は青物の回遊も期待できる(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)またこの時期は青物の回遊も多く、シオ(カンパチの幼魚)、ハマチやシイラもヒットしてくる。もしこれらの魚種を狙うのであれば、後述するルアーで狙った方がゲーム性があり楽しめる。仕掛けを入れていけば本命の尾長グレを狙うことができるし、さらに深く入れ込めばイサキやマダイも狙うことができる。
実は美味しいアイゴ
そのときの潮によって釣れる釣れないがハッキリしているのが尾長グレで、尾長グレの潮の時は尾長グレがヒットするし、潮が悪くなれば魚が口太グレになる。そしてさらに状況が悪くなれば、アイゴがヒットする。
不思議なものでアイゴが釣れまくってるなかで、尾長グレは全く釣れないのだ。自分はアイゴを食べないので全てリリースするのだが、和歌山では一夜干しが有名だし、実はクセがありつつもやめられない……、そんな魚なのかもしれない。食べたことがない読者はぜひチャレンジしてみてほしい。
アイゴはヒレの毒に注意しよう(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)ただヒレの先端は全て毒針なので、細心の注意を払って持ち帰りたい。できたら絞めてから、全ての毒針を釣り場で切り取ってクーラーへ入れたい。死んでも毒は抜けないので、帰宅してから魚を触った家族が刺さったりしたら大変だ。釣った魚を前処理して持ち帰ることができるのは、釣り人の特権だ。絞める、血抜きをする、ぐらいは最低押さえておきたい。
青物はルアーで狙おう
秋磯は青物の回遊も多くなる。何も沖磯に限ったことではなく、湾内にも青物は入ってくるのがこの季節だ。フィッシュイーターである魚種はベイトを追いかけて捕食するのだが、広い海の中では逃げられてしまう。よって何か相手が逃げられない場所に追い込んで捕食するのだが、それが磯であったり海面であったりする。
磯際やワンドに追い込んでベイトがワ~ッと海面に逃げる様子や鳥がそのベイトに向けて突っ込んでいる様子をナブラと言う。
ルアーにはシイラもヒットする(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)こうなればフカセ釣りよりも、ルアーの方が絶対釣れる。距離を狙いたい場合にオススメなのが、ジグと鉄板バイブレーション。青物の群れの向こうに投げて、ナブラを高速巻きで横断するイメージで釣る。間違ってもナブラのど真ん中に投げないこと。見切られるならペンシルやミノーに替える。
ヒットしたら青物特有の横走りを存分に楽しみながらファイトしよう。狙える魚種としてはヒラスズキ、シオ(カンパチの幼魚)、ハマチ、シイラ、カツオだ。特にカツオはルアーを見切るので、ヒットさせるのが難しい。
ルアーの用意も万全に
ヤル気のある青物は必ず水面下にいるので、基本的にルアーを投げて着底を待って……ということはしない。止めるアクションはアピールに有効だが、基本的には巻いてくるだけで釣れる。
群れに当たると連発が止まらないので、すぐクーラー満タンということも珍しくないのだが、血抜きをしっかりすることと傷みが早いので、すぐクーラーに入れるということを徹底して、おいしく持ち帰ることも忘れずに。食べない魚は弱る前にすぐリリースする。これは釣り人のマナーとして最低限守りたいところだ。
秋のカツオは脂ノリノリだ(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)タックルだが私の場合、本格的なルアータックルを持っていくワケではない。基本的にフカセ釣りがメインなので、予備的にエギングロッドを忍ばせている感じだ。
ただ、青物と戦うことも念頭にしているので、硬めのロッドと巻いているPEラインもエギングでは不要と思える1~1.5号だ。これで80cmぐらいまでの相手なら、時間をかければ戦える。実際尾鷲ではデカイシイラもキャッチしている。
新子アオリイカも狙えるぞ
そしてもちろん秋はアオリイカのスタートの季節でもある。2.5号のエギを使えば、新子サイズのアオリイカも狙うことができる。
春のデカイイカよりも柔らかく美味で、数を釣ることもできるのでロッドケースとタックルボックスにこれらを入れておけば、上物が厳しいときの楽しみが増えるということだ。
ニュースタイルの底物ゲームも
