エギング初心者による【入門者に伝えたい魅力と注意点】 イカの引きは想像より強い?
2023年02月04日 17:00
抜粋
今回は初心者目線でエギングの魅力をお伝えしたい。「早くやっておけば良かった!」そう思う前にぜひチャレンジしていただきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター石田一聖)
春は大型アオリのシーズン
春の訪れとともにやってくる大型アオリイカ。なんて魅力的な響き。エギンガーにとってはこれほど待望のシーズンはないのではないか。筆者は3月になると沖防波堤で黒鯛のヘチ釣りをしているときに、同じ場所にエギンガーらとよく乗船することがあった。しかし当時はイカ釣りなど目もくれず黒鯛釣りに夢中だったので、イカ釣りの面白さなど全く理解できなかった。
しかし一昨年、アジの泳がせ釣りで根魚を狙っていた時に偶然掛かった3kgほどの巨大アオリイカを釣りあげてその引きと食味に驚いた。そして最近ではボートでのエギングにハマり、初心者ながらいろいろ試行錯誤し釣果に結び付けている。
エギは日本古来のルアー
エギ(餌木)の歴史は古く、江戸時代、夜焚きに使ったタイマツの焼け残りにイカが抱き着いていたのを見て考案されたらしく、当時は現在のような装飾はなく素のままで作られたそうだ。ということは当時装飾なしで釣っていたそう。
江戸時代に生きた人々も現在と同じく釣るために試行錯誤し、アオリイカを釣って一喜一憂していたことを想像すると何だか微笑ましい光景が目に浮かぶ。
アオリイカの生態
どんな魚でもそうだが、釣りは狩りでもあるので、釣ろうとする相手を仕留めるためには相手の生態を学ばなければ成果に近づかない。
アオリイカの生息場所
アオリイカはだいたい北海道を除く東北以南の海ならどこにでもいるそうだが、春になると地磯付近の浅い藻場に集まりそこで産卵する。また産み付けた卵は20日ほどでふ化し、寿命も1年から1年半ほどで大型化しライフサイクルがとても短い生物だそう。
好んで食べるエサ
アオリイカの代表的なエサはアジなどの小魚、エビとされている。アジなどは大群でどこにでもいるので、アオリイカにとっては捕食しやすいのだろう。またエギに似たエビも大好物で、底にいるエビを捕食している。
入門時のタックル
アオリイカを手中に収めるためには専用のタックルが欲しいものだ。専用タックルは各メーカーからたくさんの種類のロッド、リールが発売されているが、これは好みの問題でどれを使っても良いと思う。
筆者はハイエンドモデルとエントリーモデルの中間にあたるスタンダードなロッドとリールで挑んでいる。ロッドはセフィアSSS76MLという短めのロッドでリールはセフィアSSC3000SHG。リールはだいたい2500番から3000番が主流だ。
これにPEラインの0.6~0.8号が標準で、リーダーは2号~4号を1ヒロくらいをFGノットで結束する。エギとの連結はエギ専用のスナップサルカンもあるのでそれで充分。エギを除くすべてのタックルにかかった金額は約3万円ほどだった。ハマっていくとエスカレートしてさらに良い物をとならないよう、できれば最初からこれだと思ったタックルを手にしよう。
釣れるエギのカラー
釣れるエギのカラーや種類の選択が一番悩ましいところ。できればアオリイカに聞いてみたいところだが、そうはいかない。釣具屋さんに行ってみれば、初心者はあまりの種類の多さに、選択肢がありすぎて選べないほど。手っ取り早くエギングに詳しい店員さんに聞いてみるのが良い。
基本として海の色が濁っていればオレンジやピンクなど明るいカラー。澄んでいる場合はブルーやグレー系など薄いカラーが有効だそう。オールマイティなのは透けたカラーのエギが有効で、筆者は日中の時間帯では1番多く釣っている。ただこれもその日のイカのやる気?にも左右されるそうなので、やはり経験を積まねば永遠に分からないことだ。
エギのメーカーのホームページなどには、エギのカラーやサイズなどを選ぶ基準など分かりやすく解説しているので、是非参考にしてみて欲しい。
釣れる時間帯は昼?夜?
