低水温期の海上釣り堀を細仕掛けで攻略 マダイ10匹で竿頭【釣堀紀州】
2020年03月12日 16:30
抜粋
2月24日、和歌山県広川にある釣堀紀州へ釣行してきた。同施設のこの時期の放流魚は、マダイ、クロソイ、メジロ(ブリの若魚)、カンパチ。天候もよく春を思わせる気温だが、この日の魚のご機嫌はいかに?
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・大塚香奈)
釣り堀はタナ取りが重要
釣堀紀州では、当日イカダの上で釣り座抽選を行う。この日は船着場側が私の釣り座となった。
釣りスタート合図までの時間はタックルの準備を行うが、釣り堀で最も大切なことが”タナ取り”だ。狙いの魚が泳いでいる層(タナ)にエサを持っていかないことには魚は釣れない。この海上釣堀では、基本的に底から30cm~1m上を狙いダナとしてタナ取りを行う。
1投目からマダイがヒット!
朝イチはマダイ狙いからスタート。最初のタナは底から1m上から。幸先よく1投目からマダイがヒットしたものの、2匹目のマダイの反応が薄い。
数投エサをかえながら仕掛けを入れ直し、タナも底から1m上~べた底まで、根掛かりに気をつけながら底を意識して探っていく。
2匹目がヒットしたのは黄色に染めたササミエサで、べた底のタナだ。べた底のササミエサと誘いすぎないパターンで立て続けにアタリが出るが、食い込みが浅い。なので、しっかりエサをくわえさせた後、サオ先で聞きアワセをしてからのフッキングを徹底することで、しっかり上顎にハリ掛かりさせることができた。
青物放流も活性低く・・
その後、青物(メジロ、カンパチ)の放流となったが、活性が低くイケスで上がったのはメジロ1匹のみ。カンパチは後半に口を使うことも多いため、少し長めに時間をかけて青物を狙いにいくが反応は薄い。
そこで再びマダイ狙いに切りかえて誘ってみるが、エサを軽く触る程度の反応のみ。陸は暖冬の影響もあり春の気候だが、海中はまだまだ水温も低く魚も冬モード。
仕掛けサイズをダウン
海水温が低く活性が上がりきらないマダイが多いため、今回はひっそりと忍ばせていた必殺技を使うことに。
まずは、ハリスとハリの号数を少し落とし、よりナチュラルに魚の目に映るようにするべく仕掛けを変更。普段は3号のハリスに伊勢尼9号バリを使用しているが、ハリスは2.5号、そしてハリもひと回り小さい物へと変更。
ただし、ハリスもハリも号数を落とせばいいというものではない。細ハリスはよりナチュラルに魚の目に映るが、マダイだけでなく青物の目にもナチュラルに映る。号数を落とした細ハリスにはマダイだけでなく青物が掛かる可能性も高く、その分細ハリスだとラインブレイク(ハリス切れ)のリスクも高くなる。
折角掛けた魚をバラしてしまうと、またイケス全体の魚の活性が下がり魚を釣るのが難しくなる。そのため、ハリスの号数を落とす際は青物が掛かる可能性も大きいこと、そして青物が掛かった際もしっかり釣り上げられる程度のハリス強度は意識していきたい。
エサにも一工夫
そして、ハリスだけでなくエサも重要となってくる。エサは黄色く染めた生エビ(アルゼンチン赤エビの切身)を使用。ハリ全体がギリギリ隠れる程度にまでエサを小さくカットし、食いが悪い魚の小さな口にも入りやすいサイズに変更した。
工夫的中でマダイ手中
すると、先ほどまでは軽く触るだけだったマダイが、しっかりとくわえ込むアタリを出すようになった。
この日はフォールでの誘いに対して反応がよかったため、ミャク釣りタックルのオモリも1号から3B、そしてノーシンカー(オモリなし)へとより軽くてナチュラルにエサが落ちていくように仕掛けを変更することで、時間が経過するほどアタリが薄くなりつつあるマダイをしっかり逃すことなく取り込むことができた。
魚の活性と仕掛けを随時意識し、ほんの小さな工夫をすることで釣果に差が出るのが冬の海上釣り堀だ。
最終釣果と今後の展望
結局この日は後半の仕掛け変更が功を奏し、マダイ10匹。食い渋る魚が目立つ中、ツ抜け釣果でイケスの竿頭となった。
釣堀紀州では今後、海水温が上がり水温が安定してくると、シマアジの放流が行われる予定だ。シマアジの放流が始まるころには水温も上がりハリスを落とさずとも釣れるようにはなるが、低水温期の食い渋った魚は繊細な仕掛けとちょっとした工夫で釣果に差が出る。
海上釣り堀は限られたスペースに必ず居る魚を釣る釣りだからこそ、食い渋った時には様々な工夫を凝らして釣果を伸ばしていくのが面白い。
<大塚香奈/TSURINEWS・WEBライター>