敷居が高そうだけど【実は入門しやすいトンボ(ビンチョウマグロ)ジギング】
2023年03月18日 11:30
抜粋
東北や南海の離島でしか楽しめなかったマグロゲームが、ここ数年近海で楽しめるようになった。そう、人気沸騰中のトンジギだ。トンボマグロをジギングで狙うからトンジギ。トンボマグロとは、回転寿司でもおなじみのビンチョウ(ビンナガ)のことだ。今回は一見敷居が高そうに思えるけれど、実はめっちゃ入門しやすいトンジギについて解説してみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)


シーズン
日本近海で釣れるマグロは、黒いダイヤことクロマグロやキハダ、メバチ、コシナガ、そしてビンチョウだ。今回のメインターゲットとなるビンチョウだが、標準和名はビンナガ。漢字で書くと髭長となる。胸ビレがヒゲのように長いので、この名前がついたとされている。またこの長い胸ビレを広げて泳ぐ様子が、トンボに似ていることから、トンボマグロとも呼ばれている。
トンジギでゲット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)一般的に10kgまでのサイズを小トン、10~15kgを中トン、繁殖能力が備わってくる20kg前後以上をタネトンと呼ぶ。せっかく狙うなら、タネトンをターゲットとしたい。
シーズンとしては、主に冬~春がメイン。12月に入ると調査出船する遊漁船がちょくちょく見られ、月の半ばから年末にかけて本格的にシーズンインする。シーズン終了は年によってまちまちだが、長ければゴールデンウイークごろまで続く年もある。
フィールド
太平洋側、主に熊野灘全域がそのフィールドとなる。身近なところでいえば、三重県の志摩沖や尾鷲沖、熊野沖など。和歌山県南部の遊漁船もトンジギで出ている。
トンジギのファイトの様子(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)出船場所は非常に多岐にわたり、愛知県の知多半島から三重県の鳥羽周辺、志摩半島、南伊勢、紀伊長島、尾鷲と中部地区のアングラーがなじみのあるエリアのほとんどで、トンジギで出船している遊漁船があるといってもいいだろう。
タックル
マグロ狙いのジギングだから、さぞやゴツいタックルが必要なのでは……と思われるかもしれないが、実は意外なほどライトな道具立てで楽しめる。まずロッドは6ft前後までの、ブリ狙いを想定したジギングロッド。伊勢湾などの近海で使う中で、最もパワーのあるモデルだ。ベイトかスピニングかは好みだが、重量級のジグを使うためベイトタックルを使う人が多いようだ。
トンジギのタックル図(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)リールはシマノであれば8000番以上、ダイワなら4500番以上がお勧め。青物ジギングのように、しゃかりきになってシャクる必要ないので、ハイギアではなくパワーギアタイプが体への負担が少ない。
また深いときは100m以深をドテラ流しで攻めるため、最近では電動タックルを使用する人が増えた。ただ、イサキやアジなどで使う小型電動リールでは、パワー不足でビンチョウが掛かったときにモーターが焼きついてしまう恐れがある。お勧めはシマノのビーストマスター3000。電動ジギングモデルが出ているので、それを選べば間違いない。
電動タックルでトンジギ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ラインはPEラインの3号以上。2号でもやってやれないことはないが、ヒットした後に取り込むまで必要以上に時間がかかってしまうため、乗合だと他の人に迷惑がかかってしまう。ある程度強引なやり取りが求められるため、最低でも3号は使いたい。長さも200m近くラインを出すこともあるため、300mは巻いておこう。
リーダーはナイロンラインでもフロロカーボンラインでもいいが、14~20号を5~8mほど取り、メインラインとは摩擦系のノットでしっかり結束しておく。
ジグ
ジグについてだが、セミロング~ロング系の400g前後が主流。そんな重いの?と思われるかもしれないが、この釣りは船をドテラ流しにして行う。ドテラ流しとは風や潮に任せて船を横向きに流す流し方。アングラーは両舷ではなく、風上側の片舷に並んでジグを投下するわけだが、船はアングラー自身の後方へ流れるため、ラインは前方へ払い出されることになる。
