冬の投げ釣りで30cmマコガレイ獲った【大阪・岸和田沖一文字】 漫然と置き竿はダメ?
2023年01月31日 16:30
抜粋
泉南名物、冬のカレイシーズンが今年も到来。釣期も時合いも短く、釣り座選びも命運を分ける難しい釣りながら、今回構えた釣り座は意外にもマコガレイ30cmが潜んでいた幸運の釣り座だった。当日の投げ釣りの模様をリポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
泉南のカレイ釣りが好発進
泉南エリアの青物は12月中旬まで連れ続いていたが、気温と水温の低下に伴い下旬になると、青物にかわってカレイが主役の座に躍り出た。岸和田一文字、泉佐野一文字、貝塚人工島などの釣り場から続々とカレイの釣果情報が伝わってきて、今シーズンも泉南のカレイは好発進。
しかし、釣期も時合いも短く、釣り座選びも命運を分ける難しい釣りでもあり、釣果を手にするのは釣行した釣り人の中でもごく一握り。12月は泉佐野一文字に釣行したが、ベストポイントに釣り座を構えた地元常連の釣果をうらやむだけの不発に終わってしまった。
岸和田渡船のネット予約は2番船に
年明け1月の三連休、今度は岸和田一文字への釣行を決めたが、渡している岸和田渡船はインターネット事前予約制となっているのがつらいところ。青物のシーズンが終わってもカレイ狙いの多数の釣り人が受付開始時刻と同時に予約サイトに一斉にアクセスをかけ、始発便はネット操作の途中で瞬殺。私はやむなく6時発の2番船に甘んじてしまった。
岸和田一文字は、沖一文字(通称:沖の北)と旧一文字の2本の防波堤の総称で、波止全体で見ればスペースは十分にあるものの、カレイの実績がある釣り座は限られている。始発便に乗らないと実績のある釣り座には入れないとあって、モヤモヤ感を抱えての釣行となってしまった。
なお、岸和田一文字など、泉州・泉南エリアの釣り場の詳しい特徴その他の解説は、過去の投稿「大阪湾の沖波止紹介:岸和田&泉佐野一文字 都市近郊でアクセス良好」を、2021年1月の旧一文字でのカレイ釣りの模様は「投げ釣りで『マコガレイ』手中 時合いはたったの30分【岸和田一文字】」を、それぞれ参考にご覧いただきたい。
岸和田沖一文字に釣行
今シーズンの釣行日は2023年1月9日。釣果情報は早くも下り坂で、複数釣果は望み薄。1匹でも釣れたら御の字だ。忠岡漁港にある岸和田渡船の事務所で乗船手続きを済ませると、乗船場では5時の始発便の出船間際。遠目にも船上の釣り人たちの熱気が伝わってくるようだ。いい釣り座は先客のこの人たちが入るんだろうなあ……と、顔も心もつい下を向いてしまう。
船長から「始発の人は沖と旧とでほぼ半々に分かれていた。去年と違ってカレイの場所はバラけているので、釣る場所はあるよ」とアドバイスがあり、2番船は30人程の釣り人を乗せて定刻の6時に出船した。船はまず旧一文字に立ち寄るが、こちらの波止も実績のある釣り座は、始発便の先客でほぼ埋まっている。ここは腹をくくって、沖一文字(沖の北)で釣ることに決めた。
船着き場に着くと、少しでもいい釣り座を目掛けて、大半の釣り人は南方向へと歩を進めていく。私も負けじと速足で進んで行くが、案の定、視線の奥には、実績のある南端の波止の付け根一帯は先客で埋まっている光景が見えた。仕方なく、波止上に設置された小屋と南端との間ぐらいの場所に釣り座を構えることにした。
波止上にはカレイ狙いの釣り竿が林立し、壮大な眺めとなっていたが、カレイは果たしてこの沖に潜んでくれているのだろうかと、確証の持てない釣り座で不安を抱えてのスタートとなった。
タックルとエサ
岸和田渡船からは、カレイの投げ釣りは、一人あたり竿3本までの制限と、オモリは30号以上を使用するよう告知されている。私のタックルは投げ釣り用の竿にスピニングリール、ミチイト5号、チカライト5~12号、スパイクテンビン30号の組み合わせで、幹糸4号にハリス2.5号、カレイ専用バリ10号の自作の2本バリ仕掛けを用意した。
