冬のイカダ五目釣りでシマアジにヘダイ連発【三重】 ラストは大型ハモが登場
2023年01月08日 11:00
抜粋
今回は12月6日に三重県・南伊勢町迫間浦の澤村渡船を訪れ、小物から大物までイカダ五目でじっくり狙ってみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)


イカダ五目釣りで多彩に狙う
釣り物が少ない冬だが、温暖化の影響か水温が下がりきることがなく、イカダでもクロダイ師たちを悩ませるエサ取りが元気いっぱいだ。そんなクロダイ師に敬遠されるけれど、実は引きも味もいいターゲットを狙うイカダ五目がテーマ。春や秋が面白いこの釣りだが、実は冬だって熱い釣りなのだ。
今回同行してくれたのは。名古屋市在住のユーチューバーでもある丸山敬太さん。ルアー、エサ問わず、何でもこなす雑食性の若手アングラーだ。
ターゲット
この迫間浦で冬にかけて面白くなるのが、生きた小アジやイワシを使った泳がせ釣りだ。メインターゲットはヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュ、そして青物のワラサだ。特に青物はここ数日、イワシなどのベイトが大量に迫間浦に入り込み、大規模なナブラが発生しているらしい。
今年大発生しているヘダイ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)そして五目釣りでは、今年大発生しているヘダイ。手のひらサイズから30cm近い良型まで狙えるが、なんといっても数が出るのが魅力。時合いもクソもなく、ダンゴを打てば底がヘダイまみれか?と思うほどアタリを送ってくれるようだ。
そしてアジ。特に冬にイカダで狙えるアジは堤防で釣るより良型が狙える。よって仕掛けはハリスが少し太めのものを使いたい。具体的にはハリは7号、ハリスは1.5号程度がお勧めだ。
当日のプラン
丸山さんと事前に打ち合わせしたところ、当日のプランとして泳がせ釣りでヒラメ、青物狙い。複数本のサオを出して、数打ちゃ当たる作戦。そしてダンゴ釣りとサビキ釣りで、ヘダイとアジを狙っていく。
タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)ここで迷ったのが泳がせ釣りのエサ。まずサビキでエサに適正な大きさのアジが釣れるか、ということだ。現地で調達できれば一番いいが、釣れても大きすぎるとエサには向かない。こればかりは保証がないので、玉城インター下りてすぐのえさきち玉城店で釣り堀用の生きアジを20匹ほど購入して、現地に向かうことにした。
他に用意したものは、サビキ用のアミエビ、さしエサのオキアミ、ダンゴ釣り用のダンゴなど。
まずは泳がせ釣りから
まだ夜が明けきらぬ午前6時すぎ、桟橋を離れていざ出船。2番目に名前が呼ばれて渡ったのは、養殖イケスにつながれたイカダだ。完全に小屋になったトイレが設置してあり、そのトイレが風よけにもなる。
すぐに購入してきたアジをスカリに移し、タックルの準備に取りかかった。
丸山さんがまず用意したのは、泳がせ釣りの仕掛け。シーバスロッドと硬めのエギングロッド2本に胴つき1本バリ。ハリスは6号で1mほど取っている。いわゆる船のヒラメ仕掛けと同じだ。これをイカダの正面と、養殖イケスの際に落とし込む。あとはイトを張ってアタリを待つだけだ。
泳がせ釣りのエサの活きアジ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)「かなり深いですよ」と丸山さん。そういえば事前に水深は20mほどあると聞いていた。
次にセットしたのはサビキ仕掛け。まずはエサになる小アジを確保しようと、ハリス0.8号、ハリ5号に重め下カゴをセットし、マルキユーのアミ姫キララを詰めて落としていく。
着底後は大きくサオを振り上げてアミエビをまき、そのまま待つ。釣り方自体は堤防と全く同じだ。
想像に反してアタリなし
だが、すぐに釣れると思っていたアジの反応がない。何度打ち返しても同じ。ここで丸山さんは次に作戦へ。ダンゴを投入することにした。ダンゴの煙幕で、とにかく魚を寄せようというわけだ。
