近年日本に侵入し分布を広げている外来種 ミズワタクチビルケイソウが近畿地方で初めて 安曇川でみつかりました | 滋賀県立琵琶湖博物館
北米原産の河川付着珪藻で、近年、九州や関東などの河川上流域で大繁殖して問題にな...
滋賀県立琵琶湖博物館2023年03月03日 19:00
魚や昆虫の生育に悪影響を与える外来藻類を近畿地方で初確認 釣具が生息域拡大の原因に?!
外来藻類のミズワタクチビルケイソウが琵琶湖に流入する安曇川で発見されました。
近畿地方で確認されたのは初めてのことです。
ミズワタクチビルケイソウは魚種や水生昆虫の生息・生育に悪影響を及ぼします。
そのため、全国各地で繁殖防止対策の実施が呼びかけられており、その一環として釣具の消毒の徹底が掲げられています。
今回はミズワタクチビルケイソウの生態や釣具の消毒方法について詳しくお伝えします。
ミズワタクチビルケイソウは北米原産のケイソウの一種です。
細胞の大きさは0.2mmほどですが、細胞分裂によって枝分かれしながら成長していき、数cmもの分厚い塊となって石を覆うこともあります。
塊は白っぽくフワフワとした見た目で、バクテリアの一種であるミズワタに似ていることからこの和名が付けられました。
近年、九州や関東の河川ではミズワタクチビルケイソウの大繁殖が確認されており、そこに生息するアユや水生昆虫の生育を脅かしているという報告があります。
また、釣りの仕掛けに絡みつき、釣りに支障をきたすこともあります。
北米原産の河川付着珪藻で、近年、九州や関東などの河川上流域で大繁殖して問題にな...
滋賀県立琵琶湖博物館ミズワタクチビルケイソウは釣具や網・長靴・ウェーダーなどに付着することがあります。
これらを消毒せずに他の河川で使用してしまうと、生きたミズワタクチビルケイソウがその河川に移動・繁殖してしまう恐れがあります。
ミズワタクチビルケイソウを拡大させないためには、川で使用した道具の消毒を徹底しなければなりません。
水産庁の提示する消毒方法は以下の3つです。
川釣りをする方はよく確認し、必ず消毒を実践するようにしましょう。
●食塩水で消毒する方法
濃度5%以上(※1リットル弱の水に50gの食塩を溶かす)の食塩水に1分以上浸します。
●お湯で消毒する方法
60℃以上のお湯に1分以上漬けます。
●エタノールで消毒する方法
釣具の水気を切り、消毒用アルコールを十分に吹きかけます。
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今回はミズワタクチビルケイソウについてお伝えしました。
河川の環境を脅かすミズワタクチビルケイソウをこれ以上増やさないためには、河川を利用する人々のマナーの徹底が必要不可欠です。
釣り人の皆さんも今回紹介した釣具の消毒方法をマスターし、環境保護に貢献しましょう。