アオリイカは基本的には夜行性なので、夜明け前の早朝や夕マヅメから夜にかけて、地磯や港などでは浅場に浮いてくるのだそう。従ってそのような時間帯を狙うのが1番確率が高い。しかし日中でも釣れるので、その時の潮の流れや水温、またはエサがいるなどの状況で釣果が変わってくるようだ。
エギの動かし方
テレビやYouTubeなんかでエギングの番組を見てエギのシャクリ方などを見ていると、とても大げさなアクションをしているように見える。海の底に着いたエギをまるで生きているかのように動かして生命を吹き込んでいるかのようだ。
3回~5回ほどビュンビュンと渾身の力でエギをシャクるのだが、竿が折れたり、糸が切れるのではないか?と心配そうに見つめているけど、そこはそれ専用の道具。意外にも難なくやれる。
まずぶん投げて糸を張らずにフリーにした状態でその場にエギを落とす。エギのサイズにもよるが、オールマイティな3.5号サイズになると、1m沈むのに約3秒くらいなので水深が10mほどだと約30秒は待つ。着底するとすぐに3回ほどシャクる。その繰り返しで仕掛けを手前に寄せて来る。
フォールに注意
その時になるべく注意する点はエギがフォールする際、ラインには絶対テンションを掛けないことだそう。これはフォール中にテンションをかけてしまうとエギが不自然に止まってそのエギを見ているアオリイカに見切られるからだ。
底付近を意識
もう一つの注意点は底付近を中心にシャクること。底から3mくらいをエギをキープするようにシャクると良いそうだ。こういったことも経験によるもので積み重なって初めて分かるものなので初心者はひたすら打ち返すのみとのこと。
やり取りと取り込み
そうしてついに待望のアタリがチョンチョンと動かしていたエギが急に重たくなり一瞬根掛り?かと思ったらドラグからラインがジリジリと出ていく。これが大型のイカならロッドはひん曲がり、ドラグの轟音とともにラインがビューンと飛び出していく。イカも興奮しているがこっちも頭がパニック。初めてだとこれがアオリイカの引きかと驚いてしまう。
テンションに注意
エギの針にはカエシというもとが付いてないため、常にテンションを掛けておかないと外れてしまう。ここは慎重に慎重にやりとりする。絶対に慌ててはいけない。ドラグから糸を出しながらどれだけ時間がかかってもジワジワと間合いを詰める。
取り込み時の墨に注意
そして何とか上がって来たアオリイカを玉網に入れて喜ぶのだが、上げようとした瞬間、ここでアオリイカからの洗礼を浴びる。大量に墨を吹きかけられるのだ。これは初心者なら誰もが経験することだそうで、ランディングしたイカはすぐエギを持って逆さまにキープした後、墨を吐かせないよう、すぐに締めて動かなくした方が良いそうだ。
釣れたアオリイカはどうする?
アオリイカは刺身はもちろん、天ぷらや煮つけ。何をしてもとても美味しい。通常ならもちろんそれだけでも良いが、今回は沖縄で愛される墨汁という料理を紹介する。
沖縄ではアオリイカの墨袋を取り出し、その墨を使った「墨汁」という郷土料理がある。一見豚汁のような物だが見た目が墨を入れてるので真っ黒。カツオだしで取った出汁に具はイカのゲソと豚肉、大根などを煮込み、味噌で仕上げた後、墨を投入して混ぜ込む。最後に万能ネギをふりかけて頂く。沖縄ではイカ墨は美容と健康に良いとされアオリイカの墨袋はとても貴重なの食材である。
早くやっておけば良かった!と後悔
エギング初心者の筆者が最初に思った疑問は、まずイカって引くの?ということ。今回初めて釣ってみたが、アオリイカの引きは想像以上にとんでもない引きだということがわかった。そして何より美味。アオリイカが嫌いな人っているのか?というくらい美味い。
釣っても楽しい、食べても美味い。長年釣りをして来たが、エギングというジャンルを敬遠して来た自分をとても悔やんでいる。もし筆者と同じように思っている釣り人は1日でも早くエギングしてみて欲しい。必ずハマること間違いなしです。
<石田一聖/TSURINEWSライター>
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