ダンゴを作る(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)握りこぶし大のダンゴを5個ほど投げ入れ、続けてアミエビを入れたサビキを投入。だが、これにもアタリがない。サビキのハリにオキアミを刺しても、コツリともしないのだ。「本当に魚がいるのか……」と不安になる展開だ。
さしエサのオキアミ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)奥の手の吹き流し
「魚が寄っていないわけではない。何らかの原因でエサを見切っているだけ」。そう判断した丸山さんが次に取り出したのは、テンビンとハリとハリスだ。
ごそごそ何かを作って完成したのは、全長1ヒロほどの吹き流し仕掛けだ。ハリスは2号、ハリはチヌバリ3号。イカダの上でも即席で作れるシンプルな仕掛けだ。船でアジやイサキを狙うときに使う仕掛けと同じで、違うのはテンビンの大きさと使うサオだけだ。
サオは複数本出す(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)この仕掛けのメリットは、さしエサをまきエサと同調させて自然に漂わせることができること。サビキや胴つきで食わない場合、絶大な威力を発揮する。
丸山さんによれば、渋いときほど長いハリスが効果を発揮するらしい。吹き流しではなく、どうしても胴つきで釣りたいのであれば、ハリスを30cmぐらいまで長くすると食いがガラッと変わるそうだ。
怒涛のヘダイヒット
早速投入すると、その効果はてきめん。使っていたグラスソリッドのトラウトロッドが一気に絞り込まれた。サオが軟らかいので、見ている方は何が掛かったのかと思うほど。上がってきたのは本命の1つ、ヘダイだ。水深があるからなのか季節が進んだからなのか、秋に見たサイズよりも大きく、20cmはありそうだ。
フルソリッドのトラウトロッド(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ここから怒涛の入れ食い。仕掛けを替えるだけでこんなに違う?と思うほどアタリが続き、次々ヘダイが上がってくる。
2本バリなのでダブルもあり、バケツにはヘダイがたまっていく。たまに交じる小型はリリースし、ある程度たまったら絞めてクーラーへどんどん入れていく。
ナブラが発生
さてここでいったん昼休憩。コンロでお湯を沸かし、カップ麺をすする。普段は普通に食べるカップ麺も、イカダの上で食べると何倍もおいしく感じてしまう。
ここで泳がせ釣りの仕掛けを上げてみると、エサのアジはいたって元気。少しずつ投点を変えながら探っていくが、フィッシュイーターからの反応はない。
サオはキーパーに掛けておく(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ここで丸山さんは、泳がせの仕掛けも変更。実は事前に澤村渡船の澤村雪美さんから、最近泳がせの人がよくアオリイカを釣ってくると聞いていた。そこでハリスを細くし、アオリイカの掛けバリを装着してウキ仕掛けにチェンジ。これを軽く潮上にキャストし、ゆっくりと流していく。
ここで礫浦方面の海上に異変が起きた。無数の鳥が飛び交い、海面へ急降下。それに呼応するかのように、派手な水しぶきが上がる。ナブラだ。
沈んだかと思えば、少し離れた場所で派手に発生。神出鬼没ながら、あちこちで沸き起こる。すかさずジグをセットしたシーバスロッドを持ち、構える丸山さん。射程距離内で沸けばジグで直撃するつもりだ。
待望の青物ヒット
だが待てども待てども近くで沸くことはない。ここで丸山さんが「ウキがない!」。見ると少し沖を流れていたウキが見当たらない。リールからは勢いよくイトが出されている。
すぐにドラグを締め、大きくアワせるとグングンと何度もたたかれた。そして縦横無尽に走り回るこのファイト……、間違いなく青物だ。しかもそこそこのサイズ。だが……さっき替えた仕掛けはアオリイカ仕様。ハリスは2号なのだ。
「やばいなぁ」と言いながら慎重にファイトする丸山さんだが、数秒後にサオ先が跳ね返ってしまった。回収するとアオリイカ用の掛けバリが完全に伸ばされていた……。