最後に底物のススメも書いておきたい。私の場合、普通にイシダイを狙うのではない。もちろん夏の上物の厳しい時期にウニやサザエでイシダイ&イシガキダイも狙うが、これから紹介するのはロックフィッシュをターゲットとしたエサ釣りである。
タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 東弘幸)基本的な三点式の仕掛けに巨大なアシストフック、または泳がせ用のハリを結ぶ。エサにするのは20cmほどのアジ、サバ、ムロアジ、カツオなど。1匹丸ごと付けて後は底物釣りと同じように待つ。ウツボのアタリはちょんちょんと触ってサオが舞い込まずに、ずっと引いて跳ね上がってを繰り返す。
ハタ系はちょんちょんの後で、がつーんと丸のみにするので穂先が舞い込む。アタリがあるまで待つ釣りになるのだが、意外と着底してすぐ何かしらの反応があるので楽しい釣りだ。ここぞという時に大きくアワセを入れ、その後瞬間的にゴリ巻きして上げてくる。その瞬間注意すべきは、相手のすみかで掛けている以上、すぐ根に張り着かれてしまうこと。いかに相手を根から遠ざけてやり取りできるかが、キャッチ率に直結する。
大物の引きは強烈
昨年だが、熊野のマブリカという磯でこの釣りをやったところ、大勢のルアーマンに囲まれるほどの釣果が出た。ハリの大きさを小さくすればアカハタも狙えるし、大きくすればチャイロマルハタ、オオモンハタといった魚種も狙える。
ロックフィッシュとの力勝負が魅力(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)オモリの号数についても、軽くしたり重くしたりとローテーションしながら攻めていく。パターンを変えながらやった結果、なんと同行者にクエがヒット!最初は大型のオオモンハタかと思ったが、引きが強烈でなかなか上がってこない。踏ん張っていないと海に引きずり込まれるほどのパワー勝負の後、海面に浮かんだ姿に感動したのを覚えている。
エサ&釣り方
エサの入手方法であるが、普通にスーパーで売っているやつで十分だ。生きて泳いでいないと……と思うかもしれないが、私はいつも冷凍保存のものを解凍しながら使う。イワシは身が軟らかいのでさしエサには向いていない。渡船によっては、船長が漁師仲間から仕入れてくれたりもするので、予約時に聞いてみるのもいいだろう。
まきエサは基本的にしないので、そんなに大量に準備する必要もない。だからエサ代が超格安なのだ。千円もあればおつりがくるし、1匹釣れたらペイできるので非常にコスパが良い。この釣りを経験してしまうと、もう本格的な底物釣りには戻れないかもしれない……。
エサの付け方は、アゴの下から頭の一番硬い場所へ向けてチョン掛けする感じだ。そして仕掛けをキャストする。タナの上で待つよりは海溝の割れ目で待ったり、カケアガリの一番深い所で待つようなイメージだ。
着底したらオモリが落ち着く場所まで、ラインの緩みを取りながら巻いてくる。後は穂先が舞い込むのを待つだけだ。基本置きザオだが、アタリが怪しくなってきたら、手持ちにする。ゴンときたら即アワセを入れ、ファイトするためだ。
釣った魚を生かしておくのは、ライブウエルよりもストリンガーが良い。アカハタぐらいならライブウェルで十分だが、大型のオオモンハタが釣れだすと、もう入れるスペースがない……となるからだ。
二刀流で秋を楽しもう
秋磯には魅力的な魚がたくさんいる。私の場合ルアーマンではないのでルアー単体で磯に渡ることはない。アオリイカを専門に狙うにしても、ヤエンとエギングの二刀流をこなす。やはりエサ=本物の破壊力というか、攻撃力はスゴイのだ。
マダイも良型が狙える(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)だから狙いの魚種によって上物+ルアー、底物+ルアーという感じで準備している。ロックフィッシュのエサ釣りはまだまだ未開拓の釣りだ。本格的な装備のクエ師が見たら怒るかもしれないが、釣りは自由で気ままで楽しくあるべきだと私は思う。だから「この釣りはこうしなけばならない」なんて垣根はない方が楽しい。大会やトーナメントはルールでがんじがらめな分、仲間と楽しむプライベートは限りなく自由でありたい。
今回は上物だけではなく秋磯の魅力について解説してみた。「釣って楽しい」というよりは、「食べておいしい」にだいぶ寄ってしまった感じではあるが……。多彩な魚種が狙える秋は絶好の磯釣りシーズン。まだまだコロナ渦ではあるので、十分な感染予防をして楽しみたい。
<週刊つりニュース中部版 東弘幸/TSURINEWS編>


















