「バチ抜けはシーバスだけにあらず」 メバリング&アジングのバチパターン解説
2023年02月10日 11:30
抜粋
いわゆる「バチ抜け」といわれるパターンは、主にはシーバスで有名である。しかし実はメバル、アジにもバチ抜けのパターンがあることをご存じだろうか?特にメバルはバチパターンで型にはめやすい魚だ。今回は、このライトゲーム二大対象魚のバチパターンについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
春の釣りを盛り上げるバチパターン
バチ抜けとは、釣り人の専門用語で、バチといわれる多毛類(イソメ、ゴカイなど)が水面や水中に浮いてくる現象のことである。バチ抜けのシーズンは、主に春先。本州では一般に東京湾奥などの東から始まり、徐々に西へとおりてくる。
筆者のメインフィールドである大阪湾奥では、4月くらいからがシーズンだ。年にもよるが、たとえば2022年は6月まで続いた。
ではなぜこのようにも多量にバチが水面に発生するのか?バチ抜けとは、実はバチの産卵シーズンなのだ。こんな連中でも産卵なんてことするのか、と思ってしまうのだが、どうやらするらしい。
バチは水中のプランクトンを摂取して体力をチャージし卵を産むため、光量の多い満月回りの海や、常夜灯帯の海で発生しやすい。主には海底が砂地の地形に住まう生き物なので、サーフ周辺や、河口部でも海底が砂地になった場所で出やすい。
このバチ類、釣りエサにも多用されるように、魚の食いが非常にいい。シーバス、メバルやアジなどが、ばくばく食ってくる。
メバル・アジのバチパターン
では、メバルとアジのバチ抜けパターンについて個別に説明しよう。
メバルのバチパターン
春のメバルは、直前の厳冬期から抜け出してきて、14℃くらいの水温に迫ると、夜は久々に水面に浮上して荒食いを始める。格好のベイトとなるのが、同時期に浮上するバチなのだ。メバルは汽水域には入りにくいため、河川では反応しにくいが、常夜灯や海沿いの光がやんわりと当たるようなポイントでは、バチを追ったライズが見られる。
アジのバチパターン
春のアジは、居つきがもぞもぞと動き出すのと、セグロの回遊の二種にわかれる。セグロは回遊性が高い、夕刻や朝マヅメの群れで、あまりバチパターンとは絡まない。バチパターンで釣れやすいのは、居つきのアジだ。やはり常夜灯下や満月回りの海が釣れやすい。
沈みバチ、浮きバチなどバチも湧くレンジによって魚の着き方がかわるが、筆者の印象では春先の居つきのアジは、ボトムで出やすい。長めの、バチをイミテートしたワームでダーティングや、巻きで釣ってみよう。軽量リグでのふわ釣りも、もちろん有効である。
ただ、この時期のアジは産卵期でもあって、産卵前の荒食いが終わると、一気に食が細くなって釣れなくなる。反応が渋ったら、あまり深追いしない方がいい。
プラグで攻略しやすい
バチ抜けメバルの何が楽しいといって、この時期のメバルはプラグで攻略しやすいことである。他の時期と比べてはるかに、プラグに対する反応がいい。ワームでまったく反応しないのに、プラグにだけ食いまくったりする。
表層からレンジがほとんど入らないフローティングのバチ系ルアーを、3つくらい持っていこう。あまりアクションしないプラグだが、いわゆるこれはI字系のプラグで、直線的にしか引けないが、そのシルエットと微妙な波動でバチベイトのメバルが釣れる。
良型の期待も高いバチ抜け
春告魚といわれるメバルだが、実はリリースメインの湾奥や人的プレッシャーの高い堤防では、この時期のメバルは学習個体が多く、意外に釣るのに苦労したりする。その分一発出ると大きいのも春だ。プラグに出る魚はまたデカいのが多いので、ぜひバチ抜けメバルを探してみてほしい。
アジは居つきが潜むポイントと、バチ抜けが絡むかどうかが難しいところだが、往々にして常夜灯下やその切れ目はアジもバチもいることが多い。河川の、わりと奥まで入ったところでもリバー・アジは居ついていたりするので、シーバスアングラーが釣っている横にでも入らせてもらって、ワームを投げさせてもらおう。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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