ラインを出せば出すほど、角度がつきやすいのでフォールスピード重視の重量級ジグが必要になってくるわけだ。特にこの時期の熊野灘は北西の季節風が吹き、ベタナギなんて日はまずないといっていいほど。風が強いほどラインが前へ払い出されるスピードは速くなる。場合によっては500g以上を使う人もいるほどだ。
200~450gのロング~セミロングジグ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ただ風が弱かったり潮と風の向きが真逆で、船の流れるスピードが遅いこともある。そんなときは300g以下、場合によっては200gでも十分釣りになることもあるので、用意するのは200~450gといったところだろう。
カラーに関しては、はっきりいって何でもいいような気がする。特に特定のカラーにヒットが偏った場面は、今まで見たことがない。人気があるのはシルバー系、ゼブラグロー系のようだ。
フック
フックがこの釣りに限らず、釣り道具の中で最も重要なアイテムだ。唯一の魚との接点であり、これをおろそかにすると釣果に雲泥の差が出る。
ビンチョウに限らずマグロは、エサを吸い込むようにして捕食する。この吸い込み型の捕食をする魚に対しては、なるべく軽いフックが有効となる。そして掛かったら、吐き出そうとしてもしっかりホールドしてくれるポイント(ハリ先)がやや内側を向いたタイプで、なおかつ十分な強度があるものが望ましい。
トンジギでヒット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)以上のことからお勧めのフックはがまかつのバーチカルヘビー6/0、カルティバのジガーミディアムブルチェイサー9/0、ステキ針の幻アシストフックなど。
またツインフックにするかシングルフックにするかだが、シングルがお勧め。ツインでもいいが、他に干渉する材料は残しておきたくない。
リアフックに有無についても、人それぞれだが、活性が高くアタリが頻発するときは断然なし。フォールにバイトが集中するときや、やや渋いと感じたときは付けた方がいい。ただし、ヒットした際、フロントフックが口に、リアフックがエラ付近に掛かってしまうと、魚体が横向きになって猛烈な負荷がかかる。
実釣
ポイントとなるのは、水深200~500mの大陸棚といわれるエリア。こんな水深なので、底を取るなんてことはしない。PEラインの色やカウンターで、何mラインが出たかを確認する。ここで重要なのが、先述したラインの角度だ。
例えば船長の指示ダナが80m。風がそこそこ吹いていて、ラインの角度が60度ぐらいであれば、だいたい110mほどラインを放出してからシャクり始める。45度であれば130mぐらい。これが三平方の定理で正確な数値を出せるが、そこまでシビアにしなくてもいい。ラインの角度を見て、よく流れているようなら少し多めに、流れが緩いようなら指示ダナプラスαぐらいの感覚でいい。
トンジギの取り込みの様子(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)アクションは青物のように、ハイスピードでジャカジャカとシャクる必要はない。ゆったりとしたワンピッチやゆっくり大きくシャクった後にフォールを入れる……など。こちらもジグのカラーと同じで、特定のアクションにヒットが偏るということはほとんどない。
トンジギのエラワタ抜きの様子(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ゴツンとバイトがあったら、2~3回強めに短くアワセを入れてファイト開始。ビンチョウはキハダやメバチなどに比べて、あまり走らない。おとなしいといった方がいいかもしれない。同じ重量ならブリの方がよほど手こずるだろう。浮いてきたら船長がタモですくうか、ギャフを打ってくれる。あとは船長がエラワタを抜いてくれて、氷室に入れてくれる。
大きめのクーラーを忘れずに
今年のビンチョウは脂の乗りが良い。特に腹身の部分はまさにビントロ。1匹釣れば、心ゆくまでマグロ尽くしを堪能できるだろう。
トンジギで数釣り(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)釣行の際は少し大きめのクーラーを持参してほしい。「大きなクーラーを持っていくとロクなことがない」というジンクスは分かるが、ことトンジギに関してはあまり気にせず、大きめのクーラー(60L以上)がお勧めだ。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>


