伸ばされた掛けバリ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)今回のミスはアオリイカをターゲットにしており、ハリスを細くしたことが原因だが、青物の気配があるのならハリスは太いままにしておくべきだったのだろう。アジの泳ぎが悪くなるのを考慮しても、ハリスは最低でも4号はほしいところだった。
うなだれながらハリスを6号に交換する丸山さん。だが、ここから再び沈黙の時間が続く。
素敵なゲストが登場
一方ヘダイの方は相変わらず絶好調に釣れてくる。だがアジが交じらない。後で分かったことだが、別のイカダではぼちぼちアジが釣れておりこの日、養殖イケス周りに回遊はなかったようだ。結果的に事前にアジを購入しておいて良かった~ということになった。
再びトラウトロッドに持ち替えた丸山さん、時々泳がせのサオを気にしながら打ち返し続けると、ヘダイとは違う鋭いアタリが出た。
イカダ五目でシマアジキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ギュンギュンスピード感あふれる引きを見せたのは、なんとシマアジだ。やや小ぶりだが、うれしい1匹には違いない。こんなゲストが交じるのも五目の魅力の1つといえるだろう。
また今回はさしエサがオキアミのみだったのだが、ムシエサや生きエビなどがあれば、また違った魚種を見ることができたかもしれない。
ラスト1時間でドラマが
そして時刻は午後3時。いよいよ終了が迫ってきた。ここで泳がせの方もウキは諦め、再び胴つき1本バリに戻す。残り少ないアジを取り出し、鼻掛けにして投入。五目のタックルは片付け、残り時間は泳がせ釣りで一発逆転のドラマにかけてみる。
そして30分が経過。3本投入していた泳がせの真ん中のサオに異変。アジが暴れて穂先が震えたかと思うと、ジワジワと引き込み始めた。
期待が高まるトルクフルな引き(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)丸山さんは、ヒット後のオマツリを防ぐため残り2本を回収し、アタリの出たサオを持って構える。そして大きく引き込まれたところで、大きくアワセを入れるとシーバスロッドが大きく曲がった。スピードはないが、トルクのある引きで力強く締め込む。大本命のヒラメか……。
タモを持って構えるこちらが緊張してしまうが、丸山さんはいたって冷静。かなりの重量感のようだ。これがヒラメなら、間違いなく座布団サイズだろう。
大蛇のような良型ハモ浮上
じわじわ浮かせてくると、海面下に見えたのは……、細長い!え?細長い?なんだなんだとのぞき込むとハリスをぐるぐる巻きにした大蛇のような魚体が浮上。丸山さんは、タモは使わず一気に抜き上げた。
イカダ五目でハモ浮上(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)大蛇だと思った魚の正体はなんとハモ。腹の部分の胴回りは二の腕ぐらいありそうなほど太く、鋭い歯は人の指なら簡単に食いちぎれそうなほど鋭い。かまれないように慎重にハリを外す。
ハモの鋭い歯(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)最後はハラハラドキドキ、そしてガックリという展開だったが、十分に楽しめた一日となった。
やっぱり冬でもイカダは楽しい!
ヘダイは工夫ひとつで入れ食い、素敵なゲストも交じってお土産は十分。また泳がせ釣りでは本命は出なかったものの、思わぬ巨大ハモに2人で大騒ぎ。こんな釣りが丸一日楽しめるのも、貸し切りで釣りができるイカダならではだろう。
帰りに聞くと、ヒラメは2月になれば本格化するとのこと。また青物もまだまだ湾内にとどまりそうなので、泳がせ釣りはもちろん、ルアーで狙っても面白いだろう。
冬でも楽しい迫間浦のイカダ。年末年始はぜひ家族や釣友同士で楽しんでいただきたい。なお、釣行の際は防寒対策を万全に!
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>


