エサは食いが立っている時は青イソメだけでも釣れるが、私は少しでも釣れる可能性を高めようと、マムシ、青コガネ、青イソメを併用した。エサは海水バケツに入れて生かしておき、必要な分だけ取り分ける。ハリへのエサ付けは、上バリに青コガネ、下バリにはマムシと青イソメの両方を付けて、匂いと動きの両建てでカレイにアピールする「青マムシ」のスタイルで臨む。エサ代が高くつきコストパフォーマンスの面では全く話にならないが、結果的にこの青マムシが後に実を結ぶことになった。
漫然とした置き竿ではダメ
1投目は6時40分過ぎ。まずは60m先、30m先、波止際10m先ぐらいに遠近を投げ分け、うち2本を中心に海底の感触を確かめながら、少しずつ手前に寄せていく。これがカレイに対してはサソイになるようだ。漫然とした置き竿ではダメだ。
それを証明したのが2つ隣の釣り座の夫婦。旦那さんが「きたっ」と一声あげて、そろりと良型カレイを波止上に抜き上げた。旦那さんは奥さんにも釣らせてあげようとアドバイスしながら、自らも時折仕掛けを手前に引き寄せている。釣果をあげる釣り人は、やはり釣り方を知っている。私も自信を深めて、海底の砂地の感触を意識して仕掛けを引き寄せる釣り方を続けた。
待望のカレイ30cm登場
先の夫婦の釣果は私にも希望を与えてくれた。時合いは短いので、エサの付けかえの手間を惜しまず、3本の竿の投げ分けと仕掛けの引き寄せを繰り返す。うち1本の竿の仕掛けを引き寄せてくる過程で、40mほど沖の海底の起伏を捉えた。ここはカレイが潜んでいるのではないかと期待を込めて、しばらく留め置いたが、この勘は見事に的中した。
7時20分ごろ、その竿を手に取って引き寄せると、感触が明らかに重い。何かが掛かっている!カレイであってくれ!と、心拍数は激増の思いながらも、同じスピードで慎重に巻き上げる。手前10m付近からは、波止の基礎石に根掛かりさせないように上層に引き揚げ、そろりと抜き上げると、待望のカレイが波止上に姿を見せた。下バリの青マムシに食いついていて、エサ付けでも狙いは的中したようだ。
周りからは「おおっ!」と声があがり、視線は私に集中。一人ガッツポーズしながら検寸すると30cm。数字以上に大きく見えるのは釣り人心理。口元は緩みっぱなしでお宝カレイをスカリに入れた。最初は不安を抱いて構えた釣り座ではあったが、意外にも幸運の釣り座だったようだ。
周囲でもカレイ顔出し
この後、エサ付けを全て青マムシにかえ、ポイントも40mほど沖に集中させるなど頑張ってみたが、追釣はならず。最終釣果は30cmのマコガレイ1匹だけだったが、幸運と努力とが重なって、自力で釣った満足感いっぱいの釣果となった。
時合いの終わりを感じて8時半過ぎに納竿し、船着き場に向かったが、途中の場所で意外な展開を目の当たりにした。9時ごろに2人組の釣り人の1人がニヤりと微笑んで「カレイ」と一声をあげた。私も歩みを止めて、周りの釣り人とともに成り行きを見守る。「安心のために、タモ使うわ」と、抜き上げではなくタモ網を手にして見事、良型カレイを好捕した。今日は9時でも釣れたのか、自分の納竿は早かった?と少し後悔したが、釣果があっただけよしとして、迎えの便に乗り込んだ。
船は旧一文字の釣り人も迎えに操行したが、波止上の賑わいは沖一文字に負けず劣らずで、改めて沖一文字で構えた釣り座は幸運の釣り座だったのだと思いをはせた。帰宅後、お宝カレイは絶品の煮付けとなって、夕食の主役を飾った
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